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2013年6月 6日 (木)

富士山エスカレーター

富士山『弾丸登山』自粛を、というニュース。

(産経ニュースへのリンク)

 

 

 

 

 

 

 

富士山が世界遺産になる。 

いまでも富士山というのは登山するよりも

列を並ぶ時間のほうが長い、というくらい

渋滞する。

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、ご幼少のみぎりに 

富士山に登ったことがある。

 

 

まだ小学生だったから、40年前くらいだ。

いまでもそうだろうが、

家族連れの標準行程はこんな感じだった。

5合目までバスで行き午後から登り始める。

 

それで日が暮れると山小屋に泊まって

仮眠を取る。  

もちろん標高2000メートル以上の場所なので 

贅沢を言ってはいけないのだが、 

5000円以上も取るくせに雑魚寝である。 

(吉田ルート・山小屋)

 

 

 

あんな山中生活を毎日していれば

永田洋子も美人に見える、というものだ。    

 

 

 

それで、夜明けの4時間くらい前に起きて 

山頂を目指す。

 

『ご来光』という日の出をみるわけです

 

 

 

 

ところが40年前でも渋滞だった。

まあ、8月のお盆の、一番混む時期に

行ったせいでもあるがそれにしても

『胸突き八丁』なんてちっとも辛くなく

だらだらと歩いて、

遙か雲海の彼方にご来光が見えたのは

9合目の辺りだった。

 

 

 

 

富士登山の目的の一つがこの『ご来光』だから

みんな日の出の瞬間に足を止める。

 

だから7合目くらいから頂上まで、

ご来光の前後の間は全員停止である。

 

 

 

 

 

そして、日が昇ってから山頂に登っても、 

ここはそんなに混んでいない。

『お鉢巡り』といって噴火口をぐるりと

一周したり、『最高地点の碑』をみたり、

そこで記念写真を撮ったり

一杯1000円のサッポロ一番を食べたり

藤原鎌足。

意外に広くて時間がつぶれる。

 

下山のほうが当然早いから

下山に関して渋滞はない。

私が登った時も登山道と下山道は

分けられていたような気がする。

 

 

富士山というのは

登る道のキャパシティだけが極端に低い

バランスの悪い山なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで登場したのが、この『弾丸登山』

 

夜に5合目を出発して馬鹿高い山小屋などに

泊まらずに夜通し登って、夜明け前に

頂上に着いてしまう。

 

そこで、下界で渋滞している

『えせ登山家』を見下ろして 

ご来光をみよう、というわけだ。

 

 

 

 

正規の登山ルートを登る限り

深夜であろうと危険な山だとは思わないが、

まあ、夏山といえど舐めてはいけないので、

危険なことはしちゃいけません。

 

 

 

目に余るとして、地元である山梨県の知事が 

この弾丸登山の自粛の周知について観光庁に

要請したのだ、という。

 

 

 

そして、観光客の健康を慮かってのことなら

まだしも、もうひとつの理由がのほうが

大事っぽくて、それが

『登山道の渋滞を招くから』だそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エスカレーターでいいんじゃねえの?

 

というのが今日のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界遺産指定で、確実に観光客は増える。

それは結構なのだが渋滞がひどい。

 

さらに9割方の登山者のマナーはいいと思うが

一部の心ない連中と、なにしろ登山者自体が

多すぎるので

富士山はゴミだらけ、ということに

なってしまい、過去に世界遺産への登録を

さ却下されたことがある。

 

 

 

 

関係者は努力しているんだろうが

いまの富士山が

劇的にきれいになった訳じゃない。

だから、清掃費用をまかなうために、また

登山者数を抑制するために入山料を取ろう

なんていうことが話題になる。

 

しかし、いまでも5合目まで車で行ける

『富士スバルライン』は乗用車でも

往復2000円かかる。

そんだけ取ってもまだ足りないか。

 

 

 

ついでにいうとチャリンコでも200円だ。

 

 

チャリンコ?

いるのか?そんなやつ。

 

 

 

しかしそんな中で、スバルラインの料金を

上げよう、とか いまは7・8・9月のオンシーズン

は24時間営業だが、 これを夜間通行禁止に

しようとか、そんな話が出てくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、『富士山を崩すのは登山者だ』とも

言われる。  

富士山というのは崩れやすい山なのだ。

 

 

 

 

富士山西側に『大沢崩れ』という

巨大な谷がある。

 

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大沢崩れ

 

 

    

 

 

 

あ、ごめん。こいつじゃなかった。

 

 

Fuji_oosawakuzure_2  

 

真ん中の谷が大沢崩れ

 

 

 

大沢崩れは、雨水による侵食谷だが

現在も毎年数千立米もの土砂が流出している。

 

それ以外にも、富士山は約2900年前に

『山体崩壊』を起こしており 

御殿場付近を数十メートルの厚みで土砂が覆う

ほど、崩れた。

 

 

 

最近では噴火や地震によって

山体崩壊が誘発されるのではないか

という心配もあるそうだ。(静岡新聞の記事)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近でも、かつて下山道になっていた

吉田大砂走りで大規模な落石事故が起こった。

(富士山安全指導センター)

