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2013年3月18日 (月)

青函トンネルの日

3月13日は青函トンネル開業の日。

昭和63年(1988年)のこの日、開業した。

 

 

 

 

 

 

本州と九州、北海道を結ぼう、という構想は明治時代からあった。

幅員の狭い関門海峡を通る関門トンネルは、戦前に着工され

突貫工事で戦時中の昭和17年に竣工した。 

       

しかし、海面部分だけで20km以上ある青函トンネルは

どうもならんなあ、ということで『構想』のままだった。

 

 

 

  

 

ところが太平洋戦争末期には日本近海に

アメリカの潜水艦や飛行機が出没するようになる。

昭和20年7月には米軍機の爆撃と機銃掃射で

全連絡船12隻のうち10隻が喪失。壊滅状態になる。

 

 

さらに津軽海峡にも機雷をばら撒きやがったおかげで、

戦後になっても触雷事故が起こった。

 

 

『国防の上でも問題だ。』ということで

昭和21年から地質調査が始まり、距離的に近い

下北半島経由よりも津軽半島経由が良い、ということで

今のルートが決まっていくのだが、

これはまだ予備調査であって本工事の予算はつかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世論が動くきっかけとなったのが

昭和29年(1954年)の洞爺丸事故。

      

今よりもはるかに貧弱な気象情報しかなかった状況で

台風の中、出港しちゃった青函連絡船洞爺丸は

函館港外で立ち往生してしまい転覆、沈没。

 

ほかに4隻の連絡船も港内で沈没し、犠牲者は1400人を超えた。

犠牲者数は国内でトップ、世界的にも第三位の海難事故となる。

 

青函トンネルは昭和39年(1964年)に斜坑が着工。

昭和46年に本坑が着工する。

昭和48年には整備新幹線として

盛岡-青森の東北新幹線の延伸と

青森-札幌の北海道新幹線が決定された。

       

青函連絡船は常に満員で多客期には積み残しを出し、

昭和40年代を通じて緩やかながらも旅客増のペースを保った。

 

 

 

青函トンネルは、待望されていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが夢の時代はここまでだった

 

 

 

 

   

 

昭和26年(1951年)から民間空路が復活し

北海道でも千歳空港(旧)の供用がはじまる。

 

昭和53年には、羽田-千歳間は

『世界で最も乗客の多い航空路線』となる。

 

その一方、青函連絡船の乗客数は

昭和49年(1974年)の500万人をピークに減少を始める。

 

減少どころではなく激減で、昭和50年代末には

全盛期の4割以下になってしまう。

       

今でも、東京-北海道の旅客輸送での

鉄道のシェアは3%もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのうえ、昭和48年には石油ショックが起こり

昭和49年には異常出水が起こって、工事が止まり

昭和57年(1982年)には整備新幹線計画自体が凍結されてしまう。

昭和59年には、「青函トンネル問題懇談会」なるものが開かれる。

 

昭和62年には大蔵省の小役人が国会で

『戦艦大和、伊勢湾干拓』と並んで青函トンネルを

『昭和三大馬鹿査定』と罵倒する有様。

      

既に本坑が貫通し、竣工間際だった青函トンネルを

バカ呼ばわりしたのは、そこを通る北海道新幹線や、

盛岡から接続する東北新幹線などの整備新幹線建設を

牽制するためだったらしい。

 

青函トンネルをどうしよう、という議論の中では

『石油を貯めとけ。』『しいたけを育てたらどうだ?』

と、建設費の金利はおろか、

排水ポンプも動かせないようなアホな話しか出なかった。

       

『高速道路にしろ』という案もあったが

道路にするには給排気の能力が全く足りないし

『新幹線用の複線トンネル』といったところで

路盤部分の内径は9m弱しかないから

上下1車線の高速道路でも狭い。

 

 

         0000seikann

作業抗や先進導坑は

点検・避難路として

いまも使ってます

 

 

(クリックで大きくなります。)  

             

 

 

 

結局、鉄道として使うしかなかったのだ。

竣工間際に巨大な土木構造物の用途が変えられるか。

 

