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2015年9月17日 (木)

優先座席の日

9月15日は、日本で初めてシルバーシートが

作られた日。 

(Wikipedia 優先席)




1973年(昭和48年)に国鉄中央線快速列車に

作られた。

当初は、シルバー色のモケットを

貼っていたからこの名称で

そのイメージから『高齢者優先』という

イメージがあった。



そこで、

身障者や怪我をしている人も対象であると

強調されるようになり、

2006年には、マタニティマークというものも

制定され

妊婦も対象としてアナウンスされるようになった。

 

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マタニティマーク

 

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うそ、ごめん
 

ほんとはこっち。




2000年からは、『女性専用車』というのも

各鉄道に導入されるようになる。








『シルバーシート』の名称は国鉄が最初だが、

私鉄の中には

別の名称、あるいは座席を指定せずに

『体の不自由な方に席を譲りましょう』という

呼びかけを行っているところは、

それ以前からあった。


さらに古く 明治時代には、満員の市電やバスで学生などが 

椅子に座っていると、 

まったく知らないおっさんが、 

『君、席をあけ給へ。』 

怒鳴ってきたという。



あー、暑苦しい。












で、

長い歴史を持っている割には、

こうした制度はまだ、

日本の市民に、血肉として消化されていない

ような気がする。



『座席のやり取り。』がスムースに

いかないんですね。


私がはじめて、バスでお年寄りに席を譲ったのは、

中学生の時だったと思う。


バス通学をしていたので乗っていると、

帰りがけの車中には 

いろんな年代の人がいる。 

その中で、座席の背もたれにつかまって、

ふらふらしている

おばあさんがいたので、彼女に席を譲った。

それだって大変で、 

お婆さんが乗ってから6つ目ぐらいのバス停を

越えた時だった。 

あんまり恥ずかしいから、『あのっ。』と

声をかけて 

あとはセリフが続かなくて手のひらで座席を指した。


お婆さんは、意外そうな顔をしていた。

そりゃそうだ。

長距離バスじゃなく、市街地をこちょこちょこ

走るバスだ。

乗ってすぐならともかく、

6つもバス停を過ぎていたら、

彼女が下りるバス停は、次だったかもしれない。


それでも、お婆さんは、この、

顔を真っ赤にしている童貞に恥をかかせるまい、

と思ったらしく軽く会釈して席に着いた。

その場にいるのは恥ずかしかったので、

さも用事があるかのように、

すぐにバスを降りてしまったから、

彼女がどこで降りたのかは知らない。



そのあと、知らない街で呆然とした。









譲る側の心の葛藤はそれ以外にも、

『通勤で2時間かかる』ということとなれば、

『席を譲りたくない。』という心理が

当然出てくる、ということである。


それに加えて、『優先されるべき対象者』である

高齢者、女性、妊婦のなかに、

『譲ってもらって当然。』という態度を

あからさまに取る連中が一定数以上いることだ。



これが優先席に対する一般の視線を冷たくしている。



座席で寝ている一般客の脚を、

杖で張り飛ばすくそ爺だとか

女性専用車に乗り込んだ男性に罵声を浴びせる

ブスとかがいる。

(女性専用車は痴漢を未然に防ぐためのもの。

『女性しか乗れない車両』ではありません。)










こんな奴、ほんまにおるんかいな、という気が

するが『優先』といわれると、

『権利』だ、と勘違いする頭の弱い人がいる、

ということだ。






このおばはんは、『馬鹿で強烈な勘違い』

だとしても、

マタニティマークに至っては、妊娠していないのに

それを身につけて、これ見よがしに脂肪しか

入っていない腹を

男性客に突き出す人間の屑がいるのだという



マタニティマークの正規の入手方法は、

市区町村に妊娠届出書なるものを提出する際、

母子手帳と一緒にもらうことができる、

というもの。


出産しても返還義務はなく、処分は母親の良識

に任されるのだが

これが一部の不届き者によって、

妊娠していない友人・知人に譲渡されたり

もっと不届きな者どもによって、

ネットオークションにかけられたりしている。


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(クリックで大きく。っていうか『マタニティマーク オークション』で 

検索したらいくらでも出てきます。)







これは許せないなあ。

こんなことをしていたら、妊婦一般に対する

世間の信用を貶めるけだ、ということを、

このマークを161円で落札する馬鹿は

一切考えないんだろうな。




明治時代からある『弱者優先』の思想は
 

100年以上たった21世紀のいまでも、 

ちっとも成熟していない、ということか。













『ということでだな。』



『久しぶりですね。』


『「優先席」と、一般席が同じ料金の

同じ車両にあるから問題が起きる。』


『特急車だとグリーン車、私鉄でもJRでも

ある程度距離のある区間では

朝夕の通勤時間帯の列車に座席指定券を

売りだしたりしています。』


『しかし、近距離や停車駅の多い通勤車両では

無理だ。』


『まあ、ね…』


『だから、全部座席車にする。』


『はい?』


『山手線を「お座敷列車にしちまえっ』


『まてまてまてまてっ。』


『だから、車両にじゅうたんを敷いて

全員座って乗るようにすれば 

「席を譲れ」だなんだ、というくだらない騒ぎ

は起こらない。』


『靴はどうします?』


『入り口でビニール袋をもらってその中に入れる。 

寺や、お城なんかにはそんなところが

いくらでもあるだろうっ。』


『しかし、坐って乗るんじゃあ密度が

低くなるでしょう。』


『痴漢がしにくくなって、いいじゃないか。』


『あ…』


『しかも座って乗るんなら、天井高さは

2m以下でもかまわん。

2階建てにすれば、今以上にたくさん詰めるぞ?』


『おお…』


『山手線みたいに、しょっちゅう扉が開く電車じゃ

無理かもしれないけど、

40分も停まらない快速列車とかだったら 

ありうるんじゃないかなあ…』


『朝の通勤列車で床に坐ってる高校生とか

いますからね。』


『な?大人もやればいいんだよ。』


『しかし…』


『うん?』


『奴隷船みたいですね…』


『うーん…』
























では、『今日の通勤列車。』












でも、こんなんじゃ無理だよな。

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こんな通勤、いやだ。







インドあたりの通勤列車。

 




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