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2016年11月17日 (木)

余命1年日記- 34- 久しぶりを歩く2 石橋          (11月第3週 2016 11.16)

阪急の石橋に行った。

この街で学生時代の6年半を過ごした。

 

 

 

 

 

十三で乗り換えて宝塚線に乗る。

そもそも宝塚線が久しぶりだ。

三国、豊中など駅舎が高架化されたところもあれば

曽根、岡町、庄内のように

30年前から変わんねーなー、というところもある。

車窓からそうした景色を見て、学生時代をちょっと思い出す。

 

 

 

 

そうして、変わらないことにかけては本気の石橋駅に着く。

西口の改札に降りるスロープも変わらんな。

しかし、昔は邪魔だった こういったスロープが、いまはありがたい。

 

 

改札を降りて、昔と変わらない黄土色の光を透かす

テント地のアーケードを超えて、

むかし下宿があった方に向かう通りに出る。

 

まず、とあるうどん屋に行く。

なんだ、それ?

学生の頃よく行った店なのだが、おととしくらいにたまたま入った時

新築の建前で酒が入っていて、居眠りしてたたき出されたのだ。

きょうは、リベンジ。

暖簾がかかっていないので勇を鼓して扉を開けたら

おととし俺をたたき出した兄さんが招じ入れてくれた。

そばを切っている兄さん、いやもう爺さんだな、に

ざるうどんを頼んだ。そばのほうがよかったか?

うまかった。

でも、ざるで700円は高いぜ?

 

 

次は銭湯に行こうと思った。

だからなんだ?

その、とりとめのない『思い出探訪』は、と思うだろう。

 

石橋は学生街であるので、しかも昭和の学生は

部屋にユニットバスなんか持っていなかったので

風呂に入る、というと銭湯に行った。

 

石橋にはごく至近の距離に2軒の銭湯があり、一軒が『平和温泉』

学生は『ピンフ湯』と言っていた。ここは今もある。

もう一軒が、石橋温泉で、

私が3回生くらいの頃に平屋の銭湯を建て替えて、

1階が駐車場、2階がロビーと脱衣場と洗い場、中2階が浴槽、

3階がスチームサウナとドライサウナと露天風呂と水風呂。

 

あわただしい建物だな。

 

図面を使わないで説明できる自信がないが、要するに

狭い敷地にいろんなもんを詰め込もうとして無理をしていた。

と、思ってもらっていい。

 

それでもここは、ピンフ湯よりたくさん通ったな。

クーラーのない部屋で、西日に照らしあげられた私がとった、

最高の避暑方法が、

『風呂に行って、熱い湯で体を洗って流して、

サウナで汗を絞り上げて、水風呂で全身の皮膚をキュッと締める』

これを5回も繰り返して体中の脂を抜くと、

出てきたら『ざまあみろ』っていうくらい気持ちよかった。

 

 

でも、なくなっていた。

 

 

いまは、マンションだ。

言われてみれば、『まあ、そうだよな。』という結論である。

面白くもない。

いまの学生は、みんな部屋に風呂があるのか?

あるんだろうな…いいな…

 

それ以外にも、学生相手にサービスしてくれて、

『チャーハン』って、注文すると、

仏様のお供えのようにてんこ盛りにしてくれた食堂や、

昼の閑散時間帯に行くと、店のおばさんが

『あたし、手かざしでパワーが送れるの。』と言い出して

とんかつ定食を食っている私の目の前に小皿を二つ並べ、

どちらにも食塩を小さく盛って、片方だけに手をかざして

両目をつぶって念を送るおばさんがいた食堂もなくなっていた。

 

『学生街の喫茶店』にあこがれて、

何回生かわからないおっさんの横で、

小さくなってアイスコーヒーを飲んだ喫茶店はあった。

もっと怪しくなっていた。

 

 

 

下宿していた家もあった。

箕面川に面した暖かそうな家で

そうか、ここに6年半もいたのか。

 

下宿そのものは訪ねなかった。

かつての大家さんがいるのか、年齢を考えると微妙だし

訪ねたところで話題もない。

死にそうだから来ました。という挨拶もしたくない。

 

雰囲気が味わえただけで良しとしよう。

 

 

 

 

 

 

さて、大学に行くかい?

