一級建築士製図試験物語

2009年9月 9日 (水)

一級建築士製図試験物語(カド番になるまで)

 

友人の建築士は一級建築士の予備校の先生をやっている。

日曜に電話すると携帯につながらない。

忘れた時間にかかってきて、

『すまんすまん、授業でなあ』などという。

 

 

 

  

ああ、そうか。

そんな季節か。

あのへろへろになりながら受験した頃をちょっと

思い出した。

  

 

 

さて一級建築士になるには

真夏に行われる学科試験に合格し、

さらに10月中旬の製図試験にも通らないといけない。

 

 

  

いま受けても絶対に受からない自信があるし、

実際に長いことかかって取ったわけだが

今回は製図試験についてのよもやま話を

書きたいと思います。

 

 

 

 

  

受験生の皆さんに有益な情報は、

ほぼない、とおもいます。

 

 

よろしければどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

去年の日記で書いたが、私は学科試験で受かった年、

資格予備校に出した当日の合否判定で

『こらあかん』と思われたらしく

どこからもお呼びがかからなかった。

 

  

 

学科合格を知ったのは9月中旬に来た通知のはがきだった。

ありゃあと思ったが、大手予備校のコースは

すでに締め切っているところが多い。

 

  

試験まで1ヶ月、日曜4回のコースで20万というのがあったが

ちょっと考えてしまう。

っかく金を払うのなら8月の課題発表直後から

ちゃんと通いたい。

 

 

マークシートで答案を記入させておきながら、

なぜ合格発表まで1ヶ月以上かかるのか?

手作業で採点してんじゃねえのか?

とおもうのだが、ぐずぐずしているうちに

4回コースの締め切りも過ぎてしまった。

 

 

 

 

 

受験だけで大金がかかる資格試験というのはどうなんだ?

と怒ってみても仕方がない。

  

予備校へ通うのは受験生の勝手だからだ。

しかし、それ以外にも金がかかる。

 

 

  

試験に携行していい品物の中に 

製図版、または平行定規』というのがある。

製図版はただの板。

平行定規は文字通り

水平に渡された定規が上下にスライドするもの。

これに三角定規を当てて製図する。 

 

 

 

もちろん、受験要項に 

それらをもってこいと書いてあるわけではない。

あくまで、『持ってきていいよ』というスタンスだ。

その証拠に答案用紙には

1cmの方眼が薄く印刷されている。

これで描けるでしょうというわけだ。

  

 

むかしは 

三角定規だけで答案を描きあげる剛の者が 

いたのかもしれないが、

許可されているのなら

いいアイテムを装備したいと思うのは

ドラクエ世代なら当然だ。

 

 

 

しかし東急ハンズに行ってみると

125千円也と、結構なお値段がする。

  

買うのに躊躇するのはもちろんケチだからだが、

こんなもん買っても、 

この試験以外に使い途がないせいもあった。

 

 

  

答案用紙のサイズはA2(新聞紙二つ折りの大きさ)。

A3では答案を描くのに小さく、A1では大きすぎるからだろう

 

 

 

  

当時、まだ手書きで図面を書くことも多かったのだが

こんな中途半端なもの使えない。

大体、会社には備品のドラフターがある。

 

  

 

予備校から早々に『当確』を伝えられていた皆さんは

先輩から借りるなどして抜かりなく準備していたが

試験1ヶ月前に、突如合格を告げられた私は

東急ハンズのショウウィンドーの前で

固まるしかなかった。

 

 

  

 

いや、固まってないで買えよ。と今なら思うのだが、

私が買って帰ったのは、

木製の製図版とA2T定規だった。

 

 

 

馬鹿である。

あのときの自分に会えるなら

『試験をなめるな』と怒鳴りつけてやりたい。

 

 

 

 

 

  

結局、その年は予備校に通わず

木製の製図版とT定規を抱えて試験に臨むことになった。

  

