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2014年3月29日 (土)

『名張毒ぶどう酒事件』の日

3月28日は、『名張毒ぶどう酒事件』の日。 

(Wikipedia 名張毒ぶどう酒事件)











三重県名張市の山中、まあはっきりいって僻地の葛尾地区で

昭和36年のこの日、農村改良を目指す集会が開かれた。


昭和30年代には、こういう薄気味の悪い会があったのだ。 

(と、思ったらいまもある。『山村女性を支援する会』だって。)






会の趣旨はともかく、集会後には酒食が出る。 

山中では貴重な愉しみで男性12人、女性20人が参加した。

男性には清酒、女性には白ワインが供された。

白ワインは、王冠で栓をされていた。











ところが、このワインに劇物の農薬が混入されており、 

15人が倒れ、5人が死亡。



逮捕されたのが、当時35歳の奥西勝。



この人は、逮捕後一度犯行を認めたらしいのだが 

公判では一貫して否認。


一審では無罪となるが高裁、最高裁では死刑。

その後の再審請求も棄却され続けるが、2010年に再審決定。

『足利事件の再来か?』と世間を騒がせるが

2012年に名古屋高裁は再審を棄却。


2013年に最高裁もこれを支持したことから 

奥西さんは再び『死刑囚』となった。




年齢を考えると刑が執行されることは、ほぼあり得ないとは思う。

そうはいっても、死ぬまで死刑囚を飼うことには反対だ。

以前も書いた。


でも、執行されないだろうな。
























今日的な視点でみれば

いろいろと不思議な事件ではある。


『第2の帝銀事件か?』と、大いに世間を騒がせた。

大量殺人致傷事件だったのは間違いない。



しかし、大金を奪う、とかではなく

ただの、『痴話げんか』だったのである。

というのが今のところの結論。

奥西死刑囚が、浮気相手と嫁を一気に殺そうとした、と



そして、集会そのものの趣旨もどうかと思うが

男は清酒、女はワイン。ってなぜ分ける?

被告人の奥西は、『酒好きの嫁も浮気相手も飲むだろう』と思い

農薬をワインに混入した、とされている。

『女はワイン』ということが知られていたから女性を狙った、と。


実際彼女たちも飲んで死ぬのだが、

死ななかった可能性だってある。

重篤な後遺症を抱えて二人とも生き残る、という

可能性もある。

そして、当り前だがほかにも被害者がいる。


彼が狙った『嫁と愛人』は仕留めたが

そのほかに3人の死者と、10数人の重軽傷者を生んだ。

判決の構図が事実なら、

リターンとリスクのバランスを考えると、

恐ろしく不当で許しがたく、頭の悪い犯罪である。



さらに、そのワインの栓が王冠だったという。 

被告である奥西死刑囚は、これを歯でこじ開けた、として

王冠に残った歯型が本人のものであるか、ということで

およそヤギが飼えるくらいの

無駄な鑑定記録 そのほかが出されている。


用いられた毒物は市販の農薬に由来したものなのか?

という点と共に、この裁判の争点となった。





そこ?






昭和30年代のワインはコルク栓ではなく、

ソムリエ、あるいはソムリエーヌが抜栓したコルクが

銀盆の上に置かれ、

『おおう、神よ』

とか、やることはなかったわけである。



っていうか栓抜き持ってこいよ。

それで王冠は持って帰れよ。




したがって、多数の人物でごった返す集会の準備中に

女ならまだしも、中年のおっさんが毒物を混入できたのか?

というのが大きな疑問で、裁判でもそこが争点になった。


















ただし、この人が疑われたのにも理由がある。
 

戸数にして、たった18戸の集落で不倫をしていたのだ。




嫁も子もいるのに未亡人をたらしこんでいた。

もちろん目立つ。




しかも、くそ田舎だ。 

そして昭和30年代だ。





奥西は疑われるべくして疑われた。

彼の逮捕は、『この集落』にとっては

『予定調和』の結論だった。






ここが恐ろしいんですよ。

強面だったとか、『地域の正業』である農業に就かず

石切り場で働いている、とか

もともと浮いている面はあったらしい。

(兼業で農家もやっていたそうだ。)








そんな目立つ奴が浮気すんなよ








とは思うが、それよりも恐ろしいのは

『地域の目力』である。



彼が逮捕されると集落は、『ほらやっぱり』

むしろ残された子供たちを助ける動きに出るが、

彼が否認に転じたと知ると、

『おらたちの村に真犯人がいるだか?』

と家族を村から追い出す。


いまでも『彼』の話題は、この、うんこくそ田舎の

限界集落ではタブーだそうである。






朝日新聞 三重2010年04月07日

■差し戻し、住民「複雑」 半世紀「早くけじめを」

名張毒ブドウ酒事件で、奥西勝死刑囚(84)の再審の判断が、

最高裁から名古屋高裁に差し戻された。半世紀にわたり、

事件にほんろうされてきた小さな集落の住民には、

事件が決着しないことへのいらだちと困惑が広がった。


急な坂に沿って約20戸が立ち並ぶ奈良県境の名張市葛尾地区。

事件のあった公民館は、

今は取り壊されてゲートボール場になったが、

そこから南西へ約50メートルのところに、

死亡した5人を供養するために住民が建てた

3メートルほどの供養塔がある。


事件があった会合に出席し、26歳の姉を亡くした70代の男性は

「お互い信頼していた中で事件が起きただけに、

えらいショックだった。みんな親類みたいなもんやんか」と振り返る。


姉の子ども2人は現在、家庭を持つ。男性は

「50年もたてば、事件ばかり考えて生きるわけにはいかない」

と語るが、裁判の行方は気になっていた。

「やっていないって言うなら、やっていない証拠がほしい」


70代の女性は事件当時、公民館にいた。

「みんなが急に吐いたり、

部屋を出入りして本当に怖かった」と話す。

女性は「何やろ、何やろ」と思い、

奥西死刑囚の様子は見ていなかったが、

奥西死刑囚が犯人だと信じてきた。

その思いと裏腹に出てきた再審の可能性に、

「複雑ですね」と言葉少なだった。


葛尾地区の区長を務める福岡芳成さん(61)は

当時小学生だった。

母親が毒ブドウ酒を飲み、1カ月以上入院した。

「50年もたって再審がどうこうと言っとる。 

振り回されるのはもうたくさん」と話した。


事件の2年後に結婚して集落にきた60代の女性は

「(奥西死刑囚が)無罪になったら、

他の村人に犯人がいることになる。

そんなん、恐ろしくて考えられん」。























最後の、おばさんのセリフが『ムラの本音』なんだろうな。




















ちなみに、3月28日は、4人の強盗殺人放火事件

『袴田事件』の犯人とされる袴田死刑囚の再審が決定され

彼が出獄を許された日、でもある。







『被害者』がいるのだから、

『加害者』は間違いなく存在するのだが

『犯罪者』を作っているのは、近隣住民のあなたかもしれない。










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樹木希林は『死刑囚の母親役』が似合うなあ。

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