注釈の多い日本記録
陸上の桐生祥秀選手が、アメリカの競技会で
追い風参考記録ながら
電気計時としては日本で初めて10秒を切る
9秒87の記録を出した、というニュース。
(読売新聞の記事へのリンク)
『追い風参考とか電気計時とか、注釈が多いのう』
『風速2.0m/秒を上回る追い風の元では
「参考記録」ということで
公式記録にはならない。
今回の記録は3.3m/sの追い風だった、と。』
『風速1mちょっとくらいまけたれや。』
『まあ、日本中がそう思ってるでしょうけどね』
『3.3mの追い風、って現場ではわからんのんかね』
『風速を測りながら緑の旗を揚げている人とか
いるんでしょうけど。』
『それなら、こんな無効な記録を取ることは
ないじゃないか。』
『スタートの時にはセーフでも、ゴールに着く
10秒間の間に風が強くなったらだめらしいです』
『じゃあ、無風状態まで待てばいいだろう。』
『追い風制限ぎりぎりまで待ちたいんでしょう』
『そうなの?』
『だって、今回の桐生選手のランニングが
追い風かどうかの境目2m/sの風の下で行われてたら
9.96のタイムになるそうです。』
『0.1秒近くちがう、となるとでかいな。』
『風の影響ってでかいらしいですね。
今回の桐生選手の記録が
「電気計時では」っていう注釈がついているのは
手動計時では9秒8の記録があるからです。
(手動計時は0.1秒単位)』
『9秒8があるなら、手動計時だろうとなんだろうと
それが日本記録だろう。』
『ところがこれも追い風参考記録で、
風速は9.3m/s』
『まてまてまてまてまてまてっ。』
『なんです?』
『風速10/mだったら、100m10秒だろう。
この記録は確信犯だよな。』
『…でも、風速10m/sの中で
100m10秒の記録に挑むってことは体感的には
無風状態で競技をするわけだから、
ある意味公平じゃないですか?。』
『…そうか?』
『空気の影響を受けない100m走ってのも
面白いような気がしますが。』
『そんなに空気の影響が大きいなら、
真空下で競技をしたらすげー速いんじゃないか?』
『10秒息を止められる人はたくさんいるでしょうが
急に大気圧がなくなると、肺が破裂して、
体中の液体が出て、血液が沸騰して即死です…』
『しかし、風速9m/s以上の追い風で、
体感的には無風で 、それでいまの日本記録を
0.2秒も上回る記録が出せるなら
それ以上の風を受けたら、風に押されてもっと
速くなる訳だな』
『追い風参考記録ですけどね。』
『ジュディ・ウォンやカメレオンみたいに
脇の下に幕がある服を着て…』
『それ、もうちがうスポーツですけど。』
『追い風最高記録。』
『毎日毎日ろくでもないことを…』
『こないだバヌアツでエロマンガ島を
吹き飛ばすくらいの 風速80m/sのサイクロン
の中で記録を取れば。』
『お願い、不謹慎なことを言うのはやめて…』
では、『今日の一枚。』
手動計時の計測員のみなさんが座る台。
計測員がついたから
24席もある。
(公式試合は8レーン)
まあ、間違いがあるのは当然だよな、
ということで
3人の平均を採った。
また、スタート時のピストルの音を聞いていたら
100mで0.3秒近く遅くなるので
ピストルの銃口から出る閃光と煙を見る。
だから、ピストルを持ったスターターの後ろには
見やすいように黒い円盤を持った人がいる。
しかし、そこまでやっても気温が15度高くなれば
100mあたり0.01秒速くなるし、(Wikipedia 音速)
第1レーンと第9レーンでは、20mくらい離れている
やっぱり0.01秒くらいちがう。
手動計時以前にピストルじゃなくてもいいんじゃないか?
と思うが、そこは『気分を出すため』らしい。
(クリックしてくださいな)
| 固定リンク
「おこられませんように」カテゴリの記事
- 怒られない脅迫状(2015.09.24)
- 注釈の多い日本記録(2015.03.31)
- 予測された死(2015.03.21)
- はやく博士になりたい。(2015.03.18)
- 剽窃の時代(2015.03.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント