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2015年3月21日 (土)

予測された死

桂米朝さん死去。

(読売新聞の特集記事へのリンク)

説明不要の名人・偉人で、上方落語復興の祖。

人間国宝、文化勲章などの受章者。


弟子の育成にも熱心で、且つ弟子に恵まれ、

『米朝一門』には綺羅星のごとく名人、人気者がいて

高座やテレビなどで活躍している。









『したがって、未明のニュースにも関わらず。 

少なくとも、関西の新聞、テレビなどのメディアは 

トップ記事で扱った訳だ。』


『間髪いれずに、こんな特集記事まで組むとは…』


『でも、こういう言い方はよくないが、  

この人の『死』は、予測されていた。』


『まあ、あんたも私も、いずれ死ぬんですけどね。』


『でも、我々は「無名の人」だ。 

これだけの有名人で「死期が読める人」であれば、 

あらゆるマスコミが「故人を偲ぶ」みたいな 

予定稿を組んでいる。』


『ここ数年は闘病生活も続いていたし、年齢も89だし。

慢性の肺炎で死去といっても、大往生です。』


『先は長くないって言うことが予測できたわけだ。』


『「…弟子や親族15人に見守られて眠るように息を引き取った」って

伊丹十三の映画、「大病人」ですよね。』


『略歴の紹介はもとより、印象的な

一言を添えたエピソードの披露なんて、

準備していないとできるもんじゃない。』







『じゃあ、子役で、まだ「ばぶう」とか言っている赤ん坊は?』


『「20○○年、売人の父と母の間に畸形児として生まれる。

 紙おむつのCMオーディションを経て、テレビに登場。

 紙おむつを咥える仕草のかわいらしさで、大人気を博する。

 クリントイーストウッドプロデュースの映画への出演決定。 

 将来を期待されたが、交通事故で死去。享年2。』


『享年が一桁だと締まりませんね。』


『年譜が五行で済むような子役でも、

「有名子役□□が嫉妬のあまり殺害を企て、楽屋のミルクに

 鼻くそを混ぜる」(→□□ミルク鼻くそ混入事件)というぐあいに

 適当にエピソードが組み込まれて、追悼文が書かれる。』

 (リンクなんか貼ってないよ。)


『そんなもんかなあ…』







『じゃあ、めぼしい有名人で最近寿命が怪しいかなという人には

こういう「予定稿」があるわけですね。』


『世界的な政治家や、芸術家、役者、作家、犯罪者…』


『犯罪者?』


『3月20は、地下鉄サリン事件の日で、2015年は

20周年記念日でもある。』


『忌日が記念日、というのは気が滅入りますね。』


『高橋シズヱさんは、

さぞや残念なことだろう。』


『…怒られるから、やめて…』


『……』


『それは、「今年の新聞の一面にインタビューが載らなかったから」、

じゃなくて「年月を越えても埋まらない悲しみ」に耐えて、

のことですよね。』


『でもあの人がニュースに出るたび、時間経ったなあって 

思うわけよ。』


『被害路線がメトロじゃなくて、『営団地下鉄』ですしねえ。』










『しかし、最近もイスラム国がらみで、テロが日本と無縁じゃない

ことを、世界も日本人も、思い知らされた。

そして『貧者の最終兵器』である、毒ガスの価値も衰えていない』


『オウム自体も名称を変えて生き残ってるから

再犯があり得ないとも限らないし。』


『まあ、これだけ公安にマークされていたら、 

毒ガスを作るのは無理だろうが。』


『ヤギの首を切り離す様子を撮影して、

世界中に配信しようとした中学生もいるし。』


『再犯も、類似犯も、模倣犯もまだ絶えない、ということだ。』


『死刑判決を食らったオウムの幹部は、

まだ誰も死んでないですよ?』


『死刑判決が覆ることはないんだから、

奴らも、「予定された死者。」さ。』


『でも、執行を引きのばそうとしているらしいです…』


『町中からごみ箱がなくなるわけだ。…』








『じゃあ、マスコミも浅原彰晃の死に向けて、

「業績」だけじゃなく幼少時からの生い立ちやエピソード、

再評価などの資料を集めている、と。』


『あの、佐村河内氏が語る、

「ソンシマーチとビートルズ」。』


『浅原の音楽には

初期のビートルズの影響が色濃く見られます。とか』


『それは、「イエローサブマリン音頭」のように、

ビートルズが日本の影響を受けたのとよく似ている、と。』


『レット・イット・ビーのコード進行は、

ソンシマーチと類似しているんですね。』


『ここまで堂々と嘘をつくと

信じる人もいるんじゃないかなあ。』


『……』
























では、『今日の大病人。』
















総絹の羽二重に包まれ、スタッフや医師、共演者、

妻や愛人にも看取られて死ぬ。

                      

 

伊丹十三らしい諧謔を込めた、『死の瞬間』だが

実際の彼の死の様子を知ってから見ると、

ここに描かれた「彼の理想の死のかたち」との落差に呆然とする。


享年64。








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