おそろしい注射
先日知人が破傷風の予防注射を受けたのだそうだ。
たいそう痛かったという。
私も含めて、千葉県出身のガキは
『土くれをほじくっていると、破傷風にかかるぞ』と
親や先生から脅されて育った。
いまでもそうだろう。
破傷風菌は土中にひそんでおり、
小さな傷でも侵入し、
風邪とかと違って
帰ってから手を洗ったくらいでは防げない。
しかも房総半島には破傷風菌が多くて
千葉県の風土病であるのだぞ。
と、家でも学校でもさんざんにいわれるのだが
土遊びをしない小学生男子がいるわけがなく、
逆に『はしょうふばくだーん』といいながら
土団子を投げ合う始末である。
まあ無事に育ってよかったな、と。
破傷風のワクチンというのは
日本人なら、赤ん坊の頃に もれなく受けるのだが
海外に行くときや建設現場などで仕事する場合、
大人でも再度 受けた方がよいのだそうだ。
義務ではないが、知人が受けたのもこれらしい。
私も就職した年に受けた。
会社でこういった予防接種の案内がまわってくる。
いろんな病気について、それぞれ
この病気は恐ろしいから注射を受けよ、といったことが
書いてあるのだが、
破傷風の案内が名文だった。
あまりすばらしかったので、いまでも覚えている。
まず破傷風菌に感染し、
2週間ほどの潜伏期間が過ぎるまでの経緯が書いてあり、
その毒素が脳にまわって発症したときのくだりがすごい。
『その痛みは想像を絶し、
患者は眠れずに悶絶し続け
痛みのあまり背骨が折れることもある。』
破傷風患者の発作の図
『そして、ここまで症状が進むと
現代の医学でも救いようはなく、
致死率は100パーセントである。』
怖えー
だから注射を受けよ。と
建設現場で土くれに触れなければならない
貴様らにはそれしかないのだ、と。
社運をかけた、どんな大プロジェクトの
プレゼンよりも説得力がある。
さんざん症状で脅かしたあげく、
『致死率は100パーセント』と突き放してくる
この救いのなさは何だ。
記憶を元に書いているので、
もちろん文章は正確ではない。
しかしそれほど誇張しているわけでもない。
特に『痛みのあまり背骨が折れる』というのは
よく覚えている。
『症状が進むと致死率100パーセント』
というのも間違いなく書いてあった。
Wikipediaなどを見ると
そこまで恐ろしいことはなく、
毒素が回っても、『こりゃあかん』と
背骨が折れるまでほおって置かれるわけではなく
治療ができるらしいのだが、
新社会人をびびらせるには十分な文章であった。
研修のテキストなど何ひとつ覚えていないが
この予防接種の案内だけは
20年以上たったいまでも覚えている。
当然注射を打った。
痛かった。
(ここまでの写真はWikipediaから)
では『今日の5枚』
今年のハロウィンでの子供ゾンビたち。
真に迫る表情
むしろかわいい
二日酔いのお父さんのように見えなくもない。
ここからは真剣に怖いです。
覚悟してどうぞ。
ハリウッド並みのメーク術
ベストオブ今年のゾンビ
目とかどうしてるんだろう。
これ一枚だけ見せられたら、
絶対違うこと考えると思う。
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コメント
・・・破傷風からゾンビか。
“ …死して屍、破傷風菌と友達!”
って感じで、何か通ずるな。(笑)
つー訳でご無沙汰!…相変わらず元気そうで何よりだ。これからも益々の御活躍を期待している。
投稿: えのきづ | 2009年12月17日 (木) 15時36分
破傷風の症状は知っていますが
「背骨が折れ」「致死率100%」って
絶対注射受けますね
写真はハロウィンなんですか!
ホントに怖いですね
勇気ある掲載に脱帽です
いつも普通のコメントですみません
投稿: レイ | 2009年12月17日 (木) 17時34分
えのきづさんありがとうございます。
おひさしぶりです。
そちらこそお元気でしたか?
是非ブログも再開してください。
楽しみにしています。
レイさんありがとうございます。
『背骨が折れる』って絶対注射受けますよね。
ハロウィンの最後の写真は
ほんとに怖いです。
相当加工してありそうだけど。
投稿: natsu | 2009年12月19日 (土) 18時58分