秀吉と夕張
『羽柴秀吉』が夕張市長選に出馬する、というニュース。
羽柴秀吉という、この変わった名前の人は選挙マニアだ。
大阪の知事選、市長選などにも出ていたから
私も政見放送や街頭演説なんかを見た事がある。
都知事選では、3000票と健全な判断を下した東京都民に対して
大阪府民はおもしろがって、このおっさんに
知事選で2万7千票 市長選で3万2千票も与えたりした。
それでもまあ、
基本的には『泡沫候補』だったのだが、
夕張は違う。
2007年の市長選では、
1万2千人の夕張市民の中で2988票もの得票を集め、
わずか300票差で、堂々の2位となった。
したがって、今回の選挙では『最有力候補』なのである。
全国紙が、このしょーもないニュースを流しているのには
そういった事情がある。
しかし、少なくとも私には
この人と夕張との結びつきがよく理解できない。
この人の出身は青森の五所川原で
地元にこんな不思議な旅館を持っている。
一泊10650円から。
『あの建物』っぽいけど、中はごく普通の和風旅館。
Wikiには、『自らが経営する企業が夕張に進出し、
行政サービスの受託事業などを展開している』という記述があるが
私が捜した限り、そういう事例は見つからない。
自らの業績を謙遜してネットに公開しない、という
謙虚な人柄とは思えないから、不思議だ。
そして、仮にそういった『実績』があったとしても
『投資したから市長になる。』っていうのは、
あんまり上品だとは思えない。
なにしろ、こんな人である。
ホテルの敷地内に『配備』した
対テポドン迎撃ミサイル
の前でポーズをとる秀吉。
市長に当選したら
『天然ガス開発や砂金採掘に取り組む 』、のだそうだ。
商業ベースに乗るほど、夕張では砂金やガスが採れるのか?
という問題以前に、
財政再建団体となった夕張市が、
そういった新規事業を展開できる可能性は
限りなく0に近い、ということを誰か教えてやれよ。
『借金を返すまで夢をみるな。』 というのでは、
夕張市民にも酷だと思うから、
夢を語って貰って構わないとは思うんだけど、
この人に託していいのか…?
当選しない覚悟があるからこそ
『泡沫候補』は、愛されるのに…
では『今日の一枚。』
夕張市役所 旧鹿島支所
炭鉱全盛期、人口が10万人を超えた夕張市では
三菱系の大夕張炭鉱の地元である、
南部・鹿島地区を分離しよう、という運動があった。
昭和28年には、市議会にかけられた『分町案』が
たった1票差で否決された、という歴史がある。
従ってこれは、
ひょっとしたら『大夕張市役所』になっていたかも知れない建物。
そんな時代もあったんですね。
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