盆栽とBONSAIと盆梅展
海外で『盆栽』あらため、『BONSAI』が人気、
という話題をテレビが取り上げていた。
『盆栽を「BONSAI」といって、
いまや海外でも大人気なんだそうです。』
『へー。』
『輸出は、過去10年で4倍増。
逆に、国内市場は縮小して、いまや、10倍以上の
「輸出超過」なんだそうです。』
『ほー。』
『…冷たいですね。』
『盆栽を輸出している訳か?』
『ええ。いまや年商70億円。立派な輸出産業だそうです。』
『生木を輸出して、
検疫とかはいいのかね。』
『それは、チェックしているでしょう…』
『マツクイムシとかつけてやればいいのに…』
『何でそういうことを言うんですか?』
『だってお前。
漫画が流行った時、
「あんなの見るのは子供と全学連だ。」と
馬鹿にした奴がいる。』
『…ええ。』
『ファミコンが登場した時、
バーチャル空間で育つ子供は
凶悪犯罪に走る、といわれた。』
『…ええ。』
『アニメが登場した時、
手塚治虫の虫プロは倒産した。』
『…ええ。』
『それがいまやみんな
「クール・ジャパン」だ。』
『ああ、まあ。ねえ。』
『「ちんぽ障子・慎太郎」が、漫画に文句つけるって
おかしいだろう。』
『奴の頭の中には、「僕は芥川賞だから超優秀。」としか
思ってないんですよ。』
『でも、昭和40年代のあいつは、真底馬鹿だったぞ。』
『…ねえ…』
『だいたい、だ。
日本人は、外人から褒められないと自国の文化を認めない。』
『そうですか?』
『ゴッホやセザンヌが、浮世絵の影響を受けた、
とかいう馬鹿がいる。』
『でも事実でしょう。』
『違うっ。
外人に言われるまで日本人は、
そんなもんに価値を認めなかった。
肉筆浮世絵の大半は、いまや海外にあるんだぞ?』
『ああ、まあねえ…』
『外人に対して、へりくだるのが
「国際通」だと思ってる奴がいまでもいる。』
『…はあ。』
『大体、今回のニュースにしたって、
「BONSAI」には極端な価格差があるから
海外のバイヤーがそれで一儲けしてやろう、
外人の子供に魅力を教えて市場を育てよう
っていう詐欺師がいるってだけじゃねえか。』
『でも、子供が剪定していたりしてかわいかったですよ?』
『だから、そういうことも商売だ。』
『…まあ、ねえ…』
『輸出する木に、
マツクイムシとかウリミバエとかヤドリギとか
遊星からの物体Xとかを仕込んでやれ。』
『ワールドワイドに喧嘩を売るのはやめましょうよ。』
『しかし、盆栽って、値段がわかんないよな。』
『手間を掛けているかどうかはわかるんですけど、
なぜ、何倍?とか
なぜ、その値段?っていうのは、訳がわかりません。』
ミニ盆栽
一坪、3800円也。
本気盆栽
一鉢、一億円。
『ということで、だ。』
『あ、ろくでもないことだ。』
『ミニミニ盆栽、というのはどうだろう。』
『ありますよ?』
『え?』
『東急ハンズでも、そこら辺のインテリアショップでも
テーブルサイズのガラス鉢のミニ植栽なんか
いくらでもあります。』
こういうのをデスクの上に
置いている人、
確かに、いたわ。
『世間は、あなたよりも、何歩か先を歩いています。』
『ちぇー。』
『じゃあ、「メガ盆栽」。』
『はい?』
『だから、鉢の直径が2mで、背が高くって…』
『いや、「メガ」で「盆」って、間違いでしょう。』
「いまなら、色違いの高枝切りばさみ3本をお付けして
……19800円。』
『…高枝切りばさみ?』
『でも、これから2月だ。
そうすると、長浜なんかでは「盆梅展」というのが開かれる。』
『ああ、電車に広告が載りますね。』
『盆梅、っていっても滅茶苦茶でかいぞ?』
『梅って、結構成長が早いんですよね。』
『…あれが、何で盆栽なんだか。』
『秋に菊花展、なんてのに出展する人もいまから
庭中で、菊を育ててますよ。』
『どうも、本末転倒なような気が…』
では、『今日の一枚。』
猪木 盆梅展
『まあ、あれだな。
今日の記事は、このしゃれを言いたかっただけだな…』
『しゃれなんですか?これ…』
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