2階で死ぬのか?
11日未明に起こった、福岡の病院での火災。
2階の病床にいた入院患者8人と、3階にいた
前院長夫妻、合わせて10人が死亡。
地上4階という規模からすると、意外なほどの
大事故である。
数日経って事故の詳細が報じられるようになった。
曰く、
スプリンクラーがなかった、
(規模から見て違法ではない)
エレベーターがなかった(違法ではない)
夜間常駐職員が消防署への届出では、
3人だったのに1人しかいなかった。(違法)
防火扉が閉まらなかった(違法)
防火扉が閉まらないように針金で固定されていた。
(事実なら許し難い違法)。
で、
死因の解析は司法解剖を経て裁判で
明らかにされるんだろうが
今のところ報道によればCO中毒だという。
一酸化炭素、というのは猛毒で
吸気中の5.0%を占めると即死する。
(2.0%でも即座に昏倒、5分で死亡。)
吸気中0.03%というすかしっぺみたいな濃度でも
2時間被曝すると不可逆的な脳みその破損を起こし
180分経つと、死ぬ。
すかしっぺなら、まだ救いがあるのだ。
匂いがある。
真面目な話だ。逃げられるだろう。
ところが一酸化炭素は無色無臭なのだ。
それでいて猛烈な致死性がある。
その致死性たるや、『性の伝道師』木嶋佳苗死刑囚が
なんであんな奴のくされマン○にだまされるんだろう。
とにかくこいつが
『キャンプのために七輪を6つ用意しました。
不思議とは思わないですよね。』って
不思議だろ?
毎日の社説は『スプリンクラーがなかった』事を
不備と唱え、 急速な法改正を求めている。
読売の社説では『防火扉が正常に作動しなかった』事を
大きく問題視している。
両社の社説に文句を言うつもりはない。
しかし、なにか根本的なところで腑に落ちないのだ。
2階で死ぬか?
被害者である、『入院者』や前院長夫妻を
責めるつもりはない。
そのくらいはわかってくれるだろう。
しかし、まず基本的なことから
COの発生原因は『不完全燃焼』である。
こうなるとスプリンクラーは意外に役にたたないのだ。
いま、数として圧倒的な
『感熱式』のスプリンクラーでは
集熱版、というフライパンみたいな金属の板の中央に
水圧がかかっているスプリンクラーヘッドがあって
これが火災の熱で溶けることで、散水する。
火災の拡大防止には、間違いなく役にたつのだが
ぶすぶすと不完全燃焼を起こして
COをはき出すような場合
初期消火には、実はあまり役にはたたない。
唯一の竪穴であった階段の防火扉が閉まらなかったから
これだけ被害が出たのだ、という読売の主張もどうだろう。
信じがたい『貧乏病院』だが
この病院には、事故当時ほんとうにエレベーターはなく、
階段もひとつしかなかった。
しかし、これ自体は実は違法ではなく、
そもそもエレベーターを『避難手段』のように論じている読売は、
ものを知らなさすぎる。(エレベーターで避難してはいけません)
殺人病院
で、
この建物に関して言えば、、2階の病室にいる人は、
普段の診察や検査でも1階に下りてこないといけない。
エレベーターがない以上
その方法は、今回問題になった階段を降りるしかない。
自力で歩けたのか、介助者がいたのか知らないが
全員が『足萎え』ではなかったわけだ。
そして、もし今回の火災で入院患者が避難するとしても
ここを通るしかなく、
そうであれば防火戸が正常に作動したとしても
ガスの濃度によっては階段を出た時点で
即座に昏倒しただろう。
だから『きりきりと追い立てて』逃げさせろ、というつもりはない。
病室でCOによって全員の意識が即座に失われたとは思えない。
介助者が少なかったのは確からしいが
ガスによっては、1階で全滅、ということも充分あり得たわけだ。
だから、2階で人が死ぬのか?
