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2013年5月 4日 (土)

滅びゆく言語とスターウォーズ

『ナバホ語で吹き替えた「スターウォーズ」が作られる』、

というニュース。(ロイターの記事へのリンク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナバホ語、というのはネイティブアメリカンのナバホ族の言葉。

アメリカ国内でもマイナーな言語なのだが

この記事によると17万人の話者がいるという。

 

 

『ナバホ語だけでなく文化の保存にも一役買うと考えた。』

だそうである。

 

 

 

しかし、言語が安全に生存できるラインというのは

話者100万人くらいらしいので

話者17万人であるナバホ語を使う人も危機感を覚えるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅んだ言語、というのはたくさんある。

 

 

 

 

 

 

 

むかしすぎて検索する気も起きないのだが、

確かニューギニアのジャングルに

独自の言語を使っていた部族があった。

 

 

その独自っぷりというのは、語彙から文法にいたるまで

周辺の部族とは異なっていて、学者たちの注目を集めていた。

 

 

ところが部族の人口が減り、

三十数人になった時点で狩猟生活を止めて村に降りた。

そして他の部族とつきあい、仕事をするようになると

その言語は、たちまち消滅したのだという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話者が少なくなって絶滅寸前、という言葉は日本にもあって

アイヌ語なんかがそうだ。

 

 

北海道の地名の多くがアイヌ語起源なのは有名で、

『いやいや、東北もそうだ。』

『関東もそうだ』

『岐阜から東はみんなそうなんじゃないのか?』

なんて言われるくらいで、地理範囲で言えば相当に広く

アイヌ語を話す人がいた。

 

 

ところがWikipediaによると、

研究者以外でアイヌ語を自由に話せる人というのは、

いまや10人もいないらしい。

 

 

 

10人じゃ井戸端会議も出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何をもって言語とするか、というのは難しい。

 

 

オランダ語はドイツ語の方言みたいなもんらしいし、

ロシア語がわかれば、セルビア語もわかるんだそうだ。

 

 

 

そもそも、英語、ドイツ語、フランス語は語彙の7割が共通で

『男性器』のことは

3ヶ国とも『penis』である。

 

 

うん。なにもこういう単語を例に出すことはないよね。

 

 

 

 

よく『ヨーロッパでは2.3カ国語が話せるのは当たり前。

だから日本人なんて駄目なのよ。』

みたいなことを言うやつがいるが

襟首を

締め上げてやろうかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の方言、というのも相当なもんだったらしく、

幕末、薩摩と会津の武士が会談する時、

話し言葉では通じないので筆談をした、という話を

たしか司馬遼太郎の本で読んだな。


日本でも、方言を別言語である、としたら

私などは、千葉弁と関西弁のバイリンガルだ。






しかし、そうはならなかった。 






日本で方言が消えたのは、学校教育とマスコミのせい。

教科書と新聞の普及で文字や文章の表現が統一され、

やがてラジオ放送が始まると

アクセントも全国共通になっていく。

 

 

テレビの時代になると、もはや圧倒的で

語尾を上げて平板にする、あの薄気味の悪い『三多摩方言』を

アナウンサーでさえ使っているのを聴いたことがあるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じようなことは、世界の中でもあって

『英語帝国主義』なんて言われる。

 

 

いまやインターネットのコンテンツの7割が英語、

EUの公用語は加盟27ヶ国の23言語なのだが

書類の8割が英語のみで作成されているという。 

 

 

23も公用語を作るから翻訳しないんじゃないか?と思うが、

日本でも小学生に英語の授業をしたり、

社食も含めて社内では英語だけ、なんていう

いちびった企業が出てきたり藤原鎌足。

 

 

 

『ムーン・ビューイング・ヌードル、プリーズ。』

『月見やなっ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機械で翻訳すりゃあ いいんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ、自動翻訳電話もGoogle翻訳も頼りないが

こういうツールは

三段跳びみたいなスピードで

進化するに決まっている。

 

 

 

いずれ、『小学校の英語教育』が、『ゆとり教育』のように

『余計な英語教育のせいで子供の国語力が落ちた。』と

悪口を言われる時代が来るだろう。

 

 

 

『言葉は文化だ』とか難しいことを言うからめんどくさい。 

コミュニケーションの道具だと割り切ってしまって

そこの部分は翻訳ツールに任せればいい。

 

 

それで母国語の『文化の部分』は守っておけばいいんで、

それでも滅びる言葉は、

所詮そこまでだったと諦めるしかない。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もっとも、『英語=ナバホ語』や『日本語=アイヌ語』の

翻訳ツールが出来るかどうかは疑問だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ローカル言語を残そう、』

『方言を残そう。』というのは間違いではないと思うのだが

行きすぎるとおかしなことになる。

 

 

地方のテレビ番組には、

必ずご当地の方言を話すタレントが出る。

番組全部がそういうカラーを押し出しているのもある。

吉本の芸人は必ず関西弁で演じないといけないらしい。

 

 

 

ところが、そんな中にも、聴いているとあきらかに

『こいつネイティブじゃねえな。』

というアクセントの人がいる。 

 

 

 

こっちだって30年以上関西にいるのだ。

『宮城弁の真贋を聞き分けよ。』と言われても自信はないが

関西弁なら、各県別のヒアリングは出来る。

 

 

 

それなら、お前は こてこての関西弁なのか?

