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2016年9月17日 (土)

余命1年日記 -11-五月蝿い   (2016 09 17)

私の病室には、入院患者がもう二人いる。

3人部屋なんだから当然だが・・・

私が一度退院したときに入れ替わったらしい。

いずれも80を越えていると思しき

ご老人である。

 

 

この二人が五月蝿いのである。

具体的には、まず

私から見て左側に寝ているじいさんだが、

この人は独り言を言う。

以前もナースコールからのコールバックが

聞こえてくる天井のスピーカーを、

ナースステーションから自分への

専用のマイクだと思い込んで、

一日中語りかけている幸せなじいさんがいた。

今回の人も、虚空に向けて何か話しかける。

 

不機嫌そうに、

なにか文句をいっているように見えるが、

時に甘えたような口調で幼児のように話す。

「○○でちゅねー」という具合だ。

相当に気持ち悪い。

 

何が可笑しいのか、

ひそひそと笑っている時もある。

相当に気持ち悪くて、怖い。

 

何を話しているかは、皆目わからない。

絶望的に滑舌が悪いからだ。

そして、頑張って内容を把握しようとしても、

ろくでもないことだろうというのも確かだし。

 

そして、私から見て右側のじいさんは、

左じじいの独り言が始まると、

「うるさいわっ」と、怒鳴りあげる。

 

前回の入院のときにも、こういう親父がいた。

あんただって結構五月蝿いよ?

 

 

 

 

 

さらに、この二人が許せないのは、

猛烈ないびきをかくのだ。

 

息を吸うときの、

んががかががという喉を震わす巨大な吸引音。

吐くときの、ぶしゅるるるるるという排気音。

 

「呼吸」というものをどす汚い茶色い形の、

立体塑像に象ったものを、耳と喉の回りに

まとわり憑くように捨てていかれる汚らしさ。

しかも夜中に無遠慮に、いつのまにか

枕元にそれを置きに来る不愉快さ。

 

おまけに二人でいびきをかく。

 

さらに、おたがいの「演奏」が

邪魔にならないらしく、

時として一拍置いた隙間にカウンターをあて、

時としてユニゾンで音を重ねてきやがって、

うるさいわっ。

 

しかも、一人が静かになっても、もうひとりの

パフォーマンスは、佳境を迎えていたりする。

 

興が乗ると、このライブは朝まで続くんだ。

昨日は、朝飯が来ても演っていた。

年寄りの朝が早いなんて、誰が言った。

 

 

寝かせてくれよ・・・

 

 

 

昼寝まで、たっぷりするんだぜ?

 

もうやだ。

 

 

 

 

 

まだある。

 

 

 

 

右のじいさんのベッドの脇には、

踏んだ時にわかるように、感圧センサーの

入ったマットが敷いてある。

 

この人勝手にベッドから降りようとするのだ。

実はさっきもこけた。

でかい音がしたから驚いて覗くと、車イスの

前で仰向けになっていた。

たまたま近くにいた別の家族の人が抱えあげ、

私も手伝って車椅子に乗せた。

 

車椅子のブレーキをかけずに座ろうとしたら

車輪が動いてこけるのは当たり前だ。

 

だからナースたちも

この人のことを気にかける。

献身的に面倒を見ることに関しては

嫁にもらいたくなるくらいだが、

ナース達の声が大きいのには

正直、参ってしまう。

 

彼女たちは一生懸命なだけで、声がでかいのは

地声なのだろうが、この間、5分も10分も

何をやっているんだろう、と

カーテンをめくったら、逆にこちらが

にらまれてしまった。

 

目付き悪いからな。

 

くすん。

 

 

 

 

病気なんだから、苦しんで出す呻き声を

責める気はない。

くしゃみだの咳だの、生理現象を責める気は

さらにない。

イビキは、うーん、せめて自覚してほしいが

責める、とは違う気はする。

 

その一方、

せめて独り言などは自制してほしい。

足が利かないのに、無茶をするのも 

やめてほしい。

 

同じ部屋で暮らしている以上、私だって

たくさん迷惑をかけていると思う。

 

互いに選んで同じ部屋で暮らしているわけでは

ないのだから、遠慮と配慮は欠かせない。

 

私が一番苦手なところだが・・・

 

 

しかし、三日間、一週間ではなく、

何ヵ月単位で入院するとなると、

私がやっているのは

入院という「非常」ではなく、

生活という「日常」なのだな、と思う。

 

 

慣れないなー。

馴れたくもないし。

 

 

 

 

 

残り314日。

今夜はうるさくありませんように。

 

 

 

 

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