余命1年日記-17-完成しないメニュ- (9月第5週 2016 09 25)
夕べ、窓を叩く雨音が気になったが、
今見たら、中天に月が出ている。
なんか、久しぶりだな。
先週は、お陰さまで体調が安定してきた。
調子の悪いときには、
穿刺して水を抜いて体重が減ったのに、
数日で元に戻る。
そればかりか2日目には増えたりしていた。
しかし最近そういったことがなくなってきた。
腹水が制御できれば退院、というのが
大方針なので、
そろそろ「再退院」を視野にいれなければ
いけないのだが、しかしなんかなあ。
期待感がない。
こころが浮き立たない。
何をわがままなことを、とは
我ながらに、そう思う。
しかし、なあ。
最近、料理する夢を見るんですよ。
私もかつて料理した。
評判だって悪くなかった。と思う。
ところがいま、ちっとも料理をしなくなった。
事情はご想像の通りで、
嫁が出ていってずいぶんになるから、
調味料の類いは全滅したのでなにもない。
しかし鍋釜はあるので、やる気次第で
再開はできる。
やるのか?
ステーキが食べたい。
少しだけでいいから、とても高い肉を
奮発して、丁寧に焼いて、でもレアに焼いて、
シンプルなグレービーソースで食べたい。
あ、でもこの間見たテレビで、
このソースにワインと少しのウスターソースを
入れて、うんと煮詰める。
別に、ピーナッツを砕いてペーストになるまで
挽いたものを、生クリームで伸ばす。
これを塩コショウで味を調えて、
肉のソースに合わせる。
今度はそんなに高くないステーキに掛けて、
ローストしたアーモンドスライスをのせて
完成、ボナペティというのをやっていた。
豆豆してうまそうだな、と思った。
そうか。
豆だけで献立が作れないか?
じつは、今食べている病院食における
豆の含有率が異様に高い。菜っぱと豆もやしの
おひたしとか、ミックスナッツやコーンを
マヨネーズで和えたサラダとか。
タンパク質増量のために、豆腐が二丁
ついていたりする。
なかなかメインティッシュで主役は張れないが
野暮ったいけれども、有能で使いやすい
バイプレイヤーというイメージである。
コーヒーだって、あんこだって豆だから、
デザートも豆でできる。
色だって色々ある。大豆の薄黄色、花豆の白、
金時豆の赤、緑豆や枝豆の緑、黒豆の黒、
コーンの黄色。
ペーストも豆腐も、きな粉もスープだって、
色とりどりだ。
アーモンドスライスも豆ベーストも豆だ、
豆ペーストも焼いたらパンにならないか?
パンは無理でも丸く伸ばして焼いたら
クッキーにはなる。トウモロコシの
粉だけにでやったらトルティーヤだろう。
豆ご飯なんてのもうまい。主食は大丈夫。
「豆絞り」ならぬ「豆縛り」で、
コースメニューが作れないか?
「豆 ○○ レシピ」で検索すると
下痢を起こしそうな勢いでレシピが
出てくるので、すでにやっている人かが
たくさんいるような気がするが、
競争している訳じゃないので。
スープ、サラダ、前菜、メイン、デザートを
食べるつもりで、並べながら考えてみる。
締めのコーヒーやバーボンも考える。
暇はつぶれるよな。
人生のどぶに投げ込む、
時間の捨て方 としては、最高に最低だ。
でも、退院しても料理なんか、
絶対にやらない。
うん。やるもんか。
そういうもんだよな・・・
もう、月曜日。
なにをして遊ぼうか・・・
あと306日。
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