ヨーロッパ人は11cm。日本人は15cm。
ヨーロッパ人の身長が、この100年間で
11センチ伸びた というニュース。
そっちかよ。
『「オックスフォード・エコノミック・
ペーパーズ」の調査によれば、
1870年代から1980年にかけて、
欧州15カ国における21歳前後の男性の
平均身長が、167センチから178センチに伸びた
ことが分かったとしている』だそうな。
『平均』が178センチ?
でかいなー。
寒いところの生き物は大きくなるという。
ヨーロッパは、緯度でいえば 日本より遙かに
北になるので、ベルクマンの法則だろうか。
でも心配しなくてもいいぞ。
日本人だって背は伸びている。
(クリックで大きく)
なんで『20歳学生』と『20歳壮丁』の身長が
こんなに違うのか、と思うが、
1920年の大学令発布まで、大学というのは
5つの帝大しかなく、
それ以降も、戦前に昇格した大学は50 足らず
しかなかった。
当時の社会環境を考えたら、超エリートだった
と言っていい。
きっと、いいもん食ってたんだろう。
『20歳壮丁』の方は、おそらく徴兵検査の時の
数値で 戦後は、そんな統計あったのかなあ…
しかし、まあこっちの方が実情に近いと思う。
いまはどちらも同じような数字だし。
そういう視点から見ると、日本人の身長は
19世紀末の 156~7センチから172センチへと
15センチもジャンプアップしている。
すごいぞ日本。
(年齢によって差があるので
『日本人の平均身長』というのを、国は
発表していないらしいんですが、公表資料から
個人で集計した暇な すごい人がいて、
それによると20歳以上の日本人の平均身長は
男性172.0cm 女性158.7cmなんだそうです)
私の『瞬間最大身長』は173.4cmだ。
身長に『瞬間』も『最大』もないだろうと
思うだろうが これには深い訳がある、
聞いてくれ。
大学に入ると、4月に健康診断をしてくれる。
身長、体重の測定から、視力、血圧、尿検査、
なんていうことを調べてくれる。
ありがたいことだ。
尿検査の係は白衣のおばさんで 、
学生が差し出したおしっこのコップに
試薬のついた細い付箋みたいなのを いくつか
差し込み 、血尿や、糖分、蛋白の有無などを
調べてくれる。
と、
19歳の私が差し出したコップが
無言で戻された。
『もう一度採ってこい』ということらしい。
なんでだろー、と思いながら 素直にもう一度
採ってくると、こんどは無言で横のバケツに
尿を捨てた。
解説要りますか?
『尿検査は一番搾りじゃだめだ』
ってことですね。
で、
そんな、ほろ苦い『小さな恋のメロディ』を
暴露してまで言いたいのは、
『起き抜けで身長を測ると背が伸びる』
ってことです。
いまは歳も取ったし、
たぶん1、2センチ縮んでることでしょう。
でも、いいんだもん。
大学に当時の記録が残ってるとは思えないが
れっきとしたオフィシャル・レコードだ。
将来アイドルとしてデビューしたら、
プロフィールにはそう書いてやる。
で、
いつにも増して話がすっ飛ぶなあ、
と思うでしょう。
大丈夫。
僕は、もっと思ってる。
結局15センチもジャンプアップしたとはいえ
ヨーロッパ人の平均が178センチで
スウェーデン人が180センチだと聞くと
がんばれ日本。
とは思うよな。
なにしろ百年前はこうだったのだ。
1900年、義和団の乱で包囲された
『北京の55日』を救った8ヶ国連合軍の皆さん
左から、英、米、露、印、独、仏、墺、伊、
そして日本。
なんで背の順に並ばせるのかなあ。
もっとも、この写真の頃 明治時代というのは
日本人の体格がもっとも小さな時代では
あった。
日本人は
入れ替わったんじゃ
ないのか?
『最小』の時代をスタートにしているから
『15センチの伸び』 ということにもなる
のだが、最初のグラフで見るように
最近は日本人の身長は頭打ち、というか
伸び悩んでいる。
別に背が高いから偉い、とは思わないが
そんな余裕なことを思うのは私の身長が、
『173.4cm』
(某大学オフィシャルデータ。尿蛋白1回目陽性。)
と、ちょっとだけ平均より高いからだろう。
悩んでいる人を何人も知っている。
女の子の方が発育の時期が早いから、
『あたし、小五の頃から背が伸びてない』と
いう人も知っている。
うちの中学には『欠席者の分の余った牛乳は
勝手に飲んでいい』という、今から考えると
不思議なルールがあり
生徒用の出入り口に巨大な冷蔵庫があった。
変な学校。
で、クラスのF君が、
『1年で5センチ身長を伸ばす』とか言って
放課後に毎日3本飲んでいた。
それで、帰りに駅でトイレに駆け込むんだから
栄養効果はバリウム以下だったと思う。
彼とは卒業以来会っていないが
背は伸びたんだろうか。
まあ、江戸時代の日本人は肉を食わなかったし
明治時代の食事というのも 味噌汁と漬け物に
ご飯だけ、とか お世辞にも褒められたもんじゃ
なかったらしい。
だから身長が低かったんだろう。
なにしろ152cmあれば
徴兵検査で『甲種合格』になってしまうのだ。
日本人の場合は食事が良くなったからだ、と
いっていい。
1950年代後半から急に伸びているあたりを
見るとそう思う。
しかし、最近伸びが落ちているのは
美食は尽くした、ということか?
民族の限界、ということか?
でも、俺と室伏広治が電車で同じ車両に乗って
いて、なんか事故が起こって、そのまま埋もれて
遺跡になったら、
発掘した1万年後の考古学者は
同じ民族だと思ってくれないだろうなあ
いや、
同じ種族とさえ思ってくれないかも知れない。
くすん…
では、『今日の二枚。』
身長コンプレックスは誰にでもあると思うが
政治家ともなるとあれこれ苦労しているようだ
踏み台に乗って演説する
ジョンイルさんの
シークレットブーツ
まあ、見映えも見栄もあるだろうからな。
おまけ
1971年の映画『小さな恋のメロディ』の
1シーン。
トレイシー・ハイドかわいい。
金魚なんか
おっちゃんがいくらでも買うたるのに…
(クリックしてくださいな)
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コメント
一番搾りでは糖質が残っていたのですね
プリン体も私には厄介な代物であります
最近は、金魚を買ってやろうと
幼女に声をかけて回っている、とか
そんなご報告ではないことを祈ります^^
投稿: FREUDE | 2013年9月 5日 (木) 08時35分
FREUDEさん、ありがとうございます。
えーと、残っていたのは蛋白です。
イギリスじゃ、金魚はめずらしいんでしょうか
この物語では、この金魚
結構、大役なんですよね。
大和郡山に行けば、水路を泳いでるのに…
(養殖池から逃げるから。)
投稿: natsu | 2013年9月 9日 (月) 21時56分