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2014年3月31日 (月)

消しゴム鉛筆の日

3月30日は『消しゴム付鉛筆』が発明された日。 

(Wikipedia Hymen Lipman)

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懐かしい










こんなもんにも、『記念日』があるんだねえ。








1858年のこの日、ハイマン リップマンなる人物が 

『鉛筆と消しゴムを合体させた文房具』の特許を取った。


発明のきっかけには諸説あるのだが、そのひとつが、こう。

リップマン先生は画家で

スケッチの時にしょっちゅう消しゴムをなくして困っていた。

だから『消しゴムと一体になった鉛筆』を作った。


別の説では、消しゴムをなくしていた間抜けな画家は 

リップマン先生ではなく、友人だった、とも。







たくさん置いとけ。










引用したWikipediaの年譜を信じれば

この人は若くして、フィラデルフィアの老舗の文房具屋を立て直し

26歳にして『全米初の封筒会社を作った。』とある。


『封筒会社』って、それ儲かるのか?と

思ってしまうんだが、儲かったらしい


嫁さんの実家も金持ちだったらしい。

『消しゴムをなくしてイライラしていた画家』は

だから、おそらく友人だろう。












だって、リップマン先生の鉛筆は、今日的にみると 

なんとも変な形をしているのだ。


   

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これは、1858年当時にリップマン先生が

特許に申請した『消しゴム付鉛筆』そのものである。



今日、われわれがイメージする

『鉛筆の軸の後ろに消しゴムがついて

金具でとまっている』、というのとは

だいぶが違う。



図面左側3/4は通常の鉛筆。なのだが、右側1/4が

消しゴムになっている。


いや、『なっている』というか埋め込まれているんですね。










普通、鉛筆というのは黒鉛と粘土で練った芯を

丸く伸ばして焼成し、油につけて熟成して

すでに半円形の溝を切ってある木の原版に据える。


その上から、やはり同じように溝を切った原版を当てて

ぎゅう、と押しつければ出来上がる。



原版は数十本の鉛筆が取れるだけの大きさがあるらしいが

芯さえ入ってしまえば、切り分けるのはどうにでもなる。


六角形にするのは大変らしいが。




ところがリップマン先生の『鉛筆』だと、芯と消しゴムの2種類の

溝を作らねばならない。

そして、鉛筆の芯と消しゴムを別々に入れないといけない。

そういった意味で、恐ろしく生産性が悪かった。



そのうえ、この『消しゴム』をどうやって使うのか、というと

鉛筆のほうは普通に削るとして

消しゴムのほうも木を削らないと中身が出ない。


上掲の図のように、両端から削るという

『貧乏削り』をしないといけなかったのだ。


その上、中身の消しゴムを固定するために

木の原版と消しゴムが膠でがちがちに固められていた。

しかも19世紀の消しゴムだ。ぼろぼろである。


これをむいて使え、と。












超めんどくさい。














リップマン先生は、なにしろ

『the first envelope company in the U.S.』

作った人で、商才はあったんだろうが、なにしろ金持ちだ。

こういう こまこました生産性とかは気にしていなかったらしい。


ただ、『商才』があるだけに撤退の決断も素早くて 

のちに述べるファーバー社との特許侵害の訴訟が起ると 

彼は1862年に 特許申請の権利

ジョセフ・レッケンドーファーなる人物に 

10万ドルで売り飛ばしている。


1867年にアメリカがアラスカをロシアから720万ドルで買った

ことを思うと、19世紀半ばの『10万ドル』という

この金額の非常識さが思い知れるだろう。










レッケンドーファーという人については

Wikipediaさんも黙っているし

まあ、熱心に調べるほどの人物でもないような気がするのだが

この人が10万ドルの大枚をはたいて買った

リップマン先生の特許で大儲けしたか、というと

これがざまあみろに、とんでもないのである。











ファーバー社、というのは『Faber-Castell』社という名前で、

現在も続いており、製図をする、絵を描く人はみんな知っている。

文房具や画材のトップメーカーである。



この会社が、リップマン先生の特許が認められる寸前に、

今日的な、いわゆる鉛筆の軸のお尻に

消しゴムがあって金具で留まっている

という『ニュー・消しゴム付鉛筆』

特許を出願した。















まあ、ずるいっちゃあずるい、かな?











当然、レッケンドーファー・リップマンの陣営は訴訟に訴える。 

『鉛筆に消しゴムをつけたのは俺たちだ』



うん、まあそうかもしんないけど

なんだか頭の悪い喧嘩だ。

連邦最高裁まで争うようなことかなあ。










注目の判決は。

『鉛筆と消しゴムをくっつけた?

だからなに?』

という痛快なもの。





組み合わせはともかく、鉛筆も消しゴムも

それぞれに昔からあるわけだから  

発明に『新規性(自明性)』がない。


特にリップマン先生の『作品』は、非常に使いにくく

その使いにくさは法廷でも不評だったらしい。










かような次第で、リップマン、ファーバーの特許は解放され

今や世界中のメーカーが 

『消しゴム付鉛筆』を作っているのである。





『発明の自明性』ということに関して、この裁判は

特許界(なんて狭い世界だろう)では、

非常に有名なのだそうだ。








ただ、まあ









『鉛筆に消しゴムをつけた』っていうことは 

もうちょっと評価してあげてもいいのにな























『ということでだな。』


『…却下です…』


『爪切りつきホッチキス。』


『危えよ。』


『リップマンの発明は、鉛筆と、消しゴム。

いわば入口と出口なわけだから』


『…だから?…』


『○○○と○○○。』


『やめろっ。』


























では、『今日の2枚。』

















貧乏削り

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うん、確かにやったよ

貧乏だもん…


















その極限。

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ここまで来ると『芸術』だよね。







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