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2015年3月10日 (火)

合格発表・ラプソディ

阪大が、入試合格の構内での掲示発表を

10年ぶりに復活させ 

インターネットによる発表と同時に行った。

というニュース。

(MBSニュースへのリンク)








『掲示発表、というと。』

『合格者の番号を書いた紙をあらかじめ

掲示板に張っておいて 布で隠しておく。』

『時間がくると、布をするりと外す?』



『いやしかしそれより、なんで

「10年ぶりの復活」なの?』

『胴上げなんかが危険だから、らしいです。

それに朝の9時に何千人来るかわからない

合格発表なんかめんどくせえ、って。』

『後の理由のほうが本音っぽいが…』

『実際、阪大よりもでかくて

合格者で1万人超える学校なんて

いくらでもありますわね。』

『そういう大学じゃ、こういう掲示発表復活の

動きはいまんとこ、まだないって。』



『しかし、それじゃあ味気ねえなあ、って

ちょっと塩っ気の効いた連中が去年までは

大学のHPのデータをプリントアウトして

勝手に掲示してたらしいです。』

『それで?』

『大学に無断で胴上げやったりして…』

『そんなことやってるから、

なんでもネットになっちまうんだ。』

『まあ、ね…』




『それにその方法だと、

HPでの発表と 外での発表とで

タイムラグがあるわけだろう。』

『プリントアウトして、

拡大しないといけませんからね。』

『拡大たってあんた、生協のおんぼろコピーなんか 

学生がテスト前にノートをコピーしまくるから

普段から疲れ果ててインクはかすれるわ、

へんな筋は出るわ…』

『あんたが学生の頃よりは、いいコピー機を

使ってると思いますけど。』

 

 


『ああいう掲示にミスがあったら

どうするんでしょう。』

『学生が自主的にやってるんなら、

責任はとれないしなあ…』

『入学書類取りに学生課に行ったら、

あんたの番号ありませんって、

泣いちゃいますよね。』




『むかしは大学がやってる「公式発表」でも

ミスがあったよ。』

『マジッすか?』

『ネットもプリンターもない時代、 

こういう、合格発表なんて、晴れの書類は 

墨痕鮮やかに墨書するもんだったのよ。』

『ははあ…じゃあ。ミスしたら?』

『上から切り紙を貼って、正しい番号を書く』

『え?全部書きなおさないんですか?』

『あほう、筆とで書く、といっておろうが。

「全11学部の全合格者」なんて書き直せねえぞ』

『うわあ、下の番号が見てえ。』



『だけど、そんなタイムラグのある発表だったら、

みんなネットを見てから来るから、

合格者しか来ないよなあ。』

『でも、今回の阪大の発表は、

大学の公式発表だから同時でしょう』

『自信がある奴しか来ないんじゃないか?

これだけ報道のカメラがいたら、

少なくとも阪大が第一志望の奴はふざけらんねえぞ。』

『あの手すりにもたれて泣いていた合格者に声をかけた

毎日放送。度胸ありますよね。』



『しかし、あの群衆の何割かは、不合格者がいる。

そして、阪大が第一志望だったら

「不合格と合格を敢えて間違える」なんて悪ふざけ出来ねえぞ。』

『か、帰りにくいなあ。』

『でも動画の中で指差して自分の番号指してる女の子、医学部だ。』

『やるな、毎日放送。』

『なにが?』

『だって、彼女の顔と、指差す手と「医学部」っていう名前と、

同時に写すアングルは、ここしかないぞ。』

『彼女のほうも、慣れてきてる感じですね。』



『あ、でも、むかしそんなやついたわ。』

『不合格なのに、合格発表を見に来る?』

『そんな奴はたくさんおる。もっと豪快だ。』

『豪快?』

『で、まあ俺の4つか5つ下の時代がバブル時代なわけですよっ。』

『歳がばれますな。』

『その時代に、合格発表前に第一志望の大学の

めぼしい下宿に手付を打つ奴がいたよ?』

『え゛?』




『なにしろバブル時代だからな、家賃なんかも

トキワ荘クラスで3万円、

3点ユニットにママレンジみたいな台所がついて10万

新築なら15万。広ければそれ以上。』

『そんなのありましたなあ。』

『しかし、大屋も、仲介の不動産屋も、強気なこと。

こいつを逃がしても、必ず借り手がつくから

「家賃1カ月入れてくれたら発表まで待ちましょう」って。』

『そんなのありましたか?』

『あったあった。それで2,3件契約して第一志望に落ちて

通学に2時間かかる第4志望あたりに入って、

結局留年して、中退する。』

『うわあ…』





『しかし合格者へのお祝いが、

胴上げだけってのもステレオタイプな気はするな…』

『こういうのエスカレートしていったらおもしろいですよね。』

『またネットだけの時代に戻るぞ。』

でもアメフト部の胴上げだけじゃつまらないですよ。』

『他には?』

『音楽でしょう。』

『合格者には?』

『そりゃあ、グリークラブがベートーベンの「第九・歓喜の歌」。』

『うるさくない?』

『タキシードのアンサンブルが待機していて、

不合格者には「葬送行進曲」。』

『うるせえなぁ…』

『それじゃあ不合格者には、「オフコース・さよなら」。』

喧嘩になるって。』





『大体あんたは、そんな偉そうに言って自分の合格発表

見に行ったんですか?』

『いかねえよ。』

『ははあ、不合格が怖いから。』

『そうさ。大阪だぞ? 

受かったら、それこそ部屋探しから、家具の手配まで忙しいが 

落ちたら、夕方まで大坂城で時間をつぶして、 

その晩、「大垣快速」で帰るなんて、泣いちゃう。』














では、『今日の「さよなら」。』









『全国の前期課程不合格者の皆さんにお送りします。

オフコース さよなら。』





『うわ、そういうつもりで聴くと、きついわ。この歌。』




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