« デジタルとアナログとカラーと白黒 | トップページ | 一級建築士製図試験物語(ドラえもんのひと) »

2009年9月 1日 (火)

一級建築士製図試験物語(試験の終わり)

 

 

 

ドラえもんの彼女が退出して、試験場は静かになった。

よそ見ばかりしていないで、私も作業を始めねばならない。

思わず時間をとられた。

 

 

 

いや、集中しろって。

 

 

 

 

 

 

しかし作業に没頭できるようになると

時間とは実に早く過ぎるものだ。

 

 

 

身近な例で言うと

仕事中にFM大阪をかけているのだが

 

 

あそこは、

時報のときに『スジャータのCM』を流す。

 

『スジャータ、スジャータ

ららららら ンッワー』というジングルのあとに

『○時です。』といってくる。

 

『うわっ、もうスジャータか。早いよっ』

急ぎの仕事の時には

いつもこう思って大変あせる。

という、あの気持ちだ。

 

 

 

 

 

 

すいません、ちっとも身近じゃないですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、終了30分前にはすべての図面を描きあげ

『へへん、楽勝だぜ』と思って見直したら、

面積計算を間違えていて、

 

 

 

思いっきり床面積がオーバーしていて

真っ青になった。

 

 

 

 

 

 

なあにが、49㎡グリッドで楽勝か?

このひとは、いつもこうよ。

なんで単純な掛け算と足し算を間違えるかなあ。 

 

とか悔やんでいる暇はない。

結局、

屋内にあった階段を

屋外に出して

床面積からはずす。という悪魔の知恵

乗り切ったのでした。

 

いまだに正解かどうか自分でも疑問なのですが

受かったから多分よかったんでしょう。

 

 

さて、そんなことをしてもまだちょっと時間がある。

 

 

こういう時なにをするか?

 

 

 

 

 

図面に模様を描くのである。

 

 

 

 

 

黒塗りの彼はだまされたのか

勘違いしたのか、知らないが

 

『図面の見栄えを良くする』ということ

自体は間違っていない。

 

 

図面に色を塗る、という方法が

間違っているだけです。

 

アプローチ部分に

タイル目地を描いたり

植栽部分に樹を書いたりするだけで

ぐっと図面の密度が上がって見える。

 

 

もちろん採点の項目ではなくて

ねこだましみたいなものだが、

 

このくらいなら残り5分でできる。

 

 

植栽も、広い面積の部分は樹の模様ばかり描いても

逆にうるさいので

 

『芝生ですよ』という意味で

てんてんをうつとよろしい。

 

 

これは、受験生には

割と広く知られているので

残り10分くらいになると誰かが必ず、

シャ-ペンで、てんてんをうち始める。

 

そして、試験場は静かだから

音が響く。

 

さらに残り時間が少ない中で

誰かがてんてんを打ち始めると

みんな焦って

連鎖反応のように広がっていくのだ。

 

 

 

私が受験した、大講堂などのような場合

それはもう壮観だった。

試験官が

 

『あと3分です』というと

それを機に、

さらに一斉に音が高まる。

 

 

 

 

ドリフのコントみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の建築界の明日を担う

未来の一級建築士は

大講堂にこだまする

シャーペンの響きの中から産まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てんてんてんてんてんてんてんてんっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 その他日記ブログへ

|

« デジタルとアナログとカラーと白黒 | トップページ | 一級建築士製図試験物語(ドラえもんのひと) »

一級建築士製図試験物語」カテゴリの記事

コメント

スジャータ時報、東京にもありますよー
昔母親が料理しながらBGMにかけてたラジオで
スジャータ♪スジャータ♪って歌ってました(・ω・)ノ

それにしても、試験会場面白いなあ。

投稿: 成瀬 | 2009年9月 9日 (水) 21時31分

もちろんスジャータのCMの後に時報です(*^.^)v

大変楽しませていただきました。
一級建築士製図試験物語~面白かったです。

これから一級建築士の人に対して
「この人も最後にてんてんした人かな」などと
見る目変わるかもね。

投稿: つおい虎 | 2009年9月10日 (木) 17時40分

成瀬さん、ありがとうございます。
あの、『スジャータのCM』は
東京でも流れてましたか。
試験会場、面白いです。
内側にいると、もう。
本気なのがさらに。

  
 
つおい虎さん、ありがとうございます。
 
えー、もう
 
みんな、てんてんしていたやつです。
ドラえもんの美女に
目を奪われるくらいですから。
 
 
 
この長編を読んでいただいて
ありがとうございます。

投稿: natsu | 2009年9月10日 (木) 18時13分

2011受験者で、結果待ちをしているものです。
楽しく読ませていただきました。
あまりに面白かったので、”コラムニストとかエッセイストにならはったらええのに”と思ったほどです。

さて、今年の大阪府立大学102教室にはテンテンを打つ人はいませんでした。(作図量が多くてテンテンまでたどり着けなかった?)
たぶん、ドラえもん 美女的な人ももいなかったと思います。
(* ̄ー ̄*)

投稿: ぷく | 2011年10月20日 (木) 21時06分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一級建築士製図試験物語(試験の終わり):

» 一級建築士 掲示板 [22秒で読む今日の芸能ニュース]
media5 重要用語 毎日10分道場 一級建築士試験 6ヶ月保証版商品価格:3,150円レビュー平均:5.0 事件は現場で起きている! 愛媛県四国中央市・新居浜市・西条市で本物の自然素材で新築やリフォーム家作りを提案している、一級建築士川上です。NSJのHPはコチラ→NSJのブログはコチラ→HP刷新しました~覗いてみてくださいね。西条市下島山N様邸新...... この記事の続きを見る ...(続きを読む) 一級建築士製図試験物語(試験の終わり): なつやすみ 一級建築士製図試験物語(試験の... [続きを読む]

受信: 2009年9月10日 (木) 11時03分

« デジタルとアナログとカラーと白黒 | トップページ | 一級建築士製図試験物語(ドラえもんのひと) »