試験会場の大講堂で

ごそごそと木の製図版を取り出したのは私だけだった。

 

 

経験値レベル1、『ぬののふく』と『ひのきのぼう』で

ラスボスに挑むようなものである。

 

 

 

 

 

 

なにが『ドラクエ世代』か。

『ゆうじゃ』ですらない。

血迷ったスライム以下だ。

 

 

  

 

 

 

 

当然落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

すべて自業自得だが、

こうして私は来年も失敗すれば

学科から受けなおさなければならない

『カド番建築士』となった。

 

 

 

 

そして

『来年はちゃんとしよう』と

頭の悪い子の通信簿に書かれるような

決意をしたのでありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

『落ちたのを道具のせいにしてんじゃねえぞ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長っ。

 

 

 

  

 

 

 

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2009年9月 8日 (火)

一級建築士製図試験物語 (受験申し込み)

 

 

さて、製図試験に落ちた私は

翌年の7月、受験申し込みのために

建築士会の講堂で並んでいた。

 

 

 

いまはインターネットでも申し込めるが、

昔は所定の受付会場に行くしかなかった。

 

 

 

そしてこれが毎年、

どえらい並ばされる。

 

 

 

受付期間が短く、申込者が多いせいだが

一番の理由は申込書が恐ろしくめんどくさいからだ。

 

 

 

 

今はどうか知らないが、

学歴、職歴、2級建築士を持っている人は

取得した年、

大学院を出た人はなにを研究しておったか、

そして設計、監理の実務経歴。

 

 

実務経歴は物件名称まで書かされ

具体的になにをしたかも書け、とくる。

 

 

 

 

 

 

あまりにめんどくさい書類なので

遺漏がないかチェックする人がいて

この人のサインをもらわねば提出できない。

 

 

 

 

 

 

だから列ができる。

 

 

 

 

受験資格がややこしいので、確認するためらしいのだが、

半日仕事である。

いや申込書を家で書いてくれば

もっと早く済むんですけどね。

 

 

 

 

 

 

 

さて、この受験申し込み、

学科試験から受ける人も

学科に合格していて製図だけ受ける人も

同じ会場だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは仕方ないかな、と思うのだが

申込書の色が違うのがなんとも嫌だった。

 

 

 

 

 

 

学科からの人は赤

製図だけの人は青だったのだ。

 

 

 

 

 

 

不合格が重なると

申込書の赤いのが恥ずかしい。

 

 

 

 

 

そして、地元で申し込むと

不思議と知り合いに会うから困ってしまう。

そして彼が青い申込書を持っていたりすると

物言いが卑屈になる。

 

 

 

 

 

『よう』

『ああ、お前も?』

『うん、去年製図でしくじって』

『あああ、そう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アパルトヘイトとは

かようなものだったのか?

 

 

 

 

 

 

 

いや、ぜんぜん違うし

南アフリカの人に怒られそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

しかし、今年の私は違う。

手にしているのは

あこがれの青い申込書である。

『控えおろう』という気分である。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、青い申込書を持っている時点で

ものすごく間違えている。

 

 

 

 

製図落ちてるわけだし。

『あこがれの』ってのも大馬鹿だ。

カド番だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこういう

地道なステップアップって

大事じゃないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやごめん、言い過ぎました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そういうドラマを含みつつ列が進むと

チェックする人がいる。

 

 

 

 

この役は建築士会のお姉ちゃんとかではなく

建築主事クラスの人がやるらしく、

某市の建築指導課などで

よく見かけるひとなどがいたりする。

 

 

 

 

 

 

『この法律はこう解釈するんじゃないですか?』

などと、私が役所でえらそうに噛み付いていた人だ。

 

 

 

『こいつ、あんなに偉そうに吹いてたのに

一級もってないんかい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわあ、あの人には当たりませんように。

と思うと、あたるんだよな。

 

 

 

 