 

 

 

 

 

 

いまでも、ネットを見ると、青函トンネルや北海道新幹線に

批判的な人はいる。

しかし、沿線自治体はノリノリである。

 

 

 

  

札幌市のHP

2013y03m18d_154020755     
     
     
     
     
     
    
    
    
    
     

 

 

 

 

 

 

 

     

クリックで大きくしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大量輸送ができて、CO2を出さず、

座席も広くて安心ねっ、と。

 

クラシアンか。

 

 

 

 

 

 

スピードだって速い。

 

 

道の「北海道新幹線Web」

 

 

2013y03m18d_215002418_2   

 

開業当初と

360km/h運転に

した時の所要時間 

(クリックで大きく)

 

 

 

速いなー。

札幌-函館間って210km以上あって東京からも新神戸からも

掛川あたりまでの距離になる。

            

掛川という微妙な駅だと「こだま」しかないな。

 

   

東北新幹線だと東京から郡山とほぼ同じで

今をときめくE5系で77分。

それがあんた50分とか45分とか。

 

 

 

 

  

しかし、このグラフは若干ずるくて開業後の数字が

青函トンネルをはじめとする在来線併用区間を

260km/h運転にした時のものになっている。

  

(現在、併用区間は在来線の客車も貨物列車も走るので

160km/h運転の予定。その場合、札幌-東京は5時間01分)

 

 

 

 

 

さらにずるい小樽市の『飛行機との比較』 

 

2013y03m18d_153234628  

 

 

 

 

クリックで大きくしてください 

 

   

『まあ、飛行機と変わらないじゃない。』

と思っただろう。

だからこのグラフにも、『ギミック』がある。

 

航空機の所要時間が

『それぞれの駅までの移動時間込み』

なのだ。

 

まあ、確かに空港が都心にあるとは限らないが

東京-札幌が飛行機で3時間半という記述に、

『おや?』と思った。

 

『俺んちの前がスタートでゴールな。』といった、

ジャイアンな感じがする。

 

 

 

 

 

 

 

 

   

しかし、北海道経済界の期待は更に大きく

新幹線が札幌まで開通したら、

道内や東北への旅行者は新幹線が独占。

 

今は3%もない関東への鉄道利用は

5割近くに増える、と大変に強気である。 

 

 

 

北海道経済連合会の『新幹線開業による効果予測』より 

 

2013y03m18d_221806161  

 

 

 

 

 

(クリックで大きくなります。) 

 

 

 

 

 

 

  

そこまで劇的な変化はないだろうが 

実際昭和63年に「在来線規格」で開業した青函トンネルは、

以来今日まで25年間、本来の実力を発揮していない。

         

もちろん『並行在来線をどうする。』

『札幌一極集中が進むだけだ。』

『整備新幹線なんだから自治体の負担もある。

予想通りの利益が出なかったらどうするつもりだ?』

といった問題はあるだろう。

 

                 

しかし、せっかく作ったんだから

ちゃんと使ってあげたらいいのに、と思うのです。

 

 

 

 

       

ちがうっ。

だから僕は鉄じゃないっ。 

 

 

 

 

 

実を言うと、今日は東北新幹線の『はやぶさ』が

320km/hでの営業運転を始めた、というニュースを聞いて

『鉄道というのはどこまで速くなるんだろう。』

という話をするつもりでした。

  

 

しかし、ご覧のとおり。

 

 

前置きの長いこの日記だけど、今日は前置きだけで

終わってしまいました。

 

 

 

 

 

  

アデュー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の二枚。』

 

 

 

 

 

1982年9月の『整備新幹線建設凍結』の閣議決定には、

当時通産大臣であったこの人もサインしている。 

 

0000shintaro_abe_2   

 

アラレちゃんじゃないよ。

安倍晋太郎だよ。

 

 

 

  

 

 

 

0000abe_2  

アベノミクス、とやらで

公共投資をどんどんやるぜ 

という、この人のお父さん。

 

 

 

 

 

 

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