余命1年日記 -106- 膝の水を抜く 2018年 1月第2週( 2018. 1.10)
最近の記録
1月 9日 血液検査
1月10日 整形外科受診
レントゲン撮影 膝の水を抜く
(いまここ)
膝に水が溜まった。
右膝が痛い。
先週の後半から、立ち上がって歩くために
右足に体重をかけると痛くてベッドに
尻餅をついてしまう。
段々ひどくなってくるので、9日の昼頃に
その日の朝の血液検査の結果を報せに
来てくれたF先生に相談してみた。
先生は『わかりました』と言いつつも
『膝の痛みというと整形外科なので、あした
診察を受けてください』という。
さらに、
『血液検査の結果は良好なので退院していい』
という。『退院して明日改めて外来で
整形外科に来てもいいですよ?』と言われたが
いたい足を引きずって往復するのもしんどいし
高額療養費保証制度のおかげで、
二日くらい入院を伸ばしても、
入院費の一日あたりの増額は
食事代金620円程度でしかない。
行き返りにタクシーを使うことを考えたら
得ですらある。そんな訳でまだ入院している。
『日本の医療財政危機の敵』とは私のことだ。
10日、うつらうつらして寝ていた。
整形外科に呼ばれたのは4時過ぎだった。
研修医と言われても疑いを持たないような
若い先生に触診してもらう。
歳を取ると、タクシーの運転手とか医者などの
『歳上の職業』に就いている人が
どんどん若くなる。
レントゲンを撮ってくると
『膝に水が溜まっている』と言われた。
よく聞く言葉なのでどういうことか、と聞くと
関節の炎症によって間接液が溜まるんだと。
激しい運動をする人がなるようなイメージが
ある、というとそれには答えず『痛風や雑菌が
感染した場合も水が溜まります』と言われた。
まことに人をよく見ている。
膝に太い針を刺されて水を抜く。
太めの注射筒一杯の黄色い液体が取れた。
『感染症だと、また入院してもらわないと
いけないのでこれからこれを検査に出します』
『じゃあ、その結果が出るまで
退院できないんですか?』と訊くと
『いや、結果が出るまで一週間かかるし、
この色なら大丈夫でしょう。
退院していいですよ。』と
わかるようなわかんないようなことを言う。
ふたたび膝に注射して鎮痛剤を打って終了。
術後6時間経ったいまでもまだ痛い。
さて、この膝の水と痛みは
肝臓のせいなのだろうか。
感染症なら関係ないかもしれないが
痛風は関係ありそうだ。
いずれにしても身体が弱ってきてるんだろう。
痛いところが次々に出てくる。
ベッドに戻ってきて、明日の退院に備えて
こまごま買ってきたお菓子の整理をしていると
F先生が来てくれた。
ここでケースワーカーを交えての5日の
打ち合わせできちんと聞けなかったことを聞く
『立ち眩みの対策の方はこれでいいのか?』
ということ。このまま退院してもまた倒れる。
先生は困ったような顔をしながら、
『2.3週間入院すると、退院する時には
体力も肝機能の数字も改善はしますが、
入院する前の水準に戻れなくなっています』
以前も聞いた話だな。
『だから、普通の方法だとこれが精一杯です』
『普通じゃなくてもいいです。』
じつは週末からの5日間、膝が痛くて鎮痛剤を
もらっていたのだがK病院の看護師さんは皆
真面目なので『6時間開けないと駄目です』
『一日4錠までです』となかなかくれない。
『そういうのはもういいんだから』と
説得しても、くれない。と、
苦情を言うとF先生はもっとわからない顔を
しているから、
『だからQOLの改善、向上と言う中には
大きな要素として「痛みの軽減」ということが
あるわけでしょう』
『ええ』
『薬を服み過ぎることで多少不都合が生じても
目前の痛みを治すことを優先してください』
『・・・』
『「何十年後の健康」なんて
どうでもいいんですよ、もう』
これには沈黙していたが、
『論文の2.3本も書くつもりで、用量なんか
無視して強力な薬を下さい』と言うと
『倫理委員会に怒られますよ』と笑った。
こういう冗談に怒らないのがこの人の
いいところだ。
先生はやっとわかったような顔をしてくれたが
『でもいま使っている鎮痛剤は本当に強力
なんですよ』
『は?』
『用量を守らないで使ったら、
弱っているnatsu さんの肝臓は
すごいダメージを受けます・・・』
あ、そうか。
残り- 169日
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