液状化の日。
6月16日は、新潟地震の日。
1964年のこと。 (Wikipedia 新潟地震)
新潟市の日本海沖を震源とした、
M7.5の地震が発生。
地震、火災、津波等によって、死者26名
という犠牲を出した。
生後2日目だった私も、
目を瞠ったものです。
うそですごめんなさい眼なんか開いてません。
この地震が注目されたのは、液状化現象という
ものの恐ろしさを世に知らしめたこと。
もっともこの時代は『流砂現象』という、
サスペンスドラマみたいな名前で報道されていた。
そして、この『現象』で信濃川のそばにあった
アパートがころんころんとこけた
とても国家が運営していると思えない
古臭いわかりやすいデザイン。)
このざっくりした説明を受け売りすると
粒度がそろった地盤で、かつ締っておらず
地下水位が高く、そして
高いレベルの振動で揺さぶられると、
一時的に地盤の耐力がなくなる。
夏休みの自由研究レベルだが、砂を瓶に詰めて
さっこりさっこり棒で突く。
砂だけだけど終戦後の脱穀風景だが
水を入れると、ある瞬間になると驚くくらい
抵抗がなくなる。
さくっ。
面白いからやってみたらいいと思います。
もっとも今の御時世、、
砂よりも一升瓶を手に入れるほうが難しいか。
でも、さくっ、って気持ちいいよ。
地盤が文字通り液体になるんですね。
ところが新潟地震のころには重視されて
いなかった。
いや、まあ、そういう現象自体は
155年前の安政大地震から広く知られていた。
しかし、以下の理由で、戦後の建築では
あまり重視されてこなかった。
みなさん、地盤の堅固さを調べる
最も流通している方法を知っているかい?
それは、『N値』あるいは
『スウェーデン式サウンデング法』といって、
名前は色っぽくて超かっこいい。
『スウェーデン』に反応するなよ。
どうするのか、というと重さ63.5kgの重りを
ボーリングロッドというけど、まあ筒ですな。
これにガツンガツンとぶつけて30cm沈み込む
回数を測る。
ついでに地盤のサンプルも採る。
いやっ。待ってくれ。
僕だって馬鹿らしいとは思うんだ。
だけど、地震大国、日本の耐震診断の
基本情報がこれなのだよ。
(今はもうちょっと賢く診断してるから
大きな建物については大丈夫。
でも戸建住宅とかはなあ…)
で、
この方法だと、砂質地盤は
非常識に頑丈な数値を叩き出す。
だから、冒頭の写真でころんとこけた団地
のように
『杭なんか打たなくてもいんじゃね?』
という、危険な工法がまかり通っていた。
新潟、というのは『砂と泥の街』だ。
信濃川の河川敷なんですね。
新潟の街
『おや?』と思ったあなたは正しくて、現在はこうなっている。
信濃川
関谷分水
日本一の大河信濃川が、こんなに曲がり
くねってちゃああぶねえよなあ、ということで
新潟の歴史は治水の歴史だ。
で、
例によって
本筋が何か分からなくなっているだろう。
みんな。
だいじょうぶ、今日は『液状化』の話だ。
今日は、って言っておきながら
5日も6日も引っ張っているのは
ここだけの秘密だ。
信濃川左岸は、日本海一の海港をもち、
信濃川の水運でも豊かだったのだが
ごらんの通りの地形なので氾濫するたび、
砂が溜まりまくった。
阿賀野川、というのも厄介な暴れ川で、
信濃川東岸に巨大な低湿地を作った。
江戸時代に『こっちを通れ』ということで
いまの場所に分水路を作ったら氾濫してぶち破って、
いまではこっちが本流のような顔をしている。
だから新潟は砂とシルトの街だ。
63.5kgの鉄の球ではわからないが、
いまならみんな知っている。
『そりゃ、液状化するよ。』
東日本大震災から3年以上たって、
世間の関心は『原発と鼻血』とか、
あさっての極点に向かっているが、この地震が
『地面を信じるな』
という、あたりまえで重大な教訓を残して
くれたことを忘れないでおきたいもんです。
そんなら、地震発生の日付にちゃんと出せって?
はい。
では、『今日の液状化現象。』
1995年の阪神大震災の時、液状化によって
地盤の砂があふれる噴砂現象が観測された場所。
元のままなのに、外周道路が沈んでるから、
地震後のあの島を走ると
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