 

 

いや、ここまで来たなら行けよ、と思うだろう。

でも、丘の上なんだよ、うちの学校は。

 

石橋駅から、だらだらだらだらと坂を登って、

学生時代なら15分くらいで歩いたけど、今なら30分はかかるなー。

昔だって、丘を上ってさらに一番奥にあるグラウンドで行われる

体育の授業は、3回休むと有無を言わさず不可だったので

二日酔いの日なんか泣きながら登った。

そういう体育の授業に限って、朝一なんだ。

 

教養部の授業は、やっぱり丘の上をさらに登った

イ号館とその横のロ号館で行われていて、

何で語学とかやっぱり朝一に持ってくるかなー。

まあ、しかし語学と体育を残していると

永遠に学部に上がれないので、頑張って通ったよ。

だから、豊中キャンパスにはいい思い出がないんだ。

 

そうはいっても、ここまで来て登らないと、

出直して登り直す、という可能性が低いだけに、うん。登ろう。

 

 

 

 

綺麗だった。

 

 

 

 

ちょうど紅葉がきれいで、桜が黄色く赤くオレンジで

銀杏の黄色、椎の木の黄色、オレンジ。

あと、なんかわかんない樹。

一斉に色づいて綺麗だ。

 

あんなに嫌だった、大学への上り坂は舗装がやり替えられていて

印象が変わった。幅は変わんないか。

 

坂道の右側の谷津に、

昔ここら辺が田んぼだったころのため池がある。

だから日当たりが良く、眺望が開けていて気持ちいい。

 

 

 

しかし、いま記憶を確かめるためにストリートビューを見ながら

この文章を書いているんだが、ストリートビューの映像だと

明るさや鮮やかさがないな。

ちょうど桜の花が終わる時分で、新緑でもなく、天気も悪い。

 

紅葉の晴れた日に行ったのは、運がよかった。

 

キャンパスの中は、印象が変わったな。

こんなに広々してたっけ。

違法駐車と違法バイクとがなくなったからでもあるんだろうな。

入学したときは、学生どもが生意気に乗ってきた車で

いっぱいだった。

時、あたかもバブルの入り口で貧乏学生も車を運転してたんだよ。

もっとも、フロアパネルに穴が開いて、運転していると

足元に道路が見える車とか、

キーを抜いてもエンジンが止まらない車とか、

そんな車ばっかりだったけど。

 

 

 

いくつかの建物に見覚えがない。図書館は建て替えたのか?

半地下のレベルに食堂がある不思議な断面は記憶通りなので

リノベーションしたのだろう。

他の学部は見てもわからん。私が学生だった頃からある建物が

結構生き残っている。

 

しかし教養部の建物は建て替わってるな。

利尿剤が効いているのでトイレを借りようと、

むかし、ロ号館と言っていた建物の位置にある、

たぶん別の建物に入ると、ここはいったい何だ?

 

外で、なんだか発声練習をしている学生を見ると、

中学生みたいにしか見えない。

 

気が大きくなってブースを借りてしゃがんでいると

夕方で日が暮れてきて、広々としたトイレに人気がない。

こんなところ人に見つかったら通報されるな。

いや、OBだからいいのか?

それにしても教養部は場所が変わったんだろうか。

 

丘の上のキャンパスのさらに一番高いところにある建物が

外壁はきれいに塗装されているが

これだけは間違いなく昔のイ号館だと確信できた。

しかし、さらに階段を上がるのはしんどいなと思ったら

エレベーターがあったので上がってみた。

 

中にいた、学生じゃないよな、という年齢の人に

『ここは、昔のイ号館ですか?』と訊いたら、

『いえ、ここは学生会館です。』と言われた。

 

 

 

 

卒業して30年、という年月はつまり、そういうことなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残り259

 

 

工学部があるのは石橋じゃなくて吹田。

全然別の駅。

でもここは、また駅からたくさん歩くしな。

たぶん行かないだろう。

でも、本業の病気で医学部の病院に行くかもしれない。

本業?

 

 

 

こんどはどこに行こう。

 

 

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