それなら大島浩は特定機密法違反なんだな?
12月8日は『真珠湾攻撃』の日。
(Wikipedia 真珠湾攻撃)
で、
日本の暗号は事前に破られていて、
この『攻撃』があることをルーズベルトは
とうに知っており、
日本にわざと老朽戦艦を攻撃させて
モンロー主義を引きずっていた
アメリカの国内世論を
一気に参戦に引きずり込んだ、と。
そんな話を読んだことがある。
しかし、それはアリゾナの戦没者
1200人に対して失礼だろう。
真珠湾の戦艦アリゾナ記念館。
ただし日本の暗号、特に外交暗号が
早い時期に破られていたのは事実らしい
1937年、日本は、九七式欧文印字機という
暗号機を開発した。
『世界最新鋭』という触れ込みで
海軍と外務省に採用され
外務省では『B式暗号機』と呼ばれた。
ところが、この暗号は1年半後にあっさり破られる。
暗号機は複製されて、連合軍では
『パープル暗号機』 と名付けられた。
現存する唯一の
B式暗号機の『現品』
ベルリンの日本大使館で
破壊されたものの部品
(打腱機のみ)
これ以降の日本の外交暗号情報は
『マジック』と呼ばれて、
アメリカを通じてイギリスなどに伝えられる。
で、
大島 浩だ。
戦後の大島
なに生意気に
写真に写ってやがる
この男が何者か、というと軍人出身の外交官
であった。
外交官というのは、大体人間の屑なのだが、
この男は、国家の、というより
『世界史の舵を曲げた』という意味で
希代の畜生である。
こいつは、元は陸軍の出身で
1938年に駐独日本大使に任命される。
勅任官の中将が、そのまま親任官の全権大使に
なることも、 おかしいと思うのだが、
そういう無理が通る時代だったのだろう。
無理で通った人事なら、
馬鹿は馬鹿らしくおとなしくしていればいいのに
ともかくこの男は仕事熱心だった。
ところがこの馬鹿の仕事熱心が
世界史を変える。
日独伊三国同盟の推進を強力に進め
徹底的にナチスに心酔し、
それ故リッペントロップやヒトラーなどの
ナチス首脳部の信頼を勝ち得たこのうすら馬鹿は
ナチスの作戦の枢機に触れ、
その情報を『同盟国』日本に垂れ流し続ける。
もちろん、暗号は破られている。
それは、独ソ戦におけるドイツの作戦であったり 、
大西洋におけるドイツの潜水艦の作戦であったり、
ノルマンディー上陸作戦直前における
フランス西岸での
ドイツ軍の守備組織の情報だったりした
『Oshima Information』は
ナチスの崩壊を2年早めた、
といわれた。
さて、この人は『特定機密』の
漏洩者なんでしょうか?
漏洩者であることは間違いない。
むしろ世界史に残る『Leaker』であると言えよう。
しかし、外交暗号が破られていたことは
この人の責任ではない、とも言える。
しかし『この暗号あぶねえぞ』という警告を
ドイツや陸軍から再三にわたって受けていた
ことも事実で、それを無視した理由は
官僚意識だったのだろう。
そもそも外務省も悪い。
戦時下に、8年近く
暗号機を更新しなかったこと。
更新の際(既に破られていた)旧式暗号機との
併用期間を2年も設けていたことなどは
信じられない。
秘密の漏出防止って、
個人の責任とか、秘密の種類とか、それを
どう指定するとかじゃないと思うんですよね。
大丈夫なのか?
日本。
では、『今日の二枚。』
大島浩が与えた日本に関する直積的な被害
ということでいえば、終戦間際まで
『ナチス有利』という情報を流し続け、
日本の終戦工作を遅らせたということがある。
さすがにソ連軍がベルリンに迫ると
この卑怯者は『露助につかまるのはいやだ』と
南ドイツの温泉地に逃げ込んで
アメリカの捕虜になった。
終戦後はA級戦犯として起訴され
絞首刑になりかかるが、
何故か罪一等を減じられて終身刑。
結局はそれも減刑されて10年で仮出所。
大島は戦争中、自分の流した暗号が解読されて
その情報が、独伊、そして日本の敗北を招いた
とは知らなかった。
とか、眠たいことを書いている本が
たくさんあるのだが
そんなことあるわけねえだろ?
こいつは89歳まで生きて昭和50年に死んで
いるんだ。
『日米暗号戦争』なんてテーマの本は
その時代には、それこそ山ほどあっただろう。
明白な作為による漏洩、は今回制定された、
特定機密保護法とやらで処罰されるのだろう。
しかし、こいつのように
『馬鹿だから知らなかった』という奴は、
事後に首をつっても役にも立たないが
処罰はされない。
そしてなにより許せないのは、
この男が沈黙を守って天寿を全うし、
バブル時代まで生きていたことである。
東京都内、某霊園にある大島の墓。
『日本、ソ連参戦の可能性。』の機密を
流し続けたあげく、つかまって刑死した
ソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲの墓もある。
んまあ、なかよし。
(クリックしてくださいな)
がんばって続けますとも。
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