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2011年5月 5日 (木)

タクシー日米事情とイエローキャブ

ニューヨークのタクシー、

通称『イエローキャブ』に日産の車が採用、というニュース。

(Responseの記事へのリンク)

 

    

 

次の10年、市内を走るタクシーの公開コンペが行われた。

最終選考に残ったのは、この3車種。

ここから市民投票で選んだ。 

 

 

00yellow_cab  上・日産NV200

  左・カルサンV1

  下・フォード

    トランジットコネクト

 

 

 

 

カルサンなんて自動車メーカー、知らんなあと思ったら、

トルコの自動車メーカーなのだという。

 

 

知らん。

 

 

でも、3台の中では一番かっこいい気がする。

 

 

00v1  

 

全面開放ルーフと

殺風景に広い車内。

 

 

 

 

 

選ばれたのは日産のNV200。

(日産自動車ニュースリリース) 

 

 

長々と、

買うつもりもない車について説明したのには理由がある。

 

この3車種、どれも座席がチープなのだ。 

 

 

00nv2002  

 

サラリーマン的に

とても困る車内。

 

 

 

 

 

就職した時、ビジネスマナー講座というのを受けさせられた。

 

名刺の出し方とか、電話の受け答え、とか

そんな、カスみたいな知識を教えてくれる。

 

その中に『タクシーの席次』というのがあって

一番えらい人は、後部座席の一番奥で、

下っ端は、後部座席の真ん中に座れ、という。

 

『下っ端が真ん中』というのは、わかる。

両側から、おっさんに挟まれる不快さもあるし、

FR車は床の真ん中にドライブシャフトが走っていて

盛り上がっているので、物理的に坐りにくいからだ。

 

 

しかし、『えらい人が奥』という理由は

個人的にはよくわからない。

教えてくれたのかも知らないが、興味はない。

 

えらい人を奥に座らせると、

自動的に最後に降りるので、飲んで帰る時など

支払いをしてくれてラッキーだったりもした。

 

もっとも、よその会社の人と一緒だと、そうも行かない。

 

 

 

 

 

 

『着きましたよ。』

 

『えーと、これ、大きいのしかないけど。』

 

『……』

 

『困るなあ、お客さん。えーと、お釣りあるかなあ…』 

 

『…あー、もう。これを使いたまえっ。』

 

『いえ、社長、ここは私が…』

 

『早くしてくれないか?

日付が変わると、

うちの奴は家に入れてくれないんだよっ。』

 

『あ、運転手さん。領収証下さい。宛名は…』

 

『あー、もうっ。君の所との取引は、なしだっ。』

 

『しゃ、社長っ。』

 

『チケットも使えない会社が

信用できるかっ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

だから、今回選ばれた日産の車を含めて

座席が均等に安っぽいのに驚いた。

 

エアバッグとか客席用電源とか、装備は充実しているらしいが

あとは『広けりゃいいんだろ。』的な割切りを感じる。

 

 

 

 

 

しかし、日本のタクシーと、

NYのイエローキャブを一緒にしてはいけないんだろう。

 

アメリカ人なら、金持ちはハイヤーに乗るし、

もっと金持ちはヘリに乗る。

 

スラングで『イエローキャブ』と言えば

『誰でも乗せる』という意味で、日本人の女性観光客の蔑称だ。

イエローキャブは庶民と観光客の乗り物なのだそうだ。

 

行先を復唱し、降りる時には運転手みずから扉を開けて

『ありがとうございました。』と言ってくれる国は

日本くらいしかないらしい。

 

 

 

 

日本のタクシーが変わったのは過当競争のおかげ。

 

むかしは、タクシーの運転手といえば、

返事もしない、おっかない人が多かったのだが、日本人は、

タクシーを『座敷』のように思っている節がある。

 

だから、『席次』がある。

むかしは『チップ』をあげるのが当然だった。

 

 

『タクシーのメーターが、たとえば430円だと、

このまま上がるな、って思うんだよ。

490円とかになると、がっかりするわけ、ね?

だって俺はさあ、もう、はじめっから500円札を

だすつもりでいるんだから。ね?釣りはいらないって。

だから430円が490円になっても、俺はちっとも困らないのよ。

そのぶん、運転手の取り分が減っちゃうわけだからさ。』

 

という文章が、確か伊丹十三のエッセーにあったように思う。

(出典をわすれたので、文章はうろ覚えです。)

 

 

 

いま、タクシーでチップなんかあげても断られると思うが、

そんな時代はあったのだ。

 

和風旅館で、最初にお茶を持ってくる仲居さんに

心付を渡す、なんて いまは、やらないんだろうか。

 

大昔の寝台車には『ボーイ』という寝台係がおり

席まで案内してくれた。

その時にもチップを渡した。

 

 

寝台車のチップは、自分では経験したことはないが

見たことはある。

旅館とタクシーのチップは、自分でもやったことがある。

 

外国のように、あからさまに要求されたことはないが

やる方も、貰う方も当然だと思っていた。

 

 

そして、それはどれも

『ちょっとだけよそ行きの場所』だった。

そういうところで、日本人はへんな見栄を張る。

 

タクシーに乗る時、席次を気にするような奴とは

仕事をしたくないが、(見栄)そんなことがマナーになる国は

ほかにあるんだろうか?

 

 

 

 

だから、こういう割り切った車が

タクシーになるっていうのが

ちょっと新鮮だな、と思ったわけです。

 

 

3車種ともミニバンなのは、

コンペの規定だったのか、偶然なのか知らないが

よく考えたら、タクシーがセダンである必要はない。

 

割り切っとるなあ。

そして、これでいいんだよな。と思う。

 

 

 

 

 

 

NV200は『バネット』という名前で日本でも売られていて

こちらのタクシー仕様車は車椅子でも乗れる。

(PDFカタログ  

 

2+1のへんな座席は、そのためらしいんだが

この車を、あんまり日本で見かけないのは

そういった中途半端な座席のせいでもあるんだろう。 

 

日本では、そんな中途半端な客席は許せない。

 

そもそもバネットなんて何人も乗せるのに

1.6リットル109馬力という

チャールズが見向きもしないような性能の車だ。

 

 

今回のニュースで、

『ほら、日本車すごい』とかいう論調をちょいちょい見かけるので

それは違う、と言いたい。

 

 

 

 

 

 

 

なんだか、国民性の違い、というものを感じたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では『今日の一台。』

 

 

 

 

 

 

 

間違えた金と車の使い方。

00matigaeta_kanemoti_2  

 

 

 

 

 

 

 

 

どこの国か知らないが

道行く人が注目しているところを見ると

この国でも変人、らしい。

 

 

 

 

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そんな時代もあったよね」カテゴリの記事

コメント

NYのタクシーのように
日本のタクシーも変わってゆくのでしょうか

席次って、ほんと日本独特ですね

タクシーを使うことがあまりないですが
「 釣りはとっといて~ 」
は、いつか言ってみたいです

投稿: レイ | 2011年5月 5日 (木) 15時41分

レイさんありがとうございます。
アメリカのタクシーって
乗ったことないんですけどね。
でも席次を気にするのは日本だけかも。
 
急いでいる時に、
『お釣りはいいです』っていったら、
『こまります』って
いわれたことがあります。
いまは、そういうのが評判になるのを
嫌がるみたいですね。

投稿: natsu | 2011年5月 7日 (土) 23時07分

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