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2010年7月25日 (日)

涼をとるための最高の方法

毎日毎日、暑い暑いと書くのも

どうかと思うのだが、

毎日毎日 暑いのだ。

 












だから逆に今日は私が学生の頃に実践していた

『涼をとる方法』について書いてみたい。 



日常の中でエアコンの恩恵を受けられるように

なったのは、大人になってからである。








大学の頃 住んでいた下宿に

クーラーなんかなかった。 



大きな窓があって、そのすぐ外は猫の散歩道に

なっていて

それはたいへん素敵なのだが、

思いきり西日をあびて、たまらなく暑かった




とても部屋にいられない。

かといって外だって暑い。







そんなとき、涼をとる方法が3つあった。



ひとつは大学に行くこと。

大学生なんだから当然だろう なんて言っては

いけない。

大学は暑いのだ。



いまはどうか知らないし、

当時でもえらい先生や高い機械がいる部屋には

空調が利いていたはずだが、

教養部の学生どもが出入りできるような場所に

冷房なんかまともに入っていなかった。



第一うちの学校は丘の上にある。

夏休みで授業もないのに

誰が好き好んでいくもんか。





それでも唯一の例外は図書館だった。

さすがにここだけは30年前でも冷房が

利いていた。


もっとも新館の空調はそれなりだったが

旧館には冷房がなかった。

ひょっとしたら、司書が冷え性だったのかも

知れないが、

いずれにしてもちっとも利いていなかった。





それでもちょっとは涼しいので本を読む。

1回生の頃はずいぶん本を読んだもんである。



安部公房の脚本集などはみんな読んだ。

伊丹十三も読んだ。

内田百閒も読んだ。



いま思い出して 『う』で終わっているあたり

私の限界だったのだと思う。













図書館は静かでよいのだが、

やっぱり、そのためだけに丘を登るのは

しんどい。



もっと手軽なのは単行本を持って

電車に乗ることだった。

電車ではハードカバーの本など似合わない。

でも、200ページくらいの単行本なら

阪急電車で梅田と宝塚の間を2往復するくらい

で読めるし

暑い盛りの3時間を涼しく過ごせる。



腹が空いたら十三や石橋の駅そばは

美味しいし売店があるから

飲み物にも困らない。





乗車券の使い方として正しかったのか?

と問い詰められると困ってしまうのだが、

その頃はそんなこと考えてもいなかった。

すいません。

まねしちゃ駄目ですよ。













実行できなかった避暑法というのもある。


大学生になったら

やってみたかったことがある。

『学生街の喫茶店』に

入り浸ってみたかったのだ。

『わけもなく語り合う』相手など

いなかったが、アイスコーヒーを前に

ちょっと気取った本をひもときながら

『片隅でボブ・ディラン』を聴いて

過ごしてみたかった。







ところが、そんな店 ありはしないのである。



大学に入って初めてわかったが

大学生というのは私も含めて

もうびっくりするくらい馬鹿で

喫茶店で読むのは間違いなく漫画で

一生懸命テーブルでやっているのは

一時代前のゼビウスとかだった。





さらに、80年代前半というのは

まだ学生運動のオルグとかがあったし

後にオウムで有名になるように、やたらと

宗教の勧誘が多かった。



逃げ場のない喫茶店にひとりで入るのは

ちょっと勇気が必要だったのだ。



雰囲気のいい喫茶店もごく少数あったが、

そこにはもちろん常連がいて、

何回生かわからないようなおっさんばかりで

やっぱり怖くて入れなかった。










『ファミレスに行く』というのも

やらなかった。


私より少し後の世代なら、

ファミレスで試験勉強をしたという連中は

案外多い。

バブルの頃ユーミンが

(この人は私よりだいぶ年上だが)

