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2011年12月 2日 (金)

「小学三年生」の休刊と私

「小学三年生」と「小学四年生」が休刊、というニュース。 

(読売の記事へのリンク)

 

 

 

 

 

 

既に、小学校五年生、六年生は昨年、休刊している。

『科学と学習』も休刊した。

雑誌で『休刊』というのは、要するに『廃刊』だ。

 

 

 

休刊の理由を、小学館は

『成長と変化が著しい小学生の

ニーズに合わなくなってきたため』という。

 

小学三年生も

全盛期には100万部も売れていたのだが

いまは3万部くらいなのだそうだ。 

子供の数自体も減った。

 

 

 

 

 

まあ、この最新号を見ると、苦労してるな、とは思う。 

 

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 なつかしいロゴ

 

 

 

 

 

 

私にはこどもがいないので、このロゴも久しぶりに見るな。

 

 

 

 

 

 

わくわくの最新号の目次はこちら。 

 

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クリックで大きくなるけど

小学館のページに行った方が

きれいだと思います。

 

 

 

 

 

 

見事に総花的。

 

 

クリスマスカードからゲーム機の歴史。

愛菜ちゃんから、マー君まで

たかが9つの、ガキの興味を食い止めるためでも、

これだけの話題を揃えないといけないらしい。

 

附録の充実も素晴らしい。5色ペンやステンシルにシール。 

編集部の苦悩が、あふれている。

 

 

いい大人が、編集会議で

『来月号は「おめかしカード」推しで』とか

やっているのかと思うと、楽しい。

 

 

それだけやっても、100万部が3万部になってしまった。

社名の元にもなっている本だし90年の歴史があるから

歯を食いしばって頑張ってきたけど、

もう駄目、ということらしい。

 

 

 

 

しかし、昔は100万部売れていたのだ。

うちでも買っていた気がする。

 

だけど敗北の理由を『時代のせい』とか、うそぶくなら、

また同じことを繰り返すぞ。

 

 

 

 

 

今の子は、ゲームだ、塾だと忙しいらしいが

子供って、そんなに広い世界で生きている訳じゃない。

 

子供なんて、むかしから、人見知りで、生意気で、

『うんこ』『ちんこ』というと大笑いする。

基本的に、びっくりするくらい馬鹿だ。 

 

そして100万部売れていた時代と比べて

子供の興味の対象が30倍も増えたわけでは決してない。

 

ニーズが多様なのは昔も今も変わらないと思うが

小学校三年生自体が『著しく変わった』訳ではない。

 

小学校三年生の平均年齢は、昔も今も9歳なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

『ジャンプなんか下品だから、

このくらいのを買っときゃいいのよ。』という、

大人の事情もあったと思う。

 

むかしのジャンプは今以上に下品だったし

漫画に対する世間の寛容も低かった。

漫画好き、ということで麻生さんがヒーローになったあたりで

からかわれていることに何故あの人も気がつかないんだろう。

 

『クール・ジャパン』だなんて、寒々しい。 

『このくらいの本なら、安心だわ。』と。

 

『小学○年生』シリーズが売れたのには、

そんな理由もある。 

 

兄弟が多い時代だから、男女5匹に与えるのにちょうどいい

という事情もあった。

床屋の待合には、かならずこの本があった気がする。

 

 

 

 

 

 

 

それなら、むかしのガキが喜んで読んでいたか、というと

個人的なことを言うと疑問だ。   

 

 

そういえば、三年生くらいから買わなくなった。

 

そんな本、子供っぽくて恥ずかしい、という

いかにもガキくさい理由があったように思う。

 

お仕着せの『小学三年生』よりも、

子供向けに翻案されたものであっても

ホームズや十五少年漂流記が読みたかった。 

 

子供ほど、背伸びがしたい。

実際の年齢以上に見せたがるのが子供で

年齢以下をよそをって、四十になっても『女子』とか

言い出すのは、おばさんなのだ。

 

 

 

 

 

  

きっぱりと『小学三年生』と言い切っちゃったあたりが

敗因だ、とは小学館も言っている。

 

でも『親が安心できる』という

ブランド力は圧倒的だったはずだ。

 

そこに安心しきったおかげで

背伸びしたいこどもたちのハートをつかめなかったのは

確かだったらしい。

 

 

かといって、方向が見えなくなって、

 

『ちょっとエルダーなアトモスフェアをまとった、

君にだけこっそり教える、この冬の

「大人の階段1000本ダッシュ」。』

 

とか、わけのわからない言葉使いを始めたら

雑誌に限らず末期症状で、この最新号でも

はっきりとその傾向が見える。

 

 

 

 

 

今月号のラインナップでいえば、

『メリクリ&あけおめステンシル』くらいは

かろうじて意味がわかるが

『遊便のすすめ』というのはなんだろう。

 

と思って、特集ページに進んだら、葉書や封書だけじゃなくて

切手を貼れば、しゃもじやうちわも、ポストから送れるよ。

ということらしい。

 

年賀状を意識しているのかも知れないが

この真冬にうちわが届いたら、嫌がらせだ。 

 

『ふろく特集てんこもり号』というあたりにも、なんか

やけくそ感を感じる。

 

 

 

 

流行らせようと造語を作るのは雑誌の悪い癖だ。

『流行ってる言葉』に乗り遅れまいとするのはもっと悪い癖だ。

 

世代によって言葉が変わるわけではない。

このくらいの年齢の子供って、世界が狭いから、

外から教えられない限り、案外、変な言葉を使わない。  

 

大変だなあと、人ごとながら思う。

そして結局は駄目だったわけだ。

 

つくづくと、『歳取ったなあ』、と思う次第であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ということで、我が「エレメンタリー三年生」も

誌面の刷新を図ろうと思う。』

 

『どうするんですか?』

 

『雑誌でイメチェンといえば、お色気だ。』

 

『言い切っちゃっていいんですか?』

 

『老舗の雑誌で、そうやって失敗した例がいくらでもある。』 

 

『失敗しちゃ駄目でしょう。』

 

『うまくいった例もある。

そこで、「ミス小三」を募集しようと思う。』

 

『活字にすると、格好悪い名前ですねー。』

 

『だけど、講談社のミスマガジンなんていうのは

既に30年の歴史を持っていて、そのグランプリストたちは

このとおり、綺羅星のごとくだ。』

 

『斉藤由貴、細川ふみえ…そんな時代からやってるんですね。』

 

『だから、アイドルの登竜門にするんだ。』

 

『でも、うちの読者3千人ですよ?』

 

『読者投票が出来るようにする。』

 

『それはミスマガでもやってます。』

 

『それだけじゃない。

QRコードをつけてケータイで投票させるんだ。』

 

『それ、小学校3年生にはハードルが高くないですか?』

 

『さらに、登録して頂けると、候補の子の画像が

ケータイサイトからダウンロードできる。』

 

『…?』

 

『さらに、有料で水着…』

 

『やめろっ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の一枚。』

 

 

 

 

 

 

よう、買わねえか?  

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「市バス一日券くれ」って

言ってみたい。

 

 

 

 

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