その人は、私の顔など目もくれず

無言でサインして書類を返してくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『来年はこんなとこに来んとこ』と

また、あほの子のような誓いを

新たにするのでした。

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

『恥ずかしんいやったら、勉強せんかい』

 

 

 

 

 

 

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2009年9月 7日 (月)

一級建築士製図試験物語 (資格予備校)

 

 

学科免除の特典を手にしている私は

1次試験が終了し、製図課題が発表されてから

おもむろに資格予備校に電話をかけた。

 

 

 

 

予備校は、すでに今年の学科合格者への

勧誘の書き入れ時で、

勧誘リストに載っていないやつからの電話に

 

 

『は?うちからお電話を差し上げましたか?』

 

 

とか戸惑っているので

『いや、去年の学科試験に合格したものだが』

鷹揚に答えると

落胆したように

 

 

『ああ』と言われてしまった。

 

 

 

 

 

 

よく考えたら、学科試験の終了など

待たなくてもよかったのだ。

 

 

 

そうすれば、揉み手で迎えるような応対をしてくれたのに。

 

 

 

 

 

 

もちろん平行定規も買った。

 

 

万全の準備を整えて

曜日ごとに予備校に通うことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日は丸一日かけて、講義と演習があり

課題をもらって次の日曜日までに仕上げて

チェックしてもらう。

 

 

 

さすが30万。

なかなか密度が高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて講義の最初に言われたのは

『製図試験は、

みなさんの能力を

評価してくれるものではありません。

落とすための試験です』ということ。

 

 

 

なかなかうまいことを言う。

 

 

 

と、今でも思う。

 

 

つまり、この試験の採点は

徹底した『減点法』なのです、と

要求された図面がそろっていることは当然で

課題に書かれた部屋が指定の面積どおりに確保され

もっともらしく配置されておるか、という大きなところから 

 

室名や面積、法的な書き込みや寸法などが

それらしく書き込まれているか、

といったけちくさいところまでチェックして

不十分なら、がんがん減点していく、という。

 

 

 

 

 

 

プランが斬新だとか

デザインがすばらしい、といったことは

まったく、ちっとも、ぜんっぜん評価されない。

 

 

 

そんなことに心を配るのはやめてください。と

 

  

 

これからの講義で、

受かる図面のテクニックだけを教えます。

合格したら忘れてくれていいです。

講義や講評をしてくれる先生は、

毎週違ったのだが、

最初に言われた、このせりふは

面白いと思った。

 

 

この先生の独創ではなく、

毎年、最初の講義で言うことになっているんだろうな、と

今は思うが

こういう割切りはきらいじゃない。

 

 

 

 

これから2ヶ月近く

およそ、クリエイティブじゃない

講義が始まる。

 

 

 

 

 

 

驚愕でばかばかしいテクニックは次回。

 

 

 

 

 

 

 

 

括目して待て

 

 

 

 

 

 

いや、ごめん。

言い過ぎました。

また読んでください。

 

 

 

 

 

 

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2009年9月 5日 (土)

一級建築士製図試験物語(講義とは?)

 

 

資格予備校でなにをするかというと、

提出した課題に先生が

朱(あか)を入れてくれた図面を返してもらって講評を受け

当日に課題をもらって、3時間くらいかけて

プランのスケッチをして、

夕方にまた講評を受ける。

 

 

手を動かすのがメインだった。

しかし、もちろん講義もある。

 

 

その年の製図試験は、

一次試験が終わった後に

課題と所要図面だけ発表される。

 

 

ちなみに今年のテーマは

『貸事務所ビル』だそうだから

これからの話も

ほんのほんのちょっとは役に立つかもしれない。

 

 

ことしから製図試験の内容が

だいぶ変わるらしいのだが

試験場で渡される課題には

まず敷地はこうであり、

こういった用途の建物を設計せよ、とある。

 

 

その建物にはこのような部屋を作り、

それぞれの面積はこの程度であり、

駐車場は何台確保せよなどと、

とかなりうるさく書いてある。

 

