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2012年8月 2日 (木)

ハッサクの日

8月1日は『八朔』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『一日』のことを、かっこよく『朔日』とも書くので

八月一日は『八月の朔日』。

だから『八朔。』

 

 

この日は、家康が江戸に入府した日でもあるので

江戸時代、『八朔』は祝日であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果物に『ハッサク』というのがあるが

これは、この頃に実がなったから。

 

『ハッサクって冬の果物じゃない?』と思うあなたは正しいのだが

この場合の『八』は旧暦で、いまの九月から十月。

 

 

 

 

 

 

 

ハッサクが栽培されるようになるのは江戸時代末期。

そして、ハッサクは2か月くらいおいた方がうまいぞ。

ということに気がつくのが明治中頃。

『八月朔日』を名乗りながら

真冬の果物であるのには、こんな理由がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…ということでですね。』

  

『…なんだ?』

     

『我が村の特産なんだけど、ちっとも売れないハッサクの

名前を変えましょう。』

 

『…なんて?』 

 

『いしんハッサク。』

          

『……』

 

『……』

  

『そうやって、オールラウンドにあらゆる政治勢力に

喧嘩をふっかけるのはやめないか?』

        

『でも、うちの村のハッサクはまずいんです。』

  

『「うちの村」の、ね…』

       

『ザボンのように皮だけ分厚くて、果実はカスカス。

たねばっかり多くてジュースにもならんと。』

   

『……』 

     

『……』 

  

『しかし、商品力の向上を図ることなく

名前だけ変えてイメージで売ろう、なんて

まるでバブル時代の発想じゃないか。』

  

ハッサクそのものの商品力の向上は無理です。』

 

『無理なのかよ…』

      

『そのかわり派生商品で勝負します。』 

  

『…派生商品?』

 

 

 

 

 

 

 

 

      

『我が村のハッサクの欠点は皮です。』

 

『分厚いよなあ…』

 

『剥く気も起きないこの皮を商品にします。』

  

『…皮を?』

      

『こちらが、「シトラス・ハッサク・ピール」。』

  

『ピール?』

      

『皮の表面を削いで、切って砂糖漬けにするんです。

ケーキやパンに入れて焼くと香りが立ってうまいでっせ。』

  

『へー。しらんかった。』

      

『いちびったスーパーに行くと、スパイスの棚に

「オレンジ・ピール」ってのがあるでしょう。』

  

『…うん。』

       

『あれは、みかんの皮です。』

 

 

『まじでっ?』

 

 

 

 

 

 

  

『もうひとつの商品がこちら。「朔皮」です。』

  

『そのまんまじゃん。

皮が一体なんの役にたつんだ?』

      

『漢方薬です。』

  

『はい?』

      

『漢方薬店に行くと「陳皮」ってのがあるでしょう。』

  

『…さあ?』

        

『咳止めなんかに使われます。』

  

『へえ…』

        

『あれはみかんの皮です。』

  

『まじでっ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

『さらにまだあります。

うちのハッサクは皮だけ厚い。』

  

『白身が分厚いよなあ。』

      

『これをそぎ取って細かく切って

アロマオイルに浸けたのがこちら、

「ハッサク・シトラス・アロマキャンドル」です。』

  

『あ。これは売れるんじゃないか?

ハッサクのいいにおいがする。』

       

『略して「H.C.A」。』

  

『いや、略さなくていいし。』

        

『細かく切った皮の部分だけを集めて乾燥させて

枕に入れたらいいにおいだぞ。っていう

ハッサク・シトラス・ピローもあります。』

  

『あ、これもいいにおい。』

        

『略して、H・C・P。』

  

『しかし、肝心の中身は?』

       

『使えませんねえ…』

  

『うちの村のハッサクの中身、な?』

        

『でも、あの道頓堀プール。

本気でやるつもりらしいですぜ?』

  

『まさか…プールってのは単なる水たまりじゃないんだ。

給水、濾過、循環のために莫大な固定設備が要る。』

       

『いや、常設じゃなくて仮設らしいですが…』

  

『イベントごとにプールを作る気か?』

       

『そうらしいですよ。』

(読売の記事へのリンク)

          

 

『まじでっ?』

 

 

 

 

 

 

 

      

『つまりあれか?「いしんハッサク」は皮だけか?』

      

『馬鹿なこと言っちゃいけません。

うちのハッサクは見栄えだけは素晴らしいんです。』

  

『観光客が手にとって

「いやに軽いな。」って言ってるよな。』

      

『しかも、足が速くて3ヶ月もするとカビだらけになります。』

  

『まるで「いしんハッサク」じゃないか。』

  

『…ハッサクの話ですよね?…』

  

『いつまでも総選挙がなかったら

新鮮味が薄れて、あそこも

そうなるんじゃないのか?…』 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の二枚。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、ザボンの皮を砂糖漬けにした

『皮だけお菓子』というのはすでにある。

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大分銘菓柚餅子

ザボン漬け 

 

 

 

税込み525円。

皮じゃん。

高えー。

 

 

 

 

  

もっと豪快にザボン丸ごと砂糖漬け、

というのもある。

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おばあちゃんのザボン漬

 

 

 

まあ、そういうお菓子はアンズとかほかの果物でもあるか、

とも思うんだけど

一袋1500円って一体何だよ?

 

 

 

 

 

 

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