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2012年1月23日 (月)

核パトロールの日

1月21日は『チューレ事故』の日。

(Wikipediaの記事へのリンク)

 

 

 

 

 

 

 

1968年のこの日

水爆4発を積んだアメリカの戦略爆撃機B-52が

グリーンランドのチューレ基地のそばに落ちた。 

 

 

 

 

アメリカは、この2年前にも、スペインで

水爆2発を落としている。

 

 

 

どちらも、核爆発こそ起こらなかったが

大量の核物質がばらまかれた。

 

 

 

 

あぶねーなー、もう。

 

 

 

 

 

アメリカは1945年に原爆を開発して

直後に、広島、長崎に墜とした。

 

 

その時の運搬手段は爆撃機。

その後も、核兵器の運搬手段として

アメリカは戦略爆撃機を選んだ。

 

自信があったからだ。

空軍に関しては、質量ともにソ連を圧倒している、と。

 

現在でも、アメリカは戦略爆撃機を大量に保有しており

事故を起こしたB-52は改良を重ねながらも現役である。

 

 

 

0000b5_tu95

B-52(前)とソ連のTu95(奥)

Tu95は人類最大の核爆弾

ツアーリボンバーを運搬した

ソ連最大の爆撃機。

しかし全然大きさが違いますな

 

 

 

 

対抗するために、ソ連は核ミサイルを主力にした。

スプートニク、ガガーリンと、

ミサイル開発を念頭に『宇宙開発』を進め

実績においてもイメージにおいても

ソ連はアメリカに先んじる事になる。

 

 

しかしまだミサイルの精度が低い時代でもあった。

目標の数キロの範囲に落ちるかなあ、という有様で

そんなら、破壊力を大きくすればいいんじゃね?

ということで、この時代、核兵器は非常識に巨大化する。

 

 

 

さらに数も増やした。

米ソ併せて数万発、地球を何回こわす気だ?と数を競う。 

数打ちゃ当たるんじゃないか?と

 

 

戦争ってガキの喧嘩だなあ、と思うが

そういう競争の中で行われたのが『核パトロール』

核弾頭が増えすぎたせいで、

『偶発的な核戦争』の危険が増えた。

 

増やしといて勝手な話だが、こうなると

『先制攻撃に耐えて反撃する能力』が

重要視される。


 

そこで、核爆弾を積んだ戦略爆撃機を

24時間交代で空中に浮かべておく。

敵から核攻撃を受けたら、

ただちに反撃に向かうのだ。

『パトロール』といいながら、実際は

『攻撃準備』だった。

 

原子力潜水艦とSLBMができる前、

『核兵器の生存率』を確保する、最も有効な手段である

と考えられていた。

 

もちろん撃墜されることもある。

B-52はベトナム戦争にも投入されて通常爆撃も行うのだが

結構墜とされている。

 

だから複数浮かべておく。

この事故が起きた当時は12機が浮いていた。

 

空中給油機なんてのが開発された大きな理由の一つは

この、『核パトロール』のためである。

 

 

 

 

 

しかし12機も飛ばしていたら、こうやって落ちる奴もいる。

パイロットのミスで爆弾を落としちゃうこともある。

 

 

核爆発が起きなかったのは

偶然に過ぎない。

 

 

 

 

 

ふざけんなよ。馬鹿。

 

 

 

 

 

 

さすがに危ないよな、ということで

公式には、現在は行われていない。

 

ミサイルの精度が飛躍的に向上したせいでもある。

いま、先進国のミサイルは

1000km飛んで誤差100mというくらいに命中率が高い。

 

北朝鮮ごときにミサイルの開発をさせてはいけないという

理由の一つもここにある。

 

ミサイルを打ち上げることさえ危ないあんな国が

狙いをつけて撃てるはずがないのだ。

 

 

 

 

 

その一方、戦略爆撃機や核ミサイルというのは

もう『終わった技術』だ。

 

B-52にしてもTu95にしても50年前の機体だ。

それを更新しないのは、それぞれの事情があるにしても

『もう兵器を更新しない。』という合意ができたからでもある。

 

ICBMにしたって、実は、最新兵器ではない。

現在も配備されている

アメリカのICBM・ミニットマンは50年前の機体だ。

 

 

いま、『核パトロール』が行われているかどうか。

それ自体はどうでもいい。

仮に行われていなくても、

インターネットもGPSも米軍が開発したものだ。

 

今更、その恩恵を排除することはめんどくさいけど、

そういうことは、もっと知っておいていいと思う。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の一枚。』

 

 

 

 

 

 

 

 

人類が手にした最大の核兵器

ツアーリ・ボンバー。

 

0000tuari_bomber

 

ツアーリボンバー(模型)

これ一発で広島原爆の3300倍

 

 

これの実験では、爆弾倉を改造したTu95が使われ

『さすがにスペック通りの実験をしたら、地球が死ぬよな。』

ということで、威力は半分にされて実験した。

 

ところが、その威力は衝撃波が地球を3周半した。

『ええ加減にせえよ。』ということで

これ以上強力な核兵器は作られていない。

 

もう、いいよ。 

 

 

 

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コメント

威力を半分にしても
衝撃波が地球を3周半!?
もう核は廃止して欲しいですね
全廃は無理でしょうが・・・

今回も勉強になりました
ありがとうございます

投稿: れい | 2012年1月24日 (火) 14時38分

れいさん ありがとうございます。
ツアーリボンバーなんて
馬鹿みたいな兵器です。
使えないんだから。
 
だけど、いまの核兵器は、
周りを汚染させないだけじゃなくて
すぐに制圧できるように
威力を押さえてピンポイントに狙う
っていうから、
さらに腹立たしいじゃないですか。

投稿: natsu | 2012年1月25日 (水) 21時10分

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