そして、
それ以上の階に病床を持っている病院なんて
現実に、いくらでもある。
高層階で入院しながら、ストレッチャーでしか移動できない、
そもそも自力ではどこにも行けない、という人がいる。
日本の病院や老健施設は、スプリンクラーや自火報なんかの
消火設備を強化してきたがそれが決定的な防止法ではなかった。
ということを知るべきだ。
そして、むかしのエレベーターに防煙性能がなく、そのくせ
くそかったるい
ストレッチャー用エレベーターでしか
避難できない病院が日本中にある、
ということは、もっと知られてもいいと思う。
もっとも大規模病院に関しては、
防災計画書で避難計算なんかは義務づけられているので
一応の安全性の検証はされているのだが。
しかしもうひとつ、知っておいていただきたいことがある。
入院病棟というのは監獄だ。
必ず『ナースステーション』の前を通らないと
どこにも行けない。
そもそも入院患者は服を取り上げられて、
金もないからどこにも行けないんだけどな。
入院患者の大半はキチガイであり、
夜半に侵入してくる悪い奴がいる、という
徹底的な『性悪説』を前提にして
病棟は設計されている。
文句は言わさない。
俺がどれだけいやな思いをしたか…
しかしながら、かような具合では病棟の出口は1カ所に
絞られることになる。
極端なことを言えば、ナースステーションを襲えば
病棟は一瞬で制圧できる。(もちろん犯罪です)
別にテロじゃなくとも、ナースステーションの近辺というのは
看護師や医師の仮眠所、給湯室なんかあって火源が多い。
こういうところで出火した事例、というのは
枚挙にいとまがない。
『2方向避難』というのは建築の鉄則だ。
病院は、その『監獄発想』のために
それを意図的に排除してきた。
さすがに『避難的』によろしくなかろう、ということで
いまでは、病床があるフロアには全周にバルコニーが
回されるようになった。
窓も、人間が逃げられるだけの大きさが必要になった。
従って、いまの病院はやたらと窓が大きくて
『あら窓が多くて素敵ね、この窓から見える枯れ葉が消えるまで
生きていられるかしら。』と、いう時代になるのだが、
病院、というのはマンションと違って耐震壁が少ないので
地震には不利である。(まあ、基準は満たしているはずだが。)
『避難バルコニーというのは、10年に1回使うかどうか。
そもそも、かっこわるいじゃないか。』と言うことで
デザイナーに嫌われてろくな手摺もなく、はっきり言って、
いまの病院の避難バルコニーというのは、安全帯なしだと
金玉がきゅんと縮み上がるくらい怖い。
しかし、この病院には、
そんなバルコニーさえなかった。
たとえ毒ガスが来ても、十分な換気は出来ず
そもそも排煙設備がなく、
外へ逃げられるだけの開口もなく、外に出たところで
バルコニーはないので、飛び降りるしかない。
『整形外科』に入院して怪我をしてどうする、という気はするが
2階なら、余程打ち所が悪くなければ死ななかったかもしれない。
だから、何故2階で人が死ぬ?
この病院の設計者は、違法な増築工事なんかも
請けていたらしい。
人間の屑だが、それを命じたこの病院の院長とその家族は
社会的に復活できまい。
請けた設計者にしたって
施工会社にしたって同じ事だ。
社会的な生命をまっとうさせない。
2階から、飛行機みたいに空気で『ばうんっ』って開く
避難用のシューターとかつけといたらよかったのに…
幼稚園なんかだと、
『避難用滑り台』ってのがあるんですけどね。
真面目な話、既存不適格の建物には、
せめてそういうのでもつけさせたらどうだ?
では、『今日の竹島・尖閣』
日本国外務省が
『竹島は日本領です』とアナウンスするために作った動画。
韓国は、あれこれ文句を言ってるらしいが
主張が違うんなら、議論するのは当然のこと。
いまさら、という気はする。
当然『尖閣諸島編』もあります。
『日本国が正式に持っている国境紛争』は
実際に『国土』を実効支配されている、北方領土と
李承晩時代に『占領された』竹島だけである。
もっとも。尖閣に関しては『領土係争地』ではないので、
このCMを取り上げて、
『小日本が領土問題の存在を認めたぽこぺん。』と
余計な騒ぎの元にならないか?という心配もある。
従って、『大人の風格』を持って
鷹揚に対応し、近づいてきた中国船や
潜水艦、空軍機を毅然として
警告なく叩き落とせばいいと思います。
(クリックしてくださいな)
何故、先週のことを今頃書いているかというと
例によって死んでるからです。
ゆっくりやってまいります。
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投稿: 財布 新作 2013 | 2013年10月26日 (土) 11時31分