その街に住みたいか?
大手不動産会社7社が
恒例の『住んでみたい街』BEST5を発表した。
今年からは、『住んでみて良かった街』
というのも選ばれている。
観ていただこう。
納得できるラインナップなのだろうか?
吉祥寺や自由が丘というと学生街のイメージがあるし
恵比寿といえばビール工場。
川崎は、公害とソープの街で印象は良くない。
というのが60年代関東生まれの印象。そして
横浜ってアバウトだな。
しかし、それは『世代の違い』なのだろう。
もっとも関西圏に関して言えば
記号的にわかりやすい地名ばかりで
『住んでみたい街』は全て阪神間にある。
阪急における我が家の最寄り駅は『岡本駅』であって
まあ、うちってば
『住んでみたい街』だったのね。
もっとも岡本駅まで徒歩20分くらいでいけるが
JR摂津本山駅や、阪神青木駅には15分でいける。
もちろんどちらも『住みたい駅』にも出てこない。
くすん。
で、この調査の主体は『メジャー7』という
自称大手マンションデベロッパーの情報提供サイト。
だそうである。
(『ポータルサイト』って言っても今の60代には通じないよ?)
で、
自分で『メジャー』って言いきってしまう図々しい
7社は、こいつらである。
『住友不動産株式会社、株式会社大京、東急不動産株式会社、
東京建物株式会社、野村不動産株式会社、
三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス』
アンケートの対象者はこんなことになってるらしい。
対象者は『MAJOR7の新築マンション情報のインターネット会員
約52万人および、MAJOR7サイト上でのアンケート回答者のうち、
現在の住所地が首都圏・関西圏のお客様。
【集計数】
首都圏5,050人(男性3,313人、女性1,737人)
関西圏950人(男性624人、女性326人) 』
なのだそうだから、標本数としては結構本気だ。
それでも、いくつか不思議なところがある。
その話をする前に一応このアンケートの
ソースに当たっておこう。
この日記が並の罵倒ブログと違うのは
きちんと、批判対象の言い分を聞く姿勢である。
2ちゃんねるあたりとはここがちがう。
元インドネシア大統領の第三妾あたりとも違う。
罵倒される側からしたら
同じくらい うっとうしいと思うけど。
何を言いたいのかわからないだろう、と思うので
新聞発表よりももう少し詳しい
『メジャー7』自身によるデータをどうぞ。
『住んでみたい街』関西ベスト20。
2011&2012
(クリックで大きくなります)
さらに、今年から導入された、
『住んでみて良かった街』関西ベスト20
(だからクリックで大きくなります。)
読売の記事では『夙川』と『西宮』、『岡本』と『神戸』が
同列に扱われておかしいな、とは思ったのだ。
夙川は西宮市だし、岡本はうちの近所なんだから神戸市だ。
しかし、『ベスト20』まで見ると、
『神戸市内』、『大阪市内』という選択肢が出てくるので
神戸だ、大阪だ、というのは『駅名』であることがわかる。
それでもいい加減で、『西宮駅』はJRと阪神と阪急にあり
それぞれ500m以上離れていて、
ここには書けない事情によって、各駅の駅前の印象は
大変に違う。
神戸駅の西側は、新開地まで小規模なマンションが
建ち並んでいる。
東側は、ハーバーランドで、その南には
戦災にも震災にも生き残った幸運な一角がある。
街としてはラッキーなスポットだが
住みたいかどうかはどうだろう。
で、こんな『奥歯のすきまでリンボーダンス』みたいな
言いにくいことを言っているのは
この種のアンケートの常として、
何か『印象操作』があるのではないか?
と思うからだ。
集計結果を操作しているとは思わない。
そんなことをしたら、JAROや消費者庁に怒られてしまう。
メジャー7の名だたる顔ぶれから見てそんなことはするまい。
しかし、『設問を操作する』ということはあり得る。
岡本や夙川が出てくる以上、私鉄の駅まで対象だ。
駅名を全部出すのなら、関西圏で1000を越えるだろう。
そんな電話帳みたいなアンケート、
誰も答えない。
首都圏でのアンケートは
『51の街の中から』と書いてある。
選択肢を選ぶ段階で恣意が入る。
名前は出せやしないが
あの駅やあの駅は載せないだろう。
関西圏は書いていないが
それでも数十あるとしたら、
選ぶ方は最初のほうしか見やしない。
そうであれば、配列も重要だ。
『住んでみたい街』に関してはすでに17回目だそうだから
去年の順位通りに並んでいたら、
『あら、この街、いいじゃない。』ということで
最初のほうの10個くらいしか見ないだろう。
『5年連続、芦屋がトップ。』というのは
『モンドセレクション銀賞』とか
『ハイパーメディアクリエーター』くらいの肩書きでしかない。
そもそも、選択肢の中に『大阪市内』とかいう
アバウトな地域名があることがおかしいだろう。
大阪市内にも『高級マンション』はいくらでもある。
ガーデンテラスで遅いブランチを摂りながら
『子供たちはココアね。
ママとパパはちょっとワインでも飲もうか。』
という日曜日を迎えるご一家もある。
その一方、
公園の地べたの上で
『おー源やん、起きたか。目覚めに一杯いこか。』と
ワンカップを楽しむ、
『毎日が日曜日』の皆さんがいる地区も
あるのである。
どちらかといえばそっちのほうが広い。
だから、このアンケート結果には何か『作為』を感じてしまう。
たとえば
『今は阪神間が人気だから
強気の価格設定でもいいよな。』
とも取れる。
『これからは大阪だよな、』というのは
あの街に開発余地があるからだ。
大阪駅周辺だけでも、梅田貨物駅が完全に売却されたら
周辺の倉庫会社、運送会社の土地が大量に供給される。
当然、マンションになる。
しかし、梅田貨物駅先行開発工事で建設されている
『玄関開けたら五分で大阪駅』
という絶好の立地なのに
竣工間際の現在でも2割も売れ残っている。
『やっぱり阪神間に住みたいよね』というのも
『いやあ、住んでみたら大阪ええわ』
というのも、
どちらも、不自然だと思う。
そして、こんなことを言う奴に限って
土地も家も買わないんだ、
という指摘は、とても正しいのだが
こっちだって、まだローンが十数年も残ってるのに
仕事がないのである。
ふえええん。
では、『今日の一枚。』
10月4日は、
世界初の人工衛星、『スプートニク』を
ソ連が打ち上げた日、でもある。
地球初の人工衛星、のくせに
何故こんな偏った軌道を通ったんだろう。
(クリックしてくださいな。)
(今日の反省)
ほら、毎日は無理じゃん。
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