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2012年6月 8日 (金)

『ベビラン』は危険じゃないのか?

子供を三輪車に乗せて親がランニングする、

『ベビラン』なるものが紹介されていた。

(読売の記事)  

 

 

 

 

ベビーカーを押して子供とランニングしましょう。

お父さんも参加すれば楽しいよ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言ってみれば『乳母車で全力疾走』みたいなもので

子供が揺さぶられて危ないだろう。と思うのだが、

リンクした読売の記事では、この乳母車を紹介して

『エアタイヤにサスペンション、頭が揺れないから子供にも安全』

と言っている。



 

 

さて、どうだろう、というのが今回のテーマ。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

6月6日の読売新聞に掲載されていた写真。

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この『ベビラン』運動というのは、

読売の記事にある神戸市の主婦と旦那が

夫婦で立ち上げたらしい。

 

それは別に構わないのだが、

肝心の車両の構造についてしらべようと思ったら

びっくりするくらい情報がない。







 

このおばさんは、『○○という媒体に取り上げられました。』

『今度イベントをやります。』ということの宣伝は熱心だが

車両の構造には、あんまり興味がないらしい。

そもそも工学の基礎を全く知らないんだろう。

 

 

 

従って読売の写真を引用した。

ご丁寧に、禁無断転載と書いてあるものをフルサイズで

引用しているのだが真面目な話だ。聞いて欲しい。









 

危険を告発することに

著作権なんか関係あるか、馬鹿野郎。

かかってこい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、この写真の撮影場所は『神戸市東灘区』とあって

個人的にはほぼ場所が特定できる。


  

うん、ごめん。そんなことじゃないよね。













まず『エアタイヤ』、というのを読売は自慢している。

つまりチューブで空気を入れるタイヤということだが

チャリンコでは100年前からそうだ。

そんなこと当たり前じゃないか。

乳母車は違ったのか?




 

そっちのほうが驚きだ。





そして、『サスペンション。』つまり、

ボディと車輪を切り離すシステム、なのだが

ここで引用した写真を見て欲しい。


左右の赤い車はボディから、フリーヒンジのバーが出て

それを、油圧か空気か知らないが、ダンパーで支えている。

非常に原始的なリンク式サスペンションだ。


真ん中の黄色い車は、そういう機構がないようにも見える。

後輪に関しては、

いずれもそういったものがありそうには見えない。












でまあ、問題はバネじゃないんだ。








振動の問題、というのは非常にめんどくさいのだが

工学系にいる以上、専攻を超えて永遠のテーマだ。


 

ベクレルもステラジアンも知らない読売の文系記者が

したり顔で解説を加えるなんて、片腹痛くて

先生、私の肝硬変まだ治ってませんか?










えーと、ものすごく乱暴にくくると、

ボディに対してサスペンション以下の車輪の部分の重さ

(バネ下荷重)を軽くすると

地面に対する追従性が良くなってなめらかに走る。












そこで考えて欲しい、

子供なんてせいぜい体重数キロだろう。 

『乗客』はひどく軽いのだ。









そこに、複雑な車輪をつけてバネ下荷重を

相対的にうんと重くたくしたうえで

背中からハンドルで揺さぶったら拷問だ。



 

紹介はしないが、このおばさんのHPには

もっと凝ったベビーカーが載っていて

F1なみのマルチリンクサスペンションに

大口径タイヤを履いていたりする。











 

重いでしょ?







  

子供は口が利けないが、

どう考えても乗り心地は悪い。
 

『あら、笑ってるわよ。』とかいう想像力のないやつは

ものづくりに参加してはいけない。

あなたの子供は魯鈍かもしれないじゃないか。

















 

そして、もっと根源的なこと。


 

ベビーカーは後ろから押すのだ。

お母さん、あるいはお父さんが背中から押す。

したがって、おばさんがどたどたと走ったその振動は

ハンドルを通じてダイレクトに車体に伝わる。


 

そのボディが中途半端なバネで支えられていたら

逆にゆわんゆわんと

車体を揺らすだろう。





 

車輪そのものに直接駆動力を伝える、

つまりバネ下部分しか動かない

自動車とはここが決定的に違う。



 

接地部分である車輪とボディとを緩衝するサスペンションは

本来は、地面からの振動を抑えて

なめらかに走らせる機能がある。

しかしボディを直接押すのであれば

おばさんの息遣いもろとも伝わる。



 

だから、車体そのものを

ドタドタと押すのであれば、

凝ったサスペンションには

なんの意味もない。








 

まだある。
















 

そうやって、背中のハンドルで押す以上、

荷重のほとんどは後輪にかかる。

そうなるとどうなるか、というと

直進安定性が悪くなる。






 

一度でも車椅子や乳母車を押したことがある人は

わかると思うが

普通に押しても、まっすぐ進むのは結構気を遣う。


そういう車は、小回りをよくするために

あえてそうしている部分があるわけだが、

背中から押して走る、

というのであればそうはいかない。


 

直進安定性をよくする方法はいろいろあるが

手っ取り早い方法は

前輪と後輪の距離(ホイールベース)を伸ばすことだ。












 

ドラッグレースというのを知っているだろうか、

ゼロヨン(0-400m)の直線をいかに早く走るか、というレース。

強力なエンジンを積み、後輪駆動で走る。

市販車を改造したレースも行われるのだが

それだけのためにに開発された車、というのもあって

たとえば、こんなの。




 

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極端に長い

ホイールベース

    







直進安定性をよくするためにこんなことをする。

ここまでになると、ほとんど曲がれない。






  

ここで改めて冒頭の写真を見てもらうと

三輪にして、前輪を前に置くことで

長いホイールベースを得ている。






 

そのために三輪にしているとも思えない。

ただでさえ、安定のためには四輪でないと意味がないのだが

軽量化のためだろうか?

