疑惑の二人
『木嶋さん、本当のことを喋っちまいましょうや。』
『わわわ、私は無実ですっ。』
『本当のことをいってくれたら、
あなたの大好きなブログ、とやらを書いてもいいですよ。』
『…え? 』
『ノートパソコンを貸してあげますよ。
もちろん、事前にチェックはさせて貰いますけどね。』
『…でも、なにを?』
『以前書いてたような、ご飯ブログでいいんじゃないですか?』
リッツカールトンごはん
保険金で高いメシ食うなよ
『それを、ここで?』
『「今日のお昼は、ホウレンソウっぽい草のおひたしと
名前もわからない深海魚のフライ。
ご飯は五分搗きで、麦も入っていてとってもヘルシー。
でも明日は、自腹で天丼でも食べようかしら。」、とか。』
『この私に、拘置所の「臭いメシ」のことを
書けっていうんですかっ』
『そっちかい…
大体あんた、毎日全部残さずに食ってんじゃん…』
『佐賀さん、今日は本当のことを喋っちまいましょうや。』
『わわわ、私は無実だっ。』
『法廷で嘘をついたら、それだけで重罪でっせ。』
『……』
『まあ、こんな事、元 地検特捜部の副部長さんに言うのは
釈迦に説法でしょうがねえ。』
『異議ありっ。被告人を威嚇していますっ。』
『異議を認めます。原告人は簡潔に質問を行って下さい。』
『わかりました。それじゃあ…』
『あなた、ヅラですね ? 』
どきっ
『不自然なんですよ。その年齢で、その真っ黒な髪の毛。
しかも逮捕されて、もう 一ヶ月以上経つのに、
根元も白くならないし。』
『異議ありっ、FD改ざんや犯人隠避とは無関係ですっ。』
『いいえ、これは被告人の人間性に関する重要な質問です。』
『弁護人の異議を却下します。』
『うたっちまえよ。あの姉歯でさえ、
逮捕された時はヅラを外してきたんだぜ』
では『今日の一枚。』
たぶん、のど自慢。
家族は止めなかったのか…
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