受賞理由を聞いてもさっぱり
物理学賞の南部、小林、益川3氏につづいて
化学賞を下村氏が受賞したノーベル賞。
日本人として大いにめでたいことだが
困ったのは
受賞理由がさっぱり
わからないことだ。
なんだよ『対称性の破れ』って。
せっかくなのでWikipediaに載ってた
南部博士の『自発的対称性の破れ』と
小林、益川両博士の『小林・益川理論』にリンクを
貼ってみました。
見事にわからない。
一行目からわからない。
ここまでわからないとむしろ気持ちいい。
Wikiの解説を書いた人もすごいなあ。
でも、Wikiに数式を載せるのは辞めてほしい。
新聞記事のほうがまだわかりやすく書こうとしているのだが
その努力が逆にほほえましい。
せっかくなので読売新聞に載っていた
『南部理論』の解説の一部を長文だが引用してみよう。
『 この理論は、非常に小さな素粒子の世界で、重さ(質量)の起源を説明する考え方の基礎を支える。いわば、今の宇宙が今のような状態になっていることを説明する基本的な考え方だ。
言葉は難しいが、説明は非常にシンプルだ。
素粒子の世界で、我々の宇宙は「対称性が破れている」とされる。これについて、南部さんは、丸いテーブルに数人が座った時の様子で説明する。それぞれの人の間に置かれたナプキンは左右どちらが自分のものか? 最初は迷うが、1人が右のナプキンを取ると、ほかの人もそれにならって右のナプキンを取り、一気に解決する――。どちらにもなりうる状態が一気に崩れた。これが対称性の破れで、現在の自然界にあるように、粒子が一方に偏った状態になることを説明するモデルになる。』
シンプルですか、これ?
科学欄の記事を書くのは
理学部の大学院クラスを出ている記者だと思うのだが
彼らが文系出身のデスクに
「こんなもんわかるかい。
新聞読むのは普通のおっちゃんやおばちゃんやぞ」
と怒鳴られながら書いたさまが眼に浮かぶようだ。
『テーブルにナプキン』の例えは独創じゃない気はするが。
これらを読むと下村博士の
『光るたんぱく質の発見と開発』というテーマに
親しみを感じる。
いやもちろんどうやって発見したのか、とか
さらにどうやって開発したのかとかさっぱりわからないのだが
『たとえばがん細胞にこのたんぱく質を
注入して転移の様子を観察できるようになりました』
なんて聞くと社会的影響の大きさもわかるような気がする。
何十年も前の業績が評価されたというんだから
ノーベル賞ってのも罪な賞だと思う。
さらに『発表の時点で生きていること』というのが
条件だそうで待ちきれなくて死んじゃった人がいる。
安倍公房なんかがそうだ。
南部先生は87歳だそうだから、よかったと思うわけです。
まあ、理解できたとしても
私の仕事には関係ないですけどね。
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コメント
こんにちは^^
クラゲから抽出したとかTVで放送していた
クラゲから何をどうやって抽出したんだろう・・・
なぞだ
応援
投稿: 梨奈 | 2008年10月 9日 (木) 16時24分
梨奈さんありがとうございます。
くらげを一日3千匹捕まえてたんだそうで
何をどうやって抽出してたんでしょう?
それよりも光るたんぱく質の
合成ってどうするんでしょう?
投稿: natsu | 2008年10月12日 (日) 20時43分