« 余命1年日記 -81- 悪循環         2017年7月第3週(2017.7.14) | トップページ | 余命1年日記 -83- いつのまにか最終段階     2017年7月第4週(2017.7.20) »

2017年7月20日 (木)

余命1年日記 -82- PSE つぎのステップ    2017年7月第4週(2017.7.18)

最近また、腹水が出たりしてしんどかった。

6月7月とあわせて半月しかシャバにいない。

 

それに対して、いまやっているのが、投薬と

食事療法を組み合わせた内科的治療。

あと、時々穿刺である。 

 

これだけでは不十分ではないのか?という話。

 

 

 

腹水がでるメカニズムは、こんなことらしい。

肝硬変になると、アルブミンなどの

蛋白質を合成する機能が損なわれる。

 

血液中のアルブミンが少なくなると、

血管の中の血漿と外の体液との間での、

浸透圧の差が小さくなる。

そのため、血管の中の液体が外に出て行きやすくなり

亢進した門脈圧によって門脈から体液が

だだ漏れになっていく、というもの。

 

 

 

腹水がひどくなると腹が膨れ(水腫)

脚や手にむくみ(浮腫)ができる。

呼吸ができなくなる。歩くのが辛い。

身体中が痛くなる。動けなくなる。

 

足元が見えない。ものが拾えない。

急に振り返れない。階段がこわい。

外出ができない。

 

仰向けに寝てしまうと、起きられない。

体が屈めないから、へそが見えない。

ひとりで着替えができない。

身の回りのこともできない。

 

QOLもなにもあったもんじゃない。

(穿刺とは? なつやすみ)

 

 

そこで腹水を減らす必要が出てくる。

 

 

このうち利尿剤や穿刺は、

溜まった水を排出しようというもの。

いま採っている方法である。 

ただし、去年の夏のように腹水の発生が非常に

多い場合穿刺も利尿剤も間に合わず、利尿剤を

使いすぎると今度は腎臓が悪くなってしまう。

そもそも、穿刺では腹水は除去できるが、

腹水の発生量そのものは変わらないのだ。

 

これでは穿刺生活から脱出できんなあ、ということで

F先生とS先生が勧めてくれたのTIPS という方法。

門脈から肝臓を越えた大静脈にいたる短絡路を

建設することで、亢進した門脈圧を下げて

腹水の発生を抑制する。

(第二の見解  TIPS  なつやすみ)

 

これは結構熱心に薦められたのだが、

30-40%というかなり高い確率で肝性脳症という

おそろしい副作用を生じる危険があるという。

この副作用については私も少し味わったことがある。

(まず6月10日のこと なつやすみ)

 

今のところ腹水も深刻な状態ではないし、

そんなめんどくさい副作用があるなら

受けなくてもいいか、ということにしていた。

自由診療でお金もかかるし。

 

 

 

ところが以前、兵庫県立医大にTIPS の話を

聞きにいったH先生が今年6月からK病院に

移籍してくるのだという。さらにもうひとり

放射線科のK先生というひとが異動してくる。

K病院でTIPS などCTを見ながらカテーテルを

操作して手術するということがてわきるようになった。

そんなおっかないことようしよんなあ。

 

で、

 

前回の入院中、6月22日にH先生とK先生に

話を聞くことになった。 

最初にやはりTIPS のことを言われたが、

脳症などの副作用のために躊躇っている、と

言うとすぐに話を変えた。

 

『それならPSEという方法があります』

 

なに?

なんですぐつぎにまったく別のプランが

出てくるのか?

 

いやまあ、事前に検討してくれたのだとは

思うが、こうも淀みなく次善の案が出てくると

なんだかH先生が手練れのセールスマンである

かのように感じる。

『名医の条件』の中には、トークのテクニックがある、

と間違いなく思う。

 

 

 

『PSE =部分的脾動脈塞栓術』とは、脾臓が

肥大して機能が亢進して血小板や白血球を壊し始めたり

腫瘍が取りついたり、わたしのように脾動脈が

繋がった門脈圧が亢進して、腹水が止まらなくなった

やつの脾臓にカテーテルを差しこんで、

脾動脈に金属のコイルとゼラチンをぶちこんで

脾臓の2/3くらいを干し殺してしまえというもの。   

 

大命題である『腹水の減少』を実現するために

門脈圧を下げようとするならば、

門脈に流れ込む動脈のうち、比較的太い血管

である脾動脈の血を減らしたらよかろう、と

思うんだけど、そのために脾臓を小さくしよう

としたときに、じゃあ摘出するか?でも、

残せるもんなら残したいなぁ、ということで

摘出しないでカテーテルを突っ込んで、血管に

金属のコイルとゼリーをぶちこんで、脾臓の

2/3を干し殺そう、というわけだ。

 

目薬を差すために、2階を建て増すところから

始めるような面倒くささ。

ようこんなもって回った考え方出来るなあ。

 

 

ふう

 

 

これによって期待される効果は門脈圧の低減。

そして門脈圧を減らすことで、門脈を通らないで 

無茶苦茶な短絡路をつくって、そこが静脈瘤になって

破裂しやがるのを防いだり、門脈から浸みでた

腹水で身体が動かなかったりするのを防げる。

腹水の生成を止めることはできないが、

量を減らすことはできる。

腹水とのつきあいが楽になる。  

 

気になる副作用としては、

・腹部の疼痛(数日で引く) 

・胸水(すぐに引くってば)

・だるさ

などがあるという。

しかし、TIPS のように脳症などは生じない、という。

(「肝性脳症」の検索結果)

 

 

説明が雑だなあ、と思うだろう。

 

だってわかんねーもん。

 

建築屋として幸せな社会生活を過ごしてたら

PSE もTIPS も一生絶対出会わない単語だぞ。

入院中だから、ケータイでちまちまちまちま

検索して調べて書いているんだ。

頼むよ。脳症で脳みそが溶けてるんだ。

 

プロの文章をどうぞ。

(「pse  部分的脾動脈塞栓術」の検索結果)

(血管内手術を受けるかたへ 大船中央病院)

(「門脈圧亢進症」の検索結果)

 

脾臓を潰すんだったら、摘出したらどうだ?

というあなたへ

(部分脾動脈塞栓術か脾摘か)

 

この文章のなかでChild-Pugh スコアというのが

出てくるが、これが前回出てきた

『肝臓の弱り具合を調べる三段階の指標』である。

(「Child - Pugh Class」の検索結果)

 

私は堂々最低のCランク。

『CランクはPSEの適用除外』って思いきり

書いてあるんだけどいいんだろうか。

 

ちなみにこのChild-Pugh  Class-Cというのは

結構重篤な状態らしい。

『Class-Cに適応する治療=臓器移植、緩和ケア』って

移植ができなければ、痛くないようにしてやるから

死んどけっ、てことだろう。

 

 

あらま

 

 

あしたF先生に訊いてみよう。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残り21

  

 

 

暇だから毎日こんな調べものをしてます

 

 

 

 

 

にほんブログ村 その他日記ブログへ   

 

 

 

|

« 余命1年日記 -81- 悪循環         2017年7月第3週(2017.7.14) | トップページ | 余命1年日記 -83- いつのまにか最終段階     2017年7月第4週(2017.7.20) »

余命1年日記」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 余命1年日記 -82- PSE つぎのステップ    2017年7月第4週(2017.7.18):

« 余命1年日記 -81- 悪循環         2017年7月第3週(2017.7.14) | トップページ | 余命1年日記 -83- いつのまにか最終段階     2017年7月第4週(2017.7.20) »