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2017年7月20日 (木)

余命1年日記 -83- いつのまにか最終段階     2017年7月第4週(2017.7.20)

前回の日記に書いた Child - Pugh スコア。

3段階で評価し、わたしはその最低のCランクである、

と書いた。

正直、病気を評価するたくさんの指標のひとつで

『悪いから注意しとけよ』くらいの

軽い意味合いだと思っていた。

ところが実はこの指標の示す意味というのは、

おそろしいものなのであった。

(「Child - Pugh 値」の検索結果)

 

 

 

Child - Pugh スコア(チャイルドピュー スコア)

というのは、『血液検査等の値に応じた点数による

国際的な肝臓機能障害の重症度分類』であり、

軽い順にA・B・Cの3段階であらわす。

それぞれ意味するところは以下の通りである。

 

 

<肝臓機能の評価>

肝機能の評価の指標には肝障害度またはChild-Pugh分類が用いられます。
肝障害度及びChild-Pugh分類ともA、B、Cの3段階に分けられます。
Aが最も肝機能が良好であり、Cが最も不良であることを示します。

肝障害度及びChild-Pugh分類における肝機能はおおよそ次のような状態を表します。

肝障害度A
Child-Pugh A

ほぼ通常の肝機能を保っており、自覚症状がない

肝障害度B
Child-Pugh B

肝機能は低下しており、肝障害の症状を時々自覚する

肝障害度C
Child-Pugh C

肝障害が重く、いつも自覚症状がある

 

 

ABCの評価は以下の表の5つの数値から総合して

判断する。

AからCの順序で、肝障害の程度が強いことを表す。

肝障害度分類では、下表のそれぞれの項目別に

重症度を求め、そのうち2項目以上が

当てはまる肝障害度に分類される。

例えば、肝障害度Bの項目が3項目該当して

いても、Cが2項目あれば肝障害度Cになる。

評価項目と配点は以下の通り。

 

 

ポイント(Child-Pugh分類) 1点 2点 3点
項目 脳症 ない 軽度 ときどき昏睡
腹水 ない 少量 中等量
血清ビリルビン値(mg/dL) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/dL) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
プロトロンビン活性値(%) 70超 40~70 40未満

 

 

この表の評価項目を素人が理解する必要はないと思う。

少なくとも私は理解しようと思わない。

時間がないんだ。

この表に基づいて私自身の評点をF先生につけて貰った。

それがこれ。(赤丸の数値、程度)

(「Child - Pugh スコア  診療カリキュレータ」)

 

肝性脳症
  • ない
  • 軽度
    (1~2度)
  • 重度  
    (3~4度)
腹水
  • なし
  • 軽度
    (コントロール可能)
  • 中等量以上   
    (コントロール困難)
血清ビリルビン濃度(mg/dL)
  • <2.0
  • 2.0~3.0
  • >3.0○   
血清アルブミン濃度(g/dL)
  • >3.5
  • 2.8~3.5
  • <2.8 ○  
プロトロンビン時間延長(秒)又は PT-INR
  • <4
  • 4~6
  • >6  
  • <1.7
  • 1.8~2.3
  • >2.3  

 

 

これで計算すると、 

わたしのChild -pughスコアは10点。

堂々最低のCランクである。

 

 

で、

 

 

このCランクになったらどうなるかというと、

こんなことになるらしい。 

 

 

(肝臓機能障害 検討会報告書  厚生労働省)

『Child-Pugh分類C患者の3年目の累積生存率は

30.7%と低く、本基準の対象者の約7割が

3年以内に死亡していた。

・Child-Pugh分類Bの患者の51.3%は、

3年後に死亡またはChild-Pugh分類Cに

移行するなどして、悪化していた。』

 

『(分類Bの患者の3年後病態)

B→死亡:30.8%、B→C:20.5%、

B→B:35.9%、B→A:12.8%』

 

 

 (研修医マニュアル)

スコアが8~9点の場合には1年以内に死亡する

例が多く、

10点以上になるとその予後は約6ヶ月となります。

 

 

(肝臓機能障害  検討会報告書  厚生労働省)

『肝臓機能障害者の身体障害者手帳の交付から

死亡までの平均期間は、

肝臓移植を受けていない者は約 300~500 日。

また、平成 22年度から平成26年度までで、

肝臓移植を受けていない者の死亡割合は、

認定等級に関わらず、約 60%であった。』

 

『Child-Pugh 分類Bの患者は同分類Cの患者と

同様に、その病態が基本的に不可逆的であり、

Child-Pugh 分類Aにまで改善する例は

少ないことから、長期の療養を要すると考えられる。』

 

 

(ガン情報サイト オンコロ)

『手術適応はBまでで、Cと評価されると

肝移植もしくは緩和ケアの治療対象となる』

 

 

 

なんて救いのない文章だろう。

 

 

 

特に厚労省の検討会の記録は、一般に公開する

想定をしていないらしいので、

表現に容赦がない。

 

 

ふう

 

 

これらの文章を総合すると、

Child-Pugh分類C患者の(指定後)3年目の

累積生存率はたった30.7%と低い。

しかも3年間ぬくぬくと生きられると思ったら

大間違いで、C判定を食らうと予後は6ヶ月。

肝臓移植を受けないと年間60%が死ぬ。 

 

 

実も蓋もねえ。

 

 

そんなら頑張って安静にして食事をしっかり摂って

きちんと薬を服んで、せいぜい健康を取り戻して

CからB、さらにAに成り上がってやるぜっ、と

思っても、

「 Bの患者とCの患者はその病態が不可逆で

分類Aまで改善する例は少ない」だってさ。

つまりCに墜ちたらもう、上に上がれないから

諦めろ、と。

 

 

そんならどうしたらいいのさ、と不貞腐れたら

「Cと評価されると肝移植もしくは緩和ケアの

治療対象となる」だって。

つまり肝臓移植が受けられないと緩和ケアしか

やることがない。

 

痛くないようにだけしてやるから、

おとなしく死んどけ。ということだ。

実際、肝臓が弱りすぎているから積極的な

治療をしたら、逆に死んでしまうのである。 

これが嘘ではない証拠に、前回話に出した 

PSE (部分的脾動脈塞栓術)の実施は放射線科の

H先生から、本日正式にキャンセルされた。

 

どうやら今回の入院直後の私の血液検査の結果を

よく見ていなかったらしい。 

『こんだけ悪いと、ちょっとね。まあ、

いつものパターンだと回復するんでしょ?

回復したらやりましょう。』

 

 

 

いつだよ。

 

 

 

検査結果くらい、ひとに新しい治療を薦める前

によく見といて欲しい。

 

新しい療法を薦められたら、「まだ先がある」

って勘違いするでしょう。

 

 

 

はあ

 

 

 

「1年」はなんとか越えられそうだけど・・・

 

 

 

 

 

 

 

残り19

  

 

 

気持ちの整理がつきません。

 

 

 

 

 

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コメント

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投稿: Glennzet | 2017年7月21日 (金) 03時57分

紹介


桜鍾青年隊

全生庵

言霊百神

投稿: 辻 | 2017年7月27日 (木) 03時13分

私は余命 1ヶ月宣告されていました。
いろいろ治療はやりましたが、結局移植しか方法が無く、中国で移植しました。
今は、元気に働いてその借金を返しています。
給料の大半は返済で、20年くらい返すのにかかるでしょうが生きていると楽しいこともあり、良かったと思います。

投稿: 春夏秋冬 | 2017年7月31日 (月) 12時00分

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