 

 

 

落石自体はしょっちゅう起こっていて、

私が下山した時も

斜面はきついはごろごろ石が落ちてくるは

ここだけは怖かった。

 

ちなみに落石を発見した人は、

それがこぶし大の石でも大声で

『落石っ!』と叫ぶのがマナーであった。

なにぶん小さな石でもほかの石を拾いながら

崩落すると簡単に大事故になるのだ。

 

1980年の8月、夏休みの最中に起きた

落石事故は死者12名重軽傷者数十人、という

大事故となった。

(現在、このルートは通れません)

 

 

 

 

そして、この大砂走りに関しては

登山者が崩した側面が大きいと思うのだ

 

そういう環境のなかで、エスカレーターは

可能だろうか?

出来るんであれば『渋滞問題』は、

一気に解決だ。

 

どうなんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、さっきぼそっとつぶやいた

『登山道をエスカレーターにしちまえ。』

というのは、割とまじめな話だ。

 

 

登山者の入山を規制する、なんてのより

よっぽど気が利いているでしょう。

そして、自動車が入れるから

深夜でも登る奴が出る。

だから車での入山も禁止だ。

 

 

 

 

 

まず、富士スバルラインは鉄道にする。

 

 

 

ここまでは、割と賛同を得られるんじゃないか

と思う。

もちろん、鉄道と自動車の登坂力は比較に

ならないし回転半径も比べものにならないから

スイッチバックばっかりになるが

輸送力を考えたら、充分勝算はある。

 

 

世界中に登山鉄道があるし、

日本でも立山黒部アルペンルートなど

車が入れない観光ルートもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、5合目から山頂までは

『エスカレーター』にする。

 

 

 

 

いや、待て。

気持ちはわかる。

登ってこそ登山だ。

だから、登山道も残す。

 

 

 

 

 

いや待て、

君の言いたいことはわかる。

 

電気はどうする?

冬の間のメンテをどうする気だ?

何千メートルもある登山道を

一体何回乗り換えさせる気だ?

 

 

 

 

わかってる。 

こっちだってプロだ。

 

電気は5合目まで電車が来るなら

なんとでもなる。

環境は過酷だろうがスキー場のリフトを

考えたら何とかなるんじゃないの?

 

乗り換えは手間かも知れないが

それこそ、1合ごとに金を取る

『スカイツリー方式』でやれば、まさか

『8合目で帰ろうか』という奴はいないだろう

入山者の抑制のためには7000円の入山料が

必要だ。という試算があるらしいが

『世界一高いエスカレーター』っていう

話題性があれば、楽勝でクリアできる。

 

 

 

なにより、

登山道とエスカレーターじゃあ

輸送力が比較にならないんだ。

 

渋滞いらずでゴミのポイ捨てもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや待て、

君の言いたいことはわかる。

 

 

エスカレーターっていったって、

あの昇降板を坂道におけば

いいってもんじゃねえんだぞ。

鉄骨で骨組みを組んで、

昇降板を回転させなくちゃいけねえんだ。

 

『崩れやすい山だ』っていって

おきながら

そんな巨大な構造物をおくのか?

 

 

 

 

わかってる。 

こっちだってプロだ。

 

『その勾配ならケーブルカーじゃないか?』 

『スキー場のことをいうんならリフトが

いいんじゃないのか?』 

というのももっともだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもさあ、  

富士の斜面に蒼穹に突き刺さるように

エスカレーターが登っていって、

 

 

 

 

 

そこに金剛杖を持った関西人が 

『あほうっ。エスカレーターの

左側は開けんかいっ』 

って叫びながら走ってったら面白いじゃん。






























 

では、『今日の二枚。』



まあ、屋外のエスカレーターってのも 

珍しくなくなりましたが

 

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これは、東京の山王日枝神社にある

エスカレーター。



こちらは、香港にある

『屋外公共エスカレーター』   

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この街の場合、 

誰が管理してるのかわからないところが

怖い。








 

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例によってhtmlがわけわかんないことになって、

お見苦しいページが頻出しております。

鋭意復旧作業中です。

いつも見苦しい、とかいうなっ。

 

 

 

 

 

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おこられませんように」カテゴリの記事

コメント

たぶんその関西人は、私でしょう。

関東の方たちは、右手に金剛杖を持ち
左手でエスカレーターの手すりを持って
お休みモードですね。

それを金剛杖で蹴散らしながら
駆け登るのは爽快そう! 

やってみたい……(笑)。

投稿: fullpot | 2013年6月 8日 (土) 16時55分

山梨は四方津駅前にはコモアブリッジなるものもありますればできなかなさそうですが、景観がどおかなあ・・。

投稿: のらゑもん | 2013年6月 9日 (日) 20時34分

色々とご返事が遅れて申し訳ありません。
   
fullpotさん、ありがとうございます。
富士山エレベーター、気持ちいいと思います。
      
       
のらゑもんさん、ありがとうございます。
景観の問題はありますが…
あんだけでかい山だから、まあひとつ。

投稿: natsu | 2013年7月 5日 (金) 19時24分

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