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2015年5月16日 (土)

湊山温泉の明日はどっちだ

神戸市にある平野温泉郷というところに 

最後の一軒、残っていた湊山温泉がつぶれる、

というニュース。 

(4/7 神戸新聞の記事へのリンク)


あれま、

とおもっていたら、実はやっぱり続けることに

しました、というニュース。

(5/4 神戸新聞の記事へのリンク)


当初の廃業の予定が5/10だったから、

一週間前の決定 ということで、

慌ただしいが、まずは良かった。




とはいえ、全国的には、

なんなんのこっちゃと思われるニュースだろう。

神戸市民でも、『平野』といわれても

すぐにはわかるまい。


ここだ。

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神戸駅の西側にある有馬街道が、

山に入る直前にある 平野、という街にある。 

こんなとこ地元の人じゃないと知らない。


湊山温泉のすぐ近くに天王温泉というところが

あって、この2軒で平野温泉郷なのだが、

ストリップ小屋、やスマートボール場といった

温泉に欠くべからざる施設がなく

およそ温泉郷らしい雰囲気がない。

土産物屋もない。


そもそも周辺に観光地がない。

神戸、福原に都を置こうとした平清盛ゆかりの地

らしいのだが別に史跡はない。

観光温泉、というのは周りに観光地があって、

その近傍の温泉地であるから、

人が来るのだが。それがない。




それならこの場所はなんだ、というと

近隣向けの温泉として発達してきた経緯がある。

その証拠に、天王温泉には最後まで

駐車場がなかったし、

以前も書いたが、この温泉は近隣の皆さんに

大人気で、

朝に行くと、

『湯の中にじじいが入ってるんじゃなくて

じじいの間に湯が入っている』という盛況。

もっとも、この盛況は11年前のある出来事を

きっかけにかわり、

閉店の現在まで赤字だったのだという。


その出来事とは『水道料金の値上げ。』

いやまあ、値上げというと正確ではなく、

平野温泉郷は天然温泉なのだが掃除、洗濯など

には一般の水道を使う。

銭湯は『公衆衛生』『福祉』の立場から 

そういった水道料金が減免されている。

平野温泉も何故かその特典を受けていたのだが

それがなくなった。


そのため、値上げ前の4倍の水道費が

かかるようになった、という。

近傍の天王温泉はそれに耐えかねて廃業。

いまは建物もなくなってマンションになっている。







一軒残った湊山温泉は頑張るのだが、それでも

当初銭湯並みだった料金は、11年の間に

次第に高くなっていまや入湯料680円。

『ひとっ風呂浴びてビールでも』と思っても

つまみを思えば 2000円覚悟しなくてはならない。

たまった赤字に耐えかねて今月11日に廃業を決意。

しかし、突然ホワイトナイトが現れ、

それは伊豆の地ビール屋さんらしいのだが

めでたく手をさしのべて、14日に再開。


復活後しばらくは、『特別価格500円』らしいが

いずれ680円に戻るのだそうだ。








さて、

この温泉はどこに行きたいんだろう。


最初に書いたように、この平野という街は

観光地でもなんでもなく住宅街だ。


だから観光客目当てではなく、

近隣の住民の憩いの場になった。

朝の9時に『じじいの中に湯が入っている。』

という状況があらわれたのだ。

その一方で遠来の客のため駐車場も備えた。

それは褒められることで、天王温泉が閉館まで

駐車場を持たなかったことに比べると、

はるかに立派なのだが

肝心の入湯料はじわじわと値上げを続け、

結局破れた。


どうも中途半端だ。









新しい湊山温泉も、

どこを目指しているんだろう。

 

ローカルニュースとしてはわりと広く

取り上げられたので ここしばらくは

『ご祝儀』も兼ねた入場客が増えるだろうが 

どこに着地するんだろう。


2年後、3年後に注目ですね。




とはいえ、





まあ、ケチをつけないで再開を祝いましょう。

ここしばらく、また 

『じじいの中に湯が入っている』という

状況が 続くかも知れないので

暖かく見守りたいもんです。






























では、『今日の天王温泉』










Tennnou


天王温泉の脱衣場

natsu画







舟底の格天井にシャンデリア。 

飴色に光る間仕切りの上の欄間。


無駄に豪華な内装。

昭和初めには、銭湯にこんなに贅を尽くした

時代があったのか。

内装だけでなく、外観も千鳥破風の下に玄関を

置く、という立派なもの。

さらに、この建物が素晴らしいのは、

この絵の視点になっている場所、

つまり脱衣場の一部に

6畳ほどの畳敷きのスペースがあったこと。


ここなら番台を通らずに休憩できる。 

夏の暑い日に熱い浴槽でふにゃふにゃになって

そのまま裸でここに横になれる。

2.3度も繰り返すと『ざまあ見ろ』っていう気

になる。



こっちも復活させて欲しかったな。










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