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2011年4月 2日 (土)

『非常に残念に思っています。』というお言葉を              もう一度賜りたいのか?

『震災のいろいろな体験はありますが、

一言だけ言っておきたいことは、

復興に当たって後藤新平が非常に膨大な計画を立てたが

いろいろの事情でそれが実行できなかったことは

非常に残念に思っています。

もし、それが実行されていたら、

おそらく東京の戦災は非常に軽かったんじゃないかと思って、

今さら後藤新平のあの時の計画が実行されないことを

非常に残念に思います。』 

 

 

 

 

 

これは、関東大震災60年目、1983年の記者会見での

昭和天皇のお言葉。

(高橋 紘『陛下、お尋ね申し上げます。』より引用。改行のみ筆者。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後藤新平は、関東大震災翌日にできた山本内閣の内務大臣で

震災直後に『帝都復興の建議書』を書いて

2週間後、自ら帝都復興院の総裁になる。

 

復興院ができる前、帝大教授の佐野利器を私邸に呼び

『復旧ではなく復興だ。何をやるのか俺にわかるか。

ソッチで考えろ。』

といって、理事、建築局長になることを要請した。

    

 

 

旧知の仲だし、いくら非常時とはいえ、

招聘したい相手を、私邸に呼びつけちゃうあたり乱暴で

実際、台湾総督や満鉄総裁をやった、この人のことを

『日本帝国主義の権化』のようにいう人もいる。

 

だから、敵も多かった。

当時の山本内閣は、非常時ゆえの『超然内閣』だったのだが、

『被災地まるごと買い上げ、35億円』という後藤の計画は、

内閣にさえ受け入れられなかった。

 

しかも、この案が世間に流れると、

区画整理におびえる地主層の支持を受ける政友会と、

市区改正以来、都市計画に金を出す事が大嫌いであった

大蔵省の猛反発を受ける。

 

結果として、復興計画はどんどん縮小されていく。

 

 

 

 

 

 

昭和天皇のお言葉にあった『いろいろな事情』を、

私ごときが忖度しては不敬にあたるが

事実の経緯だけ見れば以下のようになる。

 

 

 

 

1923年 9月 1日 関東大震災発生。

     9月  6日 帝都復興の議(焼土買上案)   35 億円

      9月27日 帝都復興院設立

    10月27日 復興計画閣議決定案 ※1      13 億円

    11月24日 復興審議会提出案 ※2       7.3億円

    12月10日 帝国議会提出予算※3         5.7億円

    12月19日 議会承認 ※4               4.7億円

1924年 2月25日 帝都復興院廃止

1930年 3月24日 帝都復興事業完成記念式典

 

 

 

うわあ、マトリョーシカみたい。 

 

 

 

 

※1 この政府原案については、由紀夫君のおじいさん、鳩山一郎などは 

   『もっと徹底的にやれ。』と叱咤している。

 

※2 閣議決定した案なのだが、ここで大蔵省の反発にあって

    いきなり半分になる。

 

※3 復興審議会議というのは、閣外の諮問組織。

     ここで伊藤巳代治という長老が猛烈な反対論をぶつ。

    いわく、所有権を取り上げるなんて乱暴。区画整理は自治体でやれ。

    道路が広すぎる。巨額すぎる。帝都復興院なんて無駄だ… 

    リンクしたWikipediaの伊藤巳代治のページが震災復興における

   彼の『業績』を一切書いていないあたりに、注目して欲しい。

    『顕彰会』みたいな連中も触れられないようなことをやったわけで、

    彼の名前は、『日本都市計画史上最大の悪人』として

    あらゆる都市計画史に、悪罵と共に綴られている。 

 

※4 議会では、野党の政友会が反対し、事業費が2割カット。

   復興院事務費廃止、という『後藤潰し』まで行う。

 

 

 

 

 

『焼土買上、35億。』にしろ『政府原案、13億』にしろ、

これは、日本の国家予算が15億円だった時代、

多いか、少ないか?

 

 

ただし、この間の経緯を見ると後藤にも悪いところがある。

 

『大風呂敷』と呼ばれたこのおっさんは、

『どうせ半分くらいにされるじゃろう。』と

最初に、でかい花火を打ち上げる癖があった。

 

 

非常時に『アラブの商人の駆け引き』

みたいなことを吹っかけて、相手を警戒させたあたり、

この人のやり方も、よくない。

 

 

 

 

 

 

 

関東大震災後の、このごたごたは大変に有名なので

私なんかが書かなくても、

要路の人はよく知っているはずだ。

 

だから書くつもりはなかったのだが、

以下の二つのニュースを見て、腹が立ったので書きました。

 

 

 

 

 

『自民党、大連立に支持相次ぐ、しかし総裁は…』

(読売新聞の記事へのリンク)

 

谷垣さんの

『360度、上下左右を見渡しながら進む。』ってのは、

今は、どこにも進まない、って事だよな?

 

 

 

 

 

さらに、

『菅総理が、共産党の志位委員長と会見して

「原発の新増設について「見直しを含めて検討したい」と言った』

というニュース。

(朝日新聞の記事へのリンク)

 

 

 

いいから火を消せ。

先のことは、

原発と頭を冷やしてから考えよう、な。

 

 

 

サルコジさんと一緒に

もりもりと、ホウレンソウでも食ったほうが

お国のためになっただろう。

 

こんな、といっては志位さんに失礼かもしれないが、

こんな票集めに時間を取ってやがる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では『今日の一枚。』

 

 

 

 

 

 

だから、時間がないんだ。

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と、まあ、ここまでは実は4月1日までに書いていた。

ところが夕方になって、

『菅降板、谷垣総理で大連立?』というニュースが

流れたてきたので、様子を見ることにした。

 

ところが続報がない。

『菅総理は降りるつもりはないらしい。』

『谷垣さんは、総理が降板しなければ連立はしない。』

とのこと。

 

 

 

 

谷垣さんは、まだ『上下左右を見回して』いるらしい。

 

読売の文系記者は、気がついていないらしいが

『上下左右ぜんぶ 』を表す立体角なら、『360°』ではない。

 

単位は『°(度)』ではなく、『sr(ステラジアン)』で

全球なら『4Πsr (4パイ ステラジアン)だ。』

 

 

 

毎日違う単位が出てくる、このご時世に、

こんな奴を総理にして大丈夫か?

 

 

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こんな奴

 

 

 

 

 

 

こんな嫌味なこと書きたくないんだ。

誰が総理でもいいからさ…

 

 

 

こんなこと言ってる亀もいるし、

 

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郵政のことをやってくんないとぐれてやる…

 

 

冬眠してろ。

 

 

 

 

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追記:翼賛体制になれ、って言ってるんじゃないですよ。

    早くしろって事です。

    そして関東大震災の轍を踏むな、と。

 

 

 

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