というと違う。

 

 

これには涙なくしては語れない事情がある。

例によって、脇道に外れるのだが

ちょっとだけおつきあいください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私個人は、18歳まで千葉にいた。

だから、ベースは千葉の言葉だ。

 

 

更にうちの母親は浅草生まれだが、

『あたしゃ三代続いた江戸っ子だからね。』

と、実の息子に自慢するようなやつだ。 

彼女のマシンガントークを浴びて育ったから

東京の下町のアクセントもあると思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだ?この野郎。関東弁が自慢で直さないのか?

と思われるかも知れない。

実際、そういうことを面と向かっていわれたこともあるのだが

事実は逆で、恥ずかしいから。

 

 

大阪の学校に入ったのは第一志望なので

悔いも未練もない。

最低4年間は通わないといけないわけだから

『郷に入りては、郷に従うか。』と

関西弁を使い出したことがある。

 

 

うん、まあ拙いのはわかってた。

それも『習うより慣れろ。』だと

『あー、なんやー。この授業また休講かいな。』なんて、

初々しくもやっていたら、

クラスメイトのO西君にこう言われてしまった。

 

 

 

『なんや、お前が最近使てる

「大阪弁みたいなん。」

きしょいわ。やめえっ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっつー。

 

 

 

 

 

 

 

 

『きしょい』というのは大阪弁でも結構きつい表現だが

他県出身者には更にきつい。

『アホはええけど、馬鹿はきついわ。』なんて

大阪人が言うのとはまるっきり次元が違う。

 

 

 

童貞だった私が

『も、もう二度と大阪弁なんか使ってやらないんだからねっ。』

と心を閉ざしてしまったのもやむを得まい。

 

 

 

 

 

 

 

しかしまあ、いまはそんなに頑なになっているわけではなく

会話相手が関西出身者だったら、相変わらず

『大阪弁みたいなの。』が出てきたりはする。

 

 

30年前よりは上達したと思うが

別にこれ以上 上達しようとも思わない。

もう、このままでいいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言葉に関して、その使用頻度であれ、

表現であれ、アクセントであれ、

『○○であるべきだ。』とか

『○○しなくてはならない。』

なんていう強制は似合わない。

 

 

『守らなくてはいけない』

なんていう『保護』も同じだ。

 

 

 

 

話す人間がいなければ、

滅びるものは仕方がない。

 

 

 

 

『大阪だから』『吉本だから』

大阪弁を使わなくてはならない、

という沈黙の強制も、 

 

 

『消滅危機言語だから』

話者10人のアイヌ語を守れ、というのも

同じ座標にある。

 

 

 

 

 

どうしても文化的に貴重だ、というのなら

研究して辞書を作り、

録音でもしておくしかない。

 

 

 

どうも今回の話題は、いつも以上に共感されにくいだろうな、

と思いながら書いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし言葉に『強制』や『保護』は似合わない、ということと 

 

冒頭の『ナバホ語のスターウォーズ』にしても、

間違えると色物になってしまって、

『おおロミオ。

あんだなじょしてロミオだべ?』

という、高校の文化祭の方言劇ようなことになると思うので

だいじょぶかいな、と思ったわけです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の6本。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のニュースで『ナバホ語』というのを読んだ時に

真っ先に思い出したのが

『第二次大戦でアメリカ軍は通信文をナバホ語に翻訳して

暗号にしていた。』というエピソード。

 

 

アメリカ軍はナバホ族出身の兵士を『コードトーカー』

という名前の暗号兵として訓練して前線に送った。

 

 

これは、その兵士が登場する『ウィンドトーカーズ』

という映画の予告編。 

 

 

戦闘シーンばっかりで、なんだかさっぱりわからないと思うが   

実際にこの暗号を目にした日本軍は

『原文が英語じゃないな。』ということまでは

気がついたらしいが、結局はこの暗号を破れなかった。

 

 

そのくらい日本人にはなじみのない言語だったということらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1995年にヒットしたEAST END×YURIの「DA.YO.NE」

こうやってCMにもなったし、紅白にも出た。

 

そうか、そんなに昔か。

 

この曲をここで取り上げたのは、

各地の方言を使ったローカル版が登場したから。 

その地方のバンドなりタレントを使っているんだそうです。 

 

 

 

 

 

大阪弁版、『そやな』

 

 

 

 

名古屋弁版、『だがね』

 

 

 

 

広島弁版、『ほじゃね』

 

 

 

 

東北弁版、『だっちゃね』

 

 

 

 

九州弁版、『そうたい』

 

あと、北海道弁版があるらしいんですが

捜すのがめんどくさくなったので止めます。

 

気になる方は捜してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

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おこられませんように」カテゴリの記事

コメント

なつさんとは事情が違いますが、私も複雑な言語状況で育ってます。大人になったら、どうなるのか想像できないけど、今日の記事は、大変、参考になりました。ありがとうございます。

投稿: キティ | 2013年5月 5日 (日) 10時11分

キティさん ありがとうございます。
方言を勧める人も、それ以外認めない人も、
コンプレックスの裏返しです。
 
上京して東京のが学校に行く地方の学生は
8割方『東京弁みたいなの』を話すように
なりますが、
大阪人だけは上京しても
大阪弁を捨てません。
 
難しいですね。
 
返事が遅れて申し訳ありません。
またのぞいてください。
 

投稿: natsu | 2013年5月 8日 (水) 01時36分

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