 

 

そして合計の床面積は

何㎡以下にせよ,ということが書いてある。

この床面積はめんどくさいが絶対に守らねばならない。

 

 

『・・・程度』と書かれている面積は多少上下してもいいが

『・・・以下』と書かれている面積は

越えた瞬間に不合格で

見向きもされませんぞ、

禿げた先生に最初の講義で脅された。

 

私が受けた年の課題も事務所ビルだった。

(受験した年がわかってしまうが)

試験会場では答案用紙と下書き用の紙をくれる。

 

 

 

 

いきなり清書なんてできないからだが

禿の先生は、試験が始まったら

課題を読まないでいいから、

それにまず7m×7mのグリッドを書きなさい、という。

 

 

 

 

 

 

 

無茶な禿だと思うが、

ちゃんと理由がある、らしい。

 

 

 

 

 

じつは、8月に発表されるものは課題以外に

その年の試験で描くべき図面とその縮尺も発表される。

 

  

答案用紙の大きさはA2ときまってるから

レイアウトすると、要求される建物の規模は

ある程度、事前にわかってしまうのである。

 

 

 

情報分析とは、

かくも卑怯なものかと感心した。

こりゃ、個人で勉強する受験生はかなわん。

 

 

 

 

まず構造は鉄筋コンクリートで考えなさい、という。

課題から判断して大きなビルではないので 

鉄骨造は考えなくてよろしい。

 

 

そしてRCでスパン7mというのは、今日びちょっと古臭いが、

非常識な数字ではなく、

そんな構造的妥当性なんかよりも

すばらしいことは7×749だということだ。という。

つまり、1グリッドが約50㎡になるので

ラフの段階での

面積配分が楽です。というのだ。

 

 

 

 

いかにもな受験テクニックで

おそらく古くから言い伝えられていたものなのだろうが

面積計算の便利でスパンを決めるなんてのは

個人的には初めて聞いたので、新鮮だった。

 

 

 

 

さらに禿の指示は徹底しており、

壁は柱芯に配置せよという。

 

 

これも面積計算を楽にするためで

実際は建物の内外に

柱型や梁型がでてきて、

もちろんそういうデザインの建物も現実にあるのだが 

施工がめんどくさいし

かっこわるいのであまりやらない。

 

 

 

 

そして、繰り返すが大きなビルではないから

センターコアではなく

片側コアで考えなさい、という。

 

 

ただ、併設するホール(講堂)だけは

7mスパンに入らないから

事務所の入る高層棟と分けて

低層にしなさい、と。

(その年はそういう課題でした)

 

 

ほら、これで大きなプランはできた。

後はこのパターンをひたすら練習せよ、と

 

 

 

 

まるで、大リーグボール打倒のために

オズマを鍛える星一徹のような

ピンポイントな授業。

 

 

 

 

そして、講評では

『敷地に隣接して川やら公園やらが必ずあるから、

窓をそちらに向けて

設計要旨

「環境に配慮して」なんて心にもないことが

書けるようにしなさい』

といった、それは正直だな、というアドバイスから

  

 

『非常用進入口の▼マークを忘れるな』という 

くそ細かいことまで

指示してくれる。

 

 

さらに、

『時間がある限り座席やトイレブースなどを

描き込みなさい。図面に空白を作らないように』

という、それは採点に関係あるのかなあ

といったことまで、あ-めんどくせえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『合格したら忘れてくれていいです』

最初の講義に言われたのが

まことにもっともだと思える

すばらしい授業。

 

 

 

 

 

 

科挙の試験勉強とは

このようなものだったのか?

