『食べログ』不正と、SEO対策と検索ワードと私
『食べログ』不正操作事件。
飲食店に関してのクチコミサイト最大手、
というかほぼ独占の『食べログ』に、
恣意的に順位を操作する不正があった。
金を払って、好意的な情報を投稿してもらって
順位を上げる。
すでにそういう会社39社を特定した。
『食べログ』の主催会社は『不正で許せない、
提訴する』と。
国も、消費者庁が調査に入る、と。
いまさらなんだ?
たとえばこんな話がある。
『サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。』で有名な
映画評論家、淀川長治が映画会社の宣伝部にいた頃
アメリカからやってきた、新作の『駅馬車』を
宣伝するために
『駅馬車って映画はすごいらしいぞ』と
公衆電話で声高に名前を連呼し、
『これから駅馬車という映画を見に行く』と
駅の伝言板に書いて回った、という。
『サクラ』というものがある。
賑やかしのために、金で雇った無関係な人間を
その店に興味があるかのように並ばせる。
意図的に雇うのが『サクラ』だが
客の側が意識していなくても
『宣伝材料』にさせられていることがある。
カフェでもファミレスでも、店員がエスコート
してくれる店で
窓際に座らせてくれることがないだろうか。
閑散時間帯であれば、通りから見える場所に
客を座らせて『うちは賑わってますよ』という
ことをアピールする。
そういうことをする店がある。
寒空に『テラスはいかがでしょう』なんて
言ってきたりする。
意識しないうちに、サクラにさせられている
こともあるのだ。
個人的にも、『口コミ』の力を思い知った
経験がいくつかある。
たとえば、こんなこと。
時期は勘弁して欲しいが、
同じ学年の奴の、親父だか兄貴だかが、
学校の近所にラーメン屋を開いた。
とりあえず学生どもは食いに行った。
ご祝儀、というほどの義理はもちろん無い。
興味だけだ。
ところが食ったら、すげーまずかった。
その、破壊的なまずさはソニックウェーブの
ように学校中、さらには口コミを通して周辺の
学校に轟き渡り、その店は、時ならぬ
『学生バブル』に見舞われた。
卒業してから行ってみたら、そこに店はなかった。
最初の例で言うと、
『食べログ』の不正は駄目だけど、
淀川長治はいいんだ。
『駅馬車』は名画だったから、と、馬鹿読売
は言う。
真底の馬鹿だ。
こんな台詞、言葉を扱うのが商売であるはずの
新聞社の、一面コラムが言うことだろうか。
駄作に関して『プロモーション』という名前で
提灯記事を書かせ、
いまでも、ネガティブキャンペーンも含めて
もっと卑劣なことが行われているのを
知っての上で、だ。
天下御免の卑怯者である。
2番目の例で言うと、
客を窓際に案内するくらいだったら罪はないが
そんな店は、私のようなおっさんは
窓際に座らせてくれない。
通りから見えるところで、昼酒を呷って、
うぃーとかやっていたら
イメージダウンだからだ。
今度、あの店でやってやろう。
日本だと、このくらいだが
外国では、有色人種をいい席に座らせない
というところが、ちょっと昔までいくらでもあった。
いまは知らないが、おそらくあるだろう。
最後の例で言うと、地域の人の口コミが
恐ろしいというのは、
昔の商売人であれば当たり前のことだった。
店の人間が、『ほら、あの人また…』
なんていうことを
少なくとも外部の人間に話すことは、
商売人の仁義として許されなかったのである。
それを今は、コンビニ店員なのに
ネットに書く奴がいる。
どういう時代なんだろう…
最初の話に戻ると、
口コミの操作なんてのは、昔から行われてきたのだ。
ネットの情報を信じて、
『わー、この店評判なのよー』と来るのは
田舎者だ。
そんなかっぺ。リピーターにはならない
『食べログ』やガイドブックが無意味だ、
といってるわけじゃないですよ。
その土地に不案内な人間にとって必要なもの
なんだけど、
そこに書いてある情報を鵜呑みにするかあ?
逆に『ガイドブック』のほうは広告で
成り立っている、という半可通な知識が
行き渡ったがために『食べログ』のような
『生の声を伝える』と言うことを
仮構したサイトが人気を得たのだろう。
しかし、このニュースで
順位を上げることが『商売』になるという
あたりがわからない。
商売として成立するのか?
どのくらいの投稿でどの程度順位が上がるのか
知らないし、知りたくもないが
同じIPアドレスから何百通も投稿が来たら
怪しまれるだろう。
それならば、と端末を変えるんであれば
初期投資がとんでもないことになる。
逆に、十数通の投稿でいいのなら、
親戚に頼めばいいことだ。
設備投資と人件費にプラスして
利益が上がるほどの
報酬がもらえたのだろうか?
そして、そんな会社が『食べログ』だけで
39社もあるというのは
それだけの市場規模がある、ということなのか?
『ということでですね?』
『あ、またろくでもないことだ。』
『素人に評価させるからいけないんですよ。』
『ミシュランみたいにする訳か?』
『そんなやり方じゃ駄目です。
SEO対策というのを知っていますか?』
『検索サイトで上位に出してくれる、という』
『たとえば、「神戸 建築士」で検索して
上位に来たら
どどっと客が来るんじゃないか、と…』
『…いや、うちはそんなところに頼む金もないし…』
『いや、でも頼んじまえば繁盛しまっせ。』
『仮に頼んだところでHPもないし、
そもそも実績がないからグーグルさんの知識の
中に入ってない。
いくら検索したって、ヒットしないよ…』
『はあ…』
『はあ…』
『……』
『……』
あ、書いててちょっと涙ぐんできた…
では、『今日の検索。』
本業の方で検索されることは、まずないのだが
このブログに関しては、
キーワードで検索してやってきて下さる方がいる。
たとえば、『オーランチオキトリウム』という
単語で検索すると
グーグルさんでは、
なんと、Wikipediaに次いで堂々の2位だったりする。
うれしいからです 。
ひゃっほう。
『屋台課長』で検索すると、あろうことか
ご本人の『屋台課長のバリカタブログ』
を押さえて、堂々の第一位だったりする。
個人を中傷する内容ではないので
削除はしない。
ただし、表現があんまりかな?とは思うので
もしも苦情があれば、改めます。
しかし、こんな事を書くと『自慢か?』という
ことで、ネットの世界では嫌われると思う
のだが自慢だ。
やーい。
って、どうしてこういう書き方をするかなあ。
いつまでも少年の心って、こういうことかな?(違う)
でも、ポイントランキングでは、常に地を這う
トマホークのごとく低空歩行なのであります。
ちぇー。
ちなみに、
『たばこ 栽培 違法』で検索しても、
『子供のセックス』でもトップ10に来るので
もう、ここに来て下さる方の気持ちったら、
さっぱりわからないわ。
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コメント
あたしがこのブログ読ませていただくようになったのが、まさしく「タバコ 栽培 違法」でした!
唯一コンスタントに拝見してるブログです。
今年も楽しみに読ませていただきます。
投稿: あー | 2012年1月11日 (水) 19時45分
あーさん ありがとうございます。
いいんです。
いろんな方が来て下さって
それで、楽しんでくれたら
すごく、うれしいです。
投稿: natsu | 2012年1月14日 (土) 08時21分