三億円事件の日
12月10日は『三億円事件』が起こった日。
昭和43年のこの日、東芝府中工場に運ぶ
従業員のボーナス三億円を積んだ
現金輸送車が、白バイ警官を装った男に、
車ごと奪われた。犯人はまんまと逃げおおせて
7年後に時効成立。
私ごときが解説する必要もないくらい、
有名な事件である。
ふっふっふっ
『億』という単位の強盗事件は、これ以前には
ない。
5年前に起こった『吉展ちゃん誘拐殺人事件』
の身代金が50万円だったから、文字通り
桁が違う。
犯人の社会的な階層も違っていたのだろうが
大卒初任給が3万円台だった時代である。
世間も、驚いた。
この事件は、発生から時効まで、その騒ぎを
リアルタイムに 体験しているので、
よく覚えている。
ガキの頃は、体育帽を白にして、つばを後ろに
回し『三億円犯人』なんてやったもんである。
長じてから建設会社に入り、
現場でヘルメットをかぶるようになると
インカムのようなものをつけて
『三億円犯人』なんてやったもんである。
三つ子の魂って、アホだ。
俺だけか?
しかし今や、
会社の100億でカジノに行くバカボンがいる
ご時世だ。
金額で言えば、それほど驚かない。
ダルビッシュの入札価格が
60億円だそうだから、
たったの『0.05ダルビッシュ』である。
もっとも、
私の月収は『1マイクロダルビッシュ』
くらいだから、
ちくしょう、金欲しいなあ。
捕まえようとした側の記録、というのは
たくさん残っているのだが
あたりまえだが、犯人側の記録はない。
単独犯か複数犯かもわからない。
あの時代に、バイクと逃走用の車を3台も
用意する、というのは、
単独犯の仕業だとは思えない。
しかし、複数犯だとしたら犯人グループが、
3億円の金を前に、沈黙を守れたとも思えない
神戸の元町で起きた『五億円強奪事件』は
2人組の犯行だったのだが、犯人の一人が
別件で逮捕されて自白したため全容がわかった
(ただしそいつは時効、もう一人は自殺した)
単独犯だとすれば、相当に頭のいい人物だと
思うのだが、宝くじに当たった人間が、
例外なく
『増えた親戚』と、『顔も覚えていない
友人』にむしり取られて不幸になってしまう
ように、
周囲に知られないとは、到底思えない。
一体どうしたんだろう。
使ってこそ金だと思うが、
どこかに預けたんだろうか?
いま、銀行の金利なんて鼻糞ほどもつかなくて
『超頑丈なたんす預金』でしかないのだが
バブルの頃は、普通預金で金利6%なんて
時代があった。
ならしてみて2%の金利がついたとしても、
7年間で1割ちょっとしか増えない。
商売でも始めたんだろうか。
『ビリオン屋』なんて屋号で商売を
やっていたら面白いな、
というのを、今日の落ちにしようと
思ったんだけどそういうブランドが、
ごろごろ出てきてびっくりした。
そんなに手広く商売をしているのか。
なんていうと怒られそうだから止めておこう。
へい、らっしゃい
では『今日の二枚。』
2年前のジンバブエのお札。
100トリリオンは
えーと、100兆ドル
とんでもないインフレのおかげで、こんなお札が出来た。
公定レートで2万5千円くらいだったらしいのだが
闇レートでは、鼻紙以下。
(プリントしてもいいけど、いまはデノミが行われてお札が変わってます。
そもそも日本じゃ使えないしな。)
インドの『0ルピー札』
賄賂を要求されたら、こいつをそっと握らせて
そのまま逃げちゃえ、というフェイクのお札。
ばれたらよけい危ないんじゃないか?という気がするが
3億円事件の現金輸送車が、こんな札を
積んでいたらどうなっただろう。
事件なんか起こらずに、
そのまま東芝の工場に着いちゃって
ボーナスとして配られたら面白かったのに。
『ビリオン』は10億です。念のため。
『モンタージュ写真』なんていう言葉を知ったのも、
この事件からだったな。
ただし、このヘルメットの少年は、
真犯人でもなんでもないんだそうです。
へー。
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