これで何年も落ちたら

確かにちょっと太平天国を目指したくなるよなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、試験の日は静かに近づいてくるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

『去年の俺とは違うぜ』

 

 

 

 

 

乞うご期待。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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一級建築士製図試験物語(受験会場まで)

 

2ヶ月の講義を受け、

将来の役にまったく立たないテクニックを詰め込まれ

平行定規も備えた私は満を持して受験会場である

神戸は流通科学大学のある

学園都市駅に降り立った。

 

 

去年の私とはレベルも装備も違う。

駅には同じ受験生がぞろぞろ歩いていく。

製図試験の受験生は例外なく製図道具を納めた

大きなかばんを提げているからすぐわかる。

そこにまた、受験予備校のバイトどもが待ち構えていて

何か配っている。

『来年の受講のご案内』とかだったら

笑えるのだが

 

 

そんなことをすれば数的に圧倒して、

気が立っている受験生に袋叩きにされる。

彼らが配っているのは、

予備校の名前の判子がべったりと押された、 

ボール紙でできた三角形の筒で

なにをするものかというと

製図版の下に敷くと角度がついて

描き易いですぞ、という

親切な代物である。

 

 

さらに、試験が終わった受験生が

学内や駅前に捨てて行ったら苦情が出るので

バイトの皆さんも

5時間半の試験のあいだどこぞで時間をつぶして

帰りにまた回収するという、 

大変な代物でもある。

 

そら、8回の講義に30万とるよな

というくらい、ああいう学校は

受験生の確保に金をかける。

 

ボール紙の筒を手渡したやつの何割かは

来年生徒になるのである。

 

恐るべき商魂。

 

 

 

 

 

 

しかし私は、

超一流店、東急ハンズで買い求めた、

超一流平行定規を携えているので

かようなものには目もくれぬ。

 

 

 

わたしの超一流平行定規は、

背中についている爪をぱちんぱちんと立てると

なんと2段階に角度の調整ができるという

まことに平凡な機能がついているので

そんなもの必要ないのである

 

 

 

 

製図試験は初めてらしい若造どもが

怪訝そうに三角の筒を眺め

バイトの皆さんが

『あ、これ製図版の下においてください。便利ですよ』

などといっているのを

『ふん。一年生はかわいいのう。』と呟きながら

颯爽と歩いていく。

 

 

しかし、製図試験を2回受けるやつと

初めての子と、

どちらが偉いかは

考えてはいけない。

 

 

 

そして、学科試験以来何度となく

訪れている流通科学大に入ると

迷うことなくローソンに入り

おにぎりとお茶を買い求める。

 

 

 

朝のうちに買わないと

すぐに売り切れるからだ。

 

まことに動きが間断なくスムーズで

無駄なスキルを手にしたなあ、と思うのだが

そういやあの試験以来

あの大学行ったことねえなと思うと

ちょっと切ない。

 

 

 

ちなみに流科大は設立の経緯から

学内にローソンがある、

当時は珍しい学校だったのだが

駅からの通りを見通せる位置にあるので

よほどてんぱっている受験生でなければ

迷うことはない、です。

さて、指定された受験会場は

これも何回も来た、階段状の大講堂だ。

 

この講堂に関しては

流科大の下手な留年生より

たくさん来ているような気がする。

 

 

席について道具などを並べ

周りを見渡すと

受験生は実にさまざまである。

 

 

 

受験資格を得るだけでも

いろんな経路があるし

私みたいに何回も落ちている人もいるので

年齢もさまざま。

 

 

 

建築、といっても間口が広いので

設計、現場、大学、役所、

いろんなところから来ていそうだ。

 

そして問題は座席だ。

満席なら1000人は入れるだろうという

大きな講堂なのだが

製図試験は携行品が多いし、

場所をとるので

4席おきくらいに座るようになっている。

 

さらに、座席の前後の間隔がないから

縦方向にまっすぐに並ぶと

前の人の背中や頭を三角定規でつついてしまう。

 

そこで、奇数列と偶数列では

千鳥に並ぶようになっている。

したがって階段状の教室では

前列の受験生の答案が丸見えである。

 

 

見るつもりがなくても、

見えてしまう。

 

そうして見えてしまった答案は

まったく参考にならないだけでなく

私を不合格の淵に追いやる危険なものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次号、いよいよクライマックス

『お願いだから笑わせないでくれ』

 

 

 

 

 

 

 

瞠目せよ!