しかし、こうなると、前輪にかかる荷重は極端に低い。

速度がつきすぎたら、ご自慢の車輪ごと、ぐりっと

あさっての方に曲がっていきかねない。










 

実際ドラッグカーがバランスを失うとこんな事故が起きる。 

 

レース用にチューンされた車でもこうなる。 

前後輪の荷重バランスを考えないと危険なんだ。 


























ブレーキが貧弱なのも気になる。



 

冒頭の写真の『ベビーカー』は

どれもディスクブレーキを持っていない。




 

昔見た、介護専用の車椅子は

乗っている人が一切操作できない代わりに

背中から押す介護者のハンドルにはブレーキバーがあり、

タイヤには、1/5くらいの口径のディスクブレーキがあった。




  

あの車椅子なら四輪ドリフトができると思う。







 

当たり前だけど、


 

『走る』ことが前提ならば、

それ以上に『止れなければならない』

 

 

 

 

 

 

 

 



その批判に耐えられるのか?




 

 

 

 

 

 

 

ベビランして、曲がり角で人にぶつかったら

全力で発言小町に投稿して

相手を責めやしないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なによ、アメリカで実績があるのよ』、というかもしれない。

でもそれは危険の免責にならないんだ。

事故があった時に、『だって、アメリカで…』というのか?










   

真面目にやろうぜ?

大人だろ?

























そして、体感速度のスケール感というのも考えて欲しい。


  

子供の体重があなたの1/10だとしたら、

子供が感じる『速度感』はあなたの10倍ではない。



   

ここらへん、文系が勘違いするところなのだが

『平方』と『立方』を間違える。





  

速度感は1000倍、とまでは言わないが、

絶対に体のスケール以上にある。

あなたが泣き叫ぶ『絶叫マシーン』は

実は30km/hくらいだったりするのだ。


















   

ほかにも、これほど普段遣いしにくい輸入車であれば

普及しないだろうな、とか

クラブミーティングのように、同好の人が

公園などの安全な場所でやるならともかく

冒頭の写真のように公道で走って事故でも起こったら

社会問題になるぞ、とかいろいろ思う。










 

だからおやめなさい。

主催者であるあなたのためも思って言っている。

ちがうな。


なにより子供のためだ。












 

これが『ランニング』ではなく、

子供と一緒にウォーキング、

くらいだったら文句は言わないのだ。

しかし、このおばさんのHPが、

ほぼ自分の自慢とイベント紹介に

尽きているところが私の怒りの琴線に触れた。










   

なんて切れやすい琴線だろう。












    

読売の写真で場所はわかった。






 

そもそも、

あんなふうに公道で走っていたら違法だ。


 

事故に遭っても文句は言わん、

ということだな?




 

いい度胸だ。

ふざけんなよ?



































  

では、『今日の三輪車。』



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうやって自分で運転できるんなら

文句を言うつもりはないんだ。

一番体が大きいやつが

びりなのもいい。








三輪車ワールドグランプリ2010

IN富士サーキット。

 

素晴らしいくだらなさ。こういうのがいいんだ。



 

健康とか育児とか関係あるか、

この馬鹿野郎っ。








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今回の記事を見て、場所及びほぼ個人が特定できたことで

これは脅迫じゃないか?

なんてことを思う人がいるかもしれないが、とんでもない。

 

僕は○○駅から、みなさんのベビランカーを見て、

星明子のように電信柱の影から見守って差し上げる。

そして、目の前を通ったら・・・

 

ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ

ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ

 

 

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コメント

I totally agree with you.
More than 10 years ago, I was hit by "jogging stroller"
in Guam. I was injured my ankle and elbow.
Jogging stroller is absolutely dangerous !!!

投稿: kitty | 2012年6月 9日 (土) 11時53分

kittyさんありがとうございます。
 
グアムには既に
ジョギング乳母車がいるんですか・・・
お見舞い申し上げます。
 
実際あんなもん押して走られたら
ちょっとした凶器ですよね。
周りも迷惑だけど
子供に怪我をさせたら誰が責任を取るのか、
もう少し考えて欲しいです。
 
えーと、これ
訳さなくても読めますよね?

投稿: natsu | 2012年6月10日 (日) 00時22分

そこのけそこのけベビーカーが通る~。

今テレビでベビランのことやっててここにたどり着いて。
私も0歳3歳のママだけど、
発起人の気持ちもわかるし賛同もできるけど、
まだそれをやるには色々整ってないように感じる。

投稿: | 2013年1月30日 (水) 10時06分

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