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2013年8月24日 (土)

ジャッカルの日

8月25日は、小説『ジャッカルの日』で

ジャッカルと呼ばれるスナイパーが

フランス大統領、ドゴールを狙撃した日。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

これは1973年に映画化された同名の作品の

予告編。

 

      

 

なんとも憎いところで終わってるなあ。

結果は小説なり映画を見てください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものすごくざっくり、時代背景ととあらすじを

説明します。

 

かつて、アルジェリアという国はフランスの

『領土』だった。

『植民地』ではなく『本国扱い』で

だからそこに入植した『コロン』と呼ばれる

100万近い白人も、そこが自分達の『祖国』で

あると疑わなかった。

第二次大戦ではドゴールの『自由フランス軍』

を迎え入れ臨時政府が置かれたくらいである。

コロン達は『ドゴールは俺たちに恩がある』

信じていた。

 

しかし戦後、世界中で『植民地』独立の気運が

高まるとアルジェリアでも独立戦争が起こる。

フランス本国は60万の兵力を投じて鎮圧する

が押さえきれない。

インドシナ紛争で負け、スエズ動乱で負けると

『本国』に切り捨てられることを恐れた

アルジェリアではコロンたちによる暴動が

起こる。

『アルジェリア駐留軍の本国侵攻』を恐れた

本国軍は、大統領権限を強化して第五共和制を

敷き、ドゴールを初代の大統領に据えた。

 

コロン達は大いに喜ぶが、ドゴールは

彼らの期待とは逆に植民地の解放に進み

アルジェリアも1961年の独立が決められる。

ドゴールに『裏切られた』と信じたコロン達は

OASという地下組織を作って抵抗するが、

徹底的な弾圧によって組織は壊滅していく。

 

彼らが取った最後の手段が、コードネーム

『ジャッカル』 と呼ばれる『高額な報酬の

代わりに確実なスナイパー』への 

ドゴール暗殺の依頼だった。

 

フランス警察の敏腕刑事、ルベル警視は

『ジャッカル』なる暗殺者の存在を突き止める

国境に警戒線を張るが、ジャッカルはそれを

抜けてフランスに入り、杖の中にも仕込める

コンパクトな、しかし『一発しか撃てない』

ライフル銃を手に入れていた。

 

 

そして、1961年8月25日、

『パリ解放』を祝う式典のために

モンマルトルの駅に降り立った

ドゴールの頭蓋には

松葉杖に仕込まれていた狙撃銃を構える

ジャッカルの照準が合わせられていた。

 

 

間一髪踏み込むルベル警視、

しかしジャッカルの指は

既にトリガーを引いていた。

ドゴールの運命やいかに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこ。Wikipediaとか見ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、なんとなく『ゴルゴ13』と重なる

ところがありますね。 

『高額な報酬』 

『確実な成功』

『本名等の個人情報が不明』

(小説では国籍はイギリス、とされている) 

……etc

 

 

実際、この小説は各国の『実在』のスパイの

愛読書になったそうです。

 

 

 

 

ゴルゴ13の連載開始が1968年で

フォーサイスが小説『ジャッカルの日』を

出版したのが1971年だから、

どちらかが模倣ということはないだろう。

どちらもオリジナルだ。

 

しかし、影響されるところはあっただろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

『狙撃銃を目的に合わせてカスタマイズする』

なんていうシーンはどちらの作品にも出てくる

 

   

 

 

 

クリックで大きくしないと読めないくらい

銃の注文についてはゴルゴ13もよくしゃべる

 

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で、

 

『アルジェリア戦争の背景』とか

『なぜアルジェリアだけが

本国扱いだったのか?』とか

『そんならヨーロッパのアフリカ支配って

なんなんだよ』

という話をしようかと思ったんだけど、

なんかもういいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では、要人狙撃事件なんてないよなあ。

 

安倍さんはまだ渋谷の私邸から

通ってるのかしら。 

でも、高速の出口で追突事故を起こしちゃう

ような間抜けな警護だったら

大丈夫かいな。 

とか、いろいろ考えてしまう。

 

 

 

ふう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、『今日の一枚。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、日本にも要人狙撃事件はあった。

しかも並みの『要人』ではなく狙われたのは、

あろう事か昭和天皇。

 

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『ヤマザキ』というのは

架空の人物だったらしい

   

 

 

 

 

『昭和天皇パチンコ狙撃事件』として知られる

この事件は昭和44年1月2日、

皇居での一般参賀の際に起こった。

 

犯人は、この本の著者でもある

奥崎健三という人。

一般参賀に出られた陛下に向かって

本のタイトルにもある

『ヤマザキ、天皇を撃て』というセリフを

叫びながらパチンコ玉4発を撃った。

(届かなかった)

 

いま参賀の際に天皇とご一家がお見えになる

バルコニーに防弾ガラスが入っているのは、

このおっさんのせいである。

 

 

 

 

 

 

 

ニューギニアで過酷な戦場を生き抜いた人だ

相当にエキセントリックな人物だ。   

 

どのくらいエキセントリックか、というのは

彼を撮影した映画、『ゆきゆきて、神軍』を

見るとわかる。

出演しているのは奥崎本人である。

 

 

 

こんなのが近所にいたら、やだ。

 

 

 

 

   

           

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