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2012年9月30日 (日)

尖閣アドバルーン

尖閣諸島に中国が無人偵察機を投入。

というニュース。

(朝鮮日報の記事へのリンク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『生意気だなー。』

   

『まったくです…』

 

『実際は工作船なのに、

「漁民の権利」とか言って漁船を称してるのは

「民間船」という建前にしたいからだろう。』

   

『ええ…』

 

『無人とはいえ、軍籍にある偵察機なら

撃墜したって文句は言えないよな?』

   

『たたき落としてU-2事件みたいにして

やりましょう。』

 

『あ、でも偵察機だったら亜成層圏を超高速で

飛ぶような飛行機なのか?』

   

『今回中共が飛ばそうとしてるのは

こんな飛行機らしいです。』

 

 

0000senkaku_2       

 

ラジコンじゃねえか。

 

 

 

 

 

  

『こ、これ?』

   

『ええ。』

 

『無人偵察機っていったら、せめて

こんなんじゃないのか?』

 

 

300pxglobal_hawk_1    

 

米軍のRQ-4

 

 

 

 

 

『でもこれからは無人機が主流になるってのは

以前も書きましたけど、

RQ4みたいなハイスペック機と

ラジコンヘリに毛が生えたようなローテク機は

混在してるんですよ。』

 

『ハイ・ロ-ミックスって奴か?』

   

『運用目的が違うから、調達費の節約だけじゃ

ないと思いますが』

 

『日本の陸自でも偵察や着弾観測のために

FFOSというシステムを持っている。』

 

   

1       

 ラジコンなんだけど 

 

 

  

『しかし中国の偵察機が領空を侵犯してきたら

叩きのめして構わないわけですよね。』

 

『そこだよ。』

   

『なんです?』

 

『いまの日本には、尖閣上空に侵入した

軍用機を落とそうと思ったら、

自衛隊を使うしかない。』

   

『使えばいいじゃないですか。』

 

『いまの民主党政権に、

そんな度胸があると思うか?』

   

『じゃあ、海保の巡視船から撃つ。』

 

 

                

『巡視船で対空兵装を持ってるのは、

世界最大の沿岸警備船「しきしま」くらいだ。

「しきしま」は尖閣周辺の警備にもいってるが

そもそも一隻しかないし、

機関砲を撃つのもなあ・・・』

   

『そこで遠慮しちゃいかんでしょう』

   

Japancoastguard_shikishima海上保安庁巡視船、

「しきしま」 6500t

艦首の35mm

連装機関砲がすてき。  

 

 

 

『そこでな?』

   

『あ、ろくでもないことだ。』

 

『尖閣諸島に気球を浮かべよう。』

  

『はい?』

 

『だから今回中国が使おうとしている、

ちゃちなリモコン機は、

もともとは日本製の「農薬散布機」だ。』

   

『そうなんですか?』

 

『以前、ヤマハ発動機がそういった

ラジコンヘリを中国に

輸出しようとして怒られたことがある。』

   

『この事件ですね。』

 

『だから、そんなヘリの到達高度もスピードも

知れている。気球を浮かべて防いじまえ。』

   

『えー?』

 

『馬鹿野郎っ。』

   

『ひっ。』

 

『「気球で飛行機を防ぐ」ってのは、

「阻塞気球」といって、第二次大戦の頃には

実戦に使われていたんだ。』

   

『役にたったんですか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『真珠湾攻撃に先立つ一年前の1940年11月、

地中海でオペレーション・ジャッジメント

という作戦が行われた。』

   

『はあ。』

 

『イギリス海軍はイタリアの軍港タラントに

在泊している、戦艦6隻、巡洋艦9隻を基幹と

するイタリアの主力艦隊に

空母イラストリアスから、20機の雷撃機を

送った。』

   

『はあ。』

 

『事前の偵察では、タラント軍港の周辺には

100個近くの阻塞気球が上がっている。』

   

『……』

 

『ところがっ、イギリスの

フェアリー・ソードフィッシュは複葉機、

信じがたい低速と低空からの侵入で

イタリア軍の対空砲と阻害気球を突破。』

 

   

800pxswordfish_mk2_ls326_1988    

これが第二次大戦でも 

使われてたんだぜ。

 

 

 

 

 

『なんと、イタリア軍の新鋭戦艦2隻を含む

5隻を撃破。

ただでさえやる気のないイタリア海軍は、

これ以降、完璧に沈黙してしまうっ。』

   

『あのーそれじゃ気球、

役にたたなかったんじゃあ。』

 

『馬鹿野郎っ。』

   

『ひっ。』

 

『成功した阻塞気球もある。』 

 

 

 

 

 

 

『はあ…』

 

『バトル・オブ・ブリテンでイギリス空軍は

ロンドンに延べ数千基の阻塞気球を上げた。』

   

『はあ…』

 

『まともな高度から爆弾を落としに来る

ドイツの爆撃機には役にたたなかったが、

ヒトラーがやけくそで放った、

無人爆撃機V1には

結構効果があった。』

   

『V2には?』

 

『全く役にたたなかったっ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まあ、尖閣に阻塞気球を上げても

いいんですけど

いちおう「兵器」でしょう。

完全な自衛兵器だけど、そんなことしたら、

「小日本が釣魚島に兵器を配備。」とかいって

余計大騒ぎになりませんか?』

   

『馬鹿野郎っ。』

  

『ひっ。』

 

『こと「防衛」に関して攻めてくる側の

心情なんか忖度するなっ。』

  

『まあ、そうですが…』

 

『大体、中国にしたって、札束でひっぱたいて

世界中の新聞に「尖閣は中国の領土で、

日本に奪われました。」

っていう広告を打ってるんだぞ。(読売)

 

 

 

0000_senkaku     

 

『釣魚諸島は 

中国領です。』

 

 

 

 

 

 

 

『腹立ちますねー。』

 

『だからな?』

   

『あ、まだろくでもないこと?』

 

『阻塞気球っていうことを伏せつつ

アドバルーンにしよう。』

   

『はい?』

 

『「めんそーれ・尖閣」とか書いた広告を

気球の下に吊すんだよ。』

   

『人をいらっとさせる、その絶妙な言葉の

選び方はどうでしょう…』

 

『じゃあ

「祝・日中国交正常化40周年」』

   

『それはまた、中国にこびているような…』

 

『その隣の気球には

「惜・日台断交40周年」』

   

『またそうやって喧嘩を売る。』

 

『だけどな?』

   

『はい。』

 

『お互いに存在を認めないはずの

北京と台北が

尖閣問題に関してだけは共同歩調を

取ろうとしているあたりを

思いっきり、からかってやろうぜ。』

   

『まあ…』

 

『意外にそのあたりが、

この問題の突破点になるような気がするんだ』

   

『あ…』






































では、『今日の一枚。』


















二・二六事件の際、

反乱軍に向けて戒厳司令部があげた

アドバルーン。

 

200pxfebruary_26_incident_balloon_2    

 

『聖断下る

軍旗に手向かうな。』

 

 

 

 

 

 

  

日本軍が、阻塞気球を大規模に使った事例は

ないが こうやって、反乱直後に気球を上げる

程度の能力はあったわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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最近、アドバルーンって見ないね。

むかしは、デパートの屋上とかにあったのに…

 

デパートが、ランドマークではなく

広告はアドバルーンじゃないってことなんだろうけど、

いまやれば逆に新鮮だと思うけどなあ。

 

 

 

 

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