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2014年3月19日 (水)

プーチンの捨て台詞

ロシアの南にあるウクライナが親ヨーロッパになり

EUに入りたい、と言い出した。

















当然ロシアとしては看過できない。


ロシアの租借地であった、軍港セバストポリを拠点に軍を展開し

クリミア半島を支配する。

(ウォールストリートジャーナルの記事へのリンク)



クリミア半島内のウクライナ軍は陸海ともに、

あっさりと降参。

そのうえで『クリミア自治共和国の独立をめぐる

住民投票』を行うとして、欧米からの非難を浴びた。

しかし住民投票は実際に16日に行われ、圧倒的多数で 

クリミアの『独立』と(すでにロシくアの租借地であった)

セバストポリ特別市の独立を。宣言した。








この軍事行動と、住民投票の実施直前に

プーチンさんはオバマさんに電話し

『お前らがコソボでした事と同じだからな』



といったという。 (時事通信の記事へのリンク)


















すげえ、捨て台詞。


というのが、今日のお話。








と、いきたかったんですよ。

でも、事態の進行が早え。のろいこの日記じゃ追いつけねえ。

という話をします。








まず、『コソボ』って何だ?

























かつてユーゴスラビア、という国があった。

第二次大戦ではチトーというカリスマがいて、

こいつが指揮したパルチザンが、

ソ連の助けを受けないで

ユーゴをナチスから『解放』しちゃったもんだから

この国は、東欧諸国の中では戦後もソ連の干渉を受けず

比較的『自由』だった。



チトーは1980年に亡くなるが、
84年には旧東欧諸国で初めての

サラエボオリンピックを開く。



ところが、直後に東欧諸国では民主化の動きが強まり、

多民族国家であったユーゴスラビアでは、各民族の独立

他民族の排除、という方向に進み一気に国内は内戦に包まれる。






サラエボオリンピックスタジアム。

『平和の象徴』がこれじゃあね。


00000000000000000000000000000000000
10年前の写真。

でも、いまでも

こんなもんです

墓標だらけだ。











で、まあ今これを書いているのは3月18日。

クリミア問題に関して『なんでコソボ?』って

思って調べて、さあ書こう、っていう時に

ロシアがクリミアを編入しちゃうんだもんな。



もう事態の推移が早すぎて訳わかんないんですよ。










ユーゴの話をもう少し続けると、

この国はとてつもない内戦のあげく

国連やNATOの軍事介入もあり

スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、マケドニアの

4つの共和国が『独立』した。


残ったセルビアは『自分中心のユーゴ』を残したいので

モンテネグロを 抱き込んで『新ユーゴスラビア』という、 

新 加勢大周のような国を2003年に作る。



もちろん逃げられて、2006年にはモンテネグロも『独立』



こうして『ユーゴスラビア』は解体。 

連邦構成国だった、6つの国にわかれたはずなのだが、 

ここで、出てきたのがコソボ紛争である。


コソボ、というのはセルビアの南部にあるって言ったって、

日本人知らないよ。

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国境線が

点線になっているのは

理由があります。







ただし、ここは歴史的にはセルビアとはきっぱりと違い、 

民族的にも隣国のアルバニア系の人が圧倒して多く 

文字通りロシア系の『スラブ人の国』である 

セルビアの支配を受けるのは嫌だった。













したがって、コソボでは1996年から武力紛争が勃発。

ただし欧米の反応は鈍く

NATOが実力行使に出たのは1999年から

この時のNATO軍は

『我が軍は精密誘導兵器を使っていますぞ』

ということをアピールするために、

限定的に『戦場の画面』を公開して、

『コソボを救えキャンペーン』を張る。

『人道的な戦争をやっていますぞ』と、

つまり『残虐なセルビア』とは違う、と。





欧米が、コソボへの介入に慎重だったのは 

そういう『表の事情』以上にも理由があった


コソボ独立を認めてしまうと

『国境線の引き直し』

になってしまうからである。

   



ヨーロッパ人が『国境線』にうるさいのは

今の韓国人以上であって

『俺たちの国は全盛期には、あの地方も』とかいう

寝言を聞いていたら、

ヨーロッパ大陸が3つあっても足りない。


コソボ共和国はユーゴスラビア時代には

連邦構成国ではなく、

セルビア共和国内の自治共和国という、

言い方はよくないけど、

1ランク下の存在だったのだ。


これの『独立』を認めたら自分たちにも火の粉が 

かかってきかねない。

ヨーロッパにだって独立闘争をしている武装勢力を

抱えている国はたくさんある。



だから『コソボの独立』は危険だった。

しかし、セルビア軍のコソボ弾圧、が

多数報道されるようになって、

もちろん『報道』されるからには 

誰かの意思が働いているのだが、

つまり、そういうことによって、

NATO軍はセルビアをぼこぼこにたたきつぶす。


コソボは、国連の暫定統治を経たうえで

2008年に改めて『独立』を宣言した。



これでめでたくコソボは、

日本も承認する立派な独立国になった。

(外務省 コソボ共和国)

