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2011年11月19日 (土)

『定員』物語

中国で起こった、幼稚園送迎バス事故。

 

    

実は定員9人のバスの座席を取っ払って

そこに62人の園児を立たせて乗せていたのだという。

 

それで、結果は死者21人。

その他全員重傷。

(朝日新聞の記事へのリンク)

 

 

 

 

 

座席数9人のバス、というのは

日本では『マイクロバス』にも入らない。

 

座席を取っ払って、

そこに62人を立たせていたというのも信じられないが

その幼稚園の園児は740人。 

 

そこに9人乗りのバスが3台。

運転手は、霧の中 無茶苦茶なスピードですっ飛ばし

あげく対向車線にはみ出して、正面衝突、だそうだ。

 

 

 

 

そもそも、園児数740人の幼稚園、というのが

日本では信じられない。

 

『あの国』の、そういう基準は知らないし、知りたくもないが、

はじめから、定員なんて無視していたんだろう。

 

こうやって、大事故になって

海外にまで配信されるようになったから、いい『恥曝し』だが、

こういうことは、『あの国』ではいくらでもあるんだろうな。

と思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

で、まあ、今回取り上げるのは『定員』です。

 

もちろんここで明らかにしておかなければならないのは

今回事故を起こした中国の擁護をするつもりはない、ということ 

とんでもない三等国だと思う。

 

 

 

しかしそれなら、『定員』ってなんだ?

 

 

『定員の概念』って日本でも、案外いいかげんじゃないのか?

 

 

 

 

 

 

例えば、

 

『埼京線は、毎朝のラッシュが乗車率270%だから

痴漢がやり放題、出放題だ、』だ、なんていう。

 

『帰省ラッシュで新幹線の乗車率は200%です。』

なんて、風物詩のようにいう。 

 

それって定員オーバーじゃないのか? 

 

 

と、思ったので列車の『定員』というのを調べてみました。

いろんな定義があるらしいんだが

とりあえず、わかりやすくて権威がありそうだったのが

『日本民営鉄道協会』のそれ。

 

面積で決まるんだそうです。

座席なら40cm四方、立席なら、0.14㎡がひとりあたり。

0.14㎡というのは37cm四方。

 

立つにはちょっと狭い。

勃つには広い。 

 

そして、着座席の40cm四方というのは

乗客の姿勢なんか考えていない。

脚を投げ出していれば、当然収容人数は少なくなり

トラブルは増える。 

 

 

 

 

 

そんなら椅子を無くしちまえ、と 

20年くらい前に、JR東日本が

山手線に『座席のない列車』を走らせようとしたことがある。

 

その時、日本人は

『俺達は家畜か?』と猛反発した。

 

あまりの反発の大きさにJRも、さすがに取りやめたのだが

それに対して投入したのが6扉車。

車両の片側に6枚扉があって、要するに、一両あたり12枚。

 

 

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壁面の半分が扉

 

 

 

こうなると、椅子というのは殆どなくて一両で30席、

従来の車両の半分しかない。

しかも座席が収納式で、ラッシュ時には全員立たされる。

全身にマタニティマークを張り付けない限り、

周りの視線が痛くて、座れない。

 

 

扉を増やす、というのは乗降時間の節約にもなるのだが

この件に関しては、『家畜列車』の批判に反発したJRが

なんとしても、『席を減らしてやる。』という意思を示したわけで

どちらかというと、ガキの喧嘩に近い。

 

こんな「一休さんの屁理屈」のような話を聞くと

脳みそが痒くなる。

 

 

あたまわりー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、ここまでやっても、

まだまだ、日本の鉄道は甘い。

 

飛行機なんかでは

もっと座席をケチるのがトレンディなのだそうだ。

 

格安航空会社のピーチ航空が関空に投入した

新型機は、座席の間隔を3割ほど狭くしていて、

『よりたくさんの方にご利用して頂けることで安くなります、』

なんて、偉そうにいっている。 

 

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狭い狭い狭い。 

 

 

 

 

エコノミー症候群で

人が死ぬんじゃなかったのか?

 

 

 

 

 

さらに、まだまだまだまだ、日本は甘い。

イギリスのLCCでは、乗客なんか立たせておけ

という旅客機を作った。

 

 

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 ほぼ拷問

 

 

 

 

さすがにこれはひどい、ということで

いまだ実用化されてはいない。

 

一応、『こどもがシートベルト出来ないだろう』

といった理由なのだが

本音はまだ飛行機に見栄があるだけだ。

 

 

 

 

 

だから、今回も含めて『定員』なんかに意味はない。

定員を守っていれば安心か?ということを

『乗車率200%の新幹線』を

風物詩にしちゃう日本人が

偉そうにいうなら、片腹痛い。

 

 

もちろん、この事故に関わった中国人を許す気はない。

恐るべき三流国家である。

 

だけど、定員ってなんだよ。

 

 

 

いまの中国の都市部の住民で、

内実はともかく『送迎バス付き』の幼稚園に

こどもを通わせていたのなら、相当な金持ちか有力者だ。

 

しかも一人っ子の国。

一体どんな騒ぎになるんだろう。 

 

それにしても、

我が子が、そんな家畜みたいな扱いをされていることに

気がつかなかったんだろうか?

バス停で、わかりそうなもんだが… 

 

 

 

 

問題は『定員』ではなく。

740人の園児に対して9人乗りバスが3台、

という貧弱さなんだろう。

そしてそれが通用しちゃう見栄張りな風潮と。  

 

『成長のひずみ』なんていう言葉を使うと、とたんに安っぽいが、

あの国は、日本とは安全の基準が二桁くらい違うような気がする。

 

そして、なにより、

740人の園児に対して、バスが3台しかないことに

『ごめんなさい』って

言えなかったことがひどい。

 

 

『そのあげく、運転手に無茶なノルマを課して

彼は、霧の中、速度超過で逆走した。

 

運転手も死んじゃったらしいのだが

なんか、責める気になれない。

 

もっとも、フクシマで嘘を突き通している日本国が

偉そうに言える筋合いでは、ない。

 

こまったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では『今日のオーバー。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

定員なんてあるのか?

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逆に芸術。

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埼京線の『女性専用車導入』を喜ぶ

埼京線沿線の『女性』の皆さん。

 

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痴漢にも、『選ぶ権利』があると思う。 

 

 

 

 

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