ファミレスで聞き拾いした痴話話で

アルバム一枚分の歌詞を書き上げたというのは

有名な話。



『すかいらーく』の1号店の開店が

1970年だからもちろん存在は知っていたが、

ロードサイドショップとして

発展したため、車がないと行けなかったのだ。



貧乏学生だった三谷幸喜が住宅街の中に

おしゃれな割に、店頭のメニューが意外にも

安い店を見付け、喜び勇んで年上の彼女を

クリスマスにエスコートしたところ

有名なファミレスでがっかりされた、

という話があるくらいで

車がないと縁がなかった。



三谷幸喜は同世代なので、

この人の世間知らずは極端だとは思うが。














話が例によって貧乏くさくなってきたので

ここで決定的な避暑法をご伝授しよう。






風呂に入ってしまうのだ。

なにを当たり前のことを、というなかれ。



我が下宿に風呂などなかった。

別に威張るようなことではないが、

当然入りに行くのは銭湯だ。



これは気持ちいいぞ。 

ユニットバスのシャワーなんかとは

比較にならん。





熱い湯に入って

溶けるくらい入って

スチームサウナでさらにとろけて

そのまま水風呂に飛び込んでしまえ。









身体中が『きゅっ』と音を立てるような

気がする。

脂肪のうちの何割かがちょっと固まるような

気がする。



もちろん、これで体を洗って

冷たいシャワーを浴びて、

それで出てきてもいい。 


再び炎天下に出てきても、さっきまでの

昼下がりの朝顔のような

塩垂れた気持ちではなく

なにか『勝った』ような気がする。











ただ、理想を言えば

何度も風呂を出たり入ったりできるといい




昔の銭湯には脱衣所の中に畳敷きの

休憩コーナーがあった。

兵庫の銭湯にこれがあって、 

湯舟に入って水風呂に入って、体を拭いて、

裸のまま休憩コーナーでごろごろして、

また風呂に入る。


3回もこれを繰り返すと

身体中がふにゃふにゃになる。



あんまり若い衆のやることではないと思うが、

気持ちがいいことは間違いないです。  




脂っ気などみんな抜けてしまう。

プロアクティブなんて必要ない。

真鍋かをりもびっくりである。





ただし欠点は、まるまる半日かかることで

その間なにもできない、ということ。



外がまだ明るいうちに風呂に入ることに

罪悪感が起きるのもちょっとした欠点だ。


頭の中で

『おーはーらーしょーすけさん、

あーさーゆーがーだいすきでー

そーれでーしんしょーつーぶしたー』

という歌がリフレインするのも

ほんの少しだけ困りものではある。





でも、これだけは昔の銭湯じゃないと駄目です

スーパー銭湯じゃあ風情がない。




ぜひどうぞ、と言いたいが無理かな。

でも、ぜひ。






















おまけ

 

 

 

『学生街の喫茶店』























では『今日の一枚』













気持ちはわかる

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コメント

ものすご~い共感します(笑)。
学生街の喫茶店……あこがれでしたね。

この暑さとは、戦うぐらいでないといけないですね。なまじやり過ごそうなんて考えると、やられてしまいそう。

勝った感――大切かも! 

投稿: fullpot | 2010年7月25日 (日) 16時04分

銭湯っていいですね
まわりにはスーパー銭湯しかないので
残念ですが
仕方がないのでスーパー銭湯に行きます

安上がりにするなら
電車というのもいいですね
参考になりました
ありがとうございます

投稿: レイ | 2010年7月26日 (月) 10時22分

fullpotさんありがとうございます。
学生街の喫茶店、あこがれでした。
外壁につたなんか絡まっていて。
なかったですねー。
ほんとにもう、
気合いが必要な暑さって、いやだな
と思います。
 
レイさんありがとうございます。
銭湯はいいです。
時間に余裕がないと行けないですけどねー。
うちの近所にも一軒しかないんです。
結構下町なんですけどね。
箕面だとなさそうですねえ。
一日掛けて阪急完乗とかやってみて下さい。

投稿: natsu | 2010年7月27日 (火) 22時39分

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