もちろん きちんと大使交換もしていて、

在日コソボ大使館は 

なんと立派なことに東京は港区にある。





西新橋の雑居ビルの10階にある、というのが

多少心許ないが。












もちろん日本とは仲良しなのだが

ホームページも開かないのはあんまりじゃないか?

お前ら日本人の観光客呼ぶつもりねえだろう。

とは、思う。



コソボ共和国は世界の100以上の国・地域の 承認を受けているが

もちろんセルビアは『独立』を承認していない。

セルビアと仲が良いロシアも承認せず、

国内にセルビア以上の民族問題を抱えている中国も

承認していない。



常任理事国の2カ国が承認していないから

『国連コソボ暫定統治機構』は、

もう『統治』なんか実際にはしていないだろうけど

名目上は有効で、

したがって、ここは国際法上厳密には独立国なのか

よくわからん。

だから、Googleさんの地図では、

コソボとセルビアの国境線が 

点線になっているのである。





いいじゃん、新橋に行けば大使館があるんだから。
















だから、プーチンさんが

『お前らコソボで好き勝手

やったんだから文句言うなよな。』

というのには、ある意味、凄味がある。


面子をつぶされた、と思っているわけです。





『お前が言うか?』という気もする。







 

 

ただし、こういった、旧ソ連構成国の分割はロシアにとっても 

避けたいはずなのだ。


現に70年も続いちゃったソ連のおかげで

旧ソ連構成国の中で『ロシア系の住民が多い。』

あるいは『豊かな地域をロシア系が占めている。』

というところが

いくつもあって、そうしたところでは、

『ロシアに併合してくれないかなあ』あるいは、 

『親露政権をつくって独立したいなあ。』

というところがある。







そもそもソ連時代の国境線はいい加減で、

今回問題になっているクリミア半島でさえ、

『フルシチョフがウクライナ出身だからプレゼント、』

ということで 編入された。

ロシアの主張は乱暴だが

フルシチョフのプレゼント、ということを聞いてしまうと

そうは、無茶苦茶でもないのである。





しかし、そんな『国境線の引き直し』 

みたいなことをはじめたらロシア自体が解体してしまう。



プーチンさんが抜いた、

『クリミア併合』というのは 

ロシアにとっても両刃の剣だ。


















『大国ロシア』が面子をつぶされたと思ったのは確かで

それが、今回のクリミア紛争、に曲げて続いている。

        

セバストポリ軍港、といっても

確かにロシアには貴重な不凍港なんだけど、

黒海の対岸にごろごろNATO軍の基地があって

それほどの戦略価値があるかしら。



大体、出口のダータネルス海峡は

NATO加盟国のトルコが押さえているんだ。


勝ち目はないぞ?
























しかし、今回のニュースで、プーチンさんが

『クリミアは常に分かちがたいロシアの一部だった』

と言って武力行使を正当化した、ということは

分かち難い北方領土の択捉島に、

自衛隊の精鋭が雪崩れ込んでも

文句は言わん、ということだな。




































では、『今日のキューバ危機。』















このロシアの内紛を他人事、として考えていていいのか 

というと、おそらく違う。


ロシアは、『旧ソ連圏内』、

バルト三国は初めから生意気だったからしょうがないけど、

それ以外の11カ国がEUに加盟する、くらいでも許せないが

NATOに加盟する、なんて 

それこそキューバ危機のきっかけになった 

トルコへのジュピターミサイル配備以上の危機であると

認識している。


実際バルト3国はすでにNATO加盟国だし東欧の

ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアも

そうなっている。

トルコのNATO加盟は1952年、と非常に早い。



ロシアはまだ、『囲まれることの恐怖』から逃れていない。

『ウクライナがEU?

じゃ、何年かしたらNATOに入りたいって言いださないか?』

という未来を予想したとしても

それだけでは責められないところがある。





もちろん今回ロシアがやったことは無茶苦茶だが。










世界は、まだこの危機から

案外遠くないところにいる。


われわれは50年をかけて

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