 

 

 

 

 

いや、だから言い過ぎました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2009年9月 3日 (木)

一級建築士製図試験物語(見えてしまったもの)

 

 

 

5時間30分におよぶ製図試験が始まった。 

5時間30分でもしんどかったのに、 

今年からは6時間30分だそうです。 

うへえ。 

  

時間配分をせねばならない。 

確か私の年は図面4枚と面積計算表、 

設計要旨を書けというものだった。

  

清書に3時間は欲しいところだ。 

前半の2時間30分で、 

問題を読んで下書きをせねばならない。

 

問題文はA3の用紙に 

くそ細かい字で 

みっちり書かれていて、

  

なにしろ『落とすための試験』だから 

さまざまなトラップが仕掛けられている。 

  

もう、初めての海外旅行が

一人旅でアフガニスタンなんですよぉ。

という、女子短大生くらい用心していい。

 

っていうか、そんな国行くなよ。

 

 

しかしまあ、

そうも言っていられないので、

下書き用紙に

敷地など写す。

 

 

そして、建物の配置を考えるのだが

ここで例の『禿の先生の7mスパン』

実に役に立った。

 

建物のスパンを自由に決めてよく、さらに

モジュールなんてのを、

考えだしていたら

3日考えても何も描けなかっただろう。

 

7mスパンを変えねえぞ』と 

決めてしまう無駄に強い心が大事です。

  

『あと500寄せたら』とか考えてはいけません。

  

きりがないし、 

悩んだところで点数に差がつくほど 

いいプランにはならないからです

 

『あの禿が、言ってたんだからしょうがない』

あきらめることも大事、だと思います。

 

 

 

 

試験が始まると、 

教室は実に静かだ。 

しかし、試験開始1時間くらいすると、 

かしょかしょかしょかしょ 

シャープペンシルの音がする。 

なに?と、思わず音の方向を見ると 

私の、左斜め前の少年だ。

 

いや、少年、としか言いようがないくらい、若い。 

そうして、彼は 

製図台の上に、清書用紙を置いて 

熱心になにやら書き込んでいる。

 

この時間に清書を始めるとは!

ものすごく優秀なやつがいるもんだ!

と、思わずのぞきこんでしまった。

 

だから、見えるんだってば。

 

 

しかし、

彼の答案には

まだ、配置図と思しき図面のアウトラインが

1/4ほど描かれているだけで、

彼は机に突っ伏すようにして

まだ完成していない

その壁と柱を一生懸命にシャーペンで塗っていた。

は?

壁と柱を黒く塗る?

 

 

もちろん、課題にはそんなことをしろという

指示は一切ない。

 

って言うか、そんな手間なこと

頼まれても誰もしない。

 

壁と柱を黒く塗る?

ひまな計画図ならそういうこともするけど

これは試験だぞ!

 

 

 

あの試験から十年以上経った今でも

真相はわからないのだが

想像すれば、

  

彼は、いぢわるな先輩に

『一級の試験なんてのは、

図面の見栄えで決まるんだ。』とかなんとか

言われてきたんだろう。

 

 

そして、彼なりに

見栄えをよくする方法として

躯体を黒く塗る,という手段を選んだのだ。

 

もちろん、

鉛筆の粉だらけの彼の図面は

当人だけでなく

ほかの人の図面を真っ黒に汚すので

迷惑極まりない。

 

 

私が採点担当者なら

真っ先にゴミ箱に捨てるだろう。

 

 

 

 

 

じつは、もうひとり、

すばらしい受験生がいて

そっちのほうが真打なのだが

今日の分で、

すごく長文になってしまいました。

 

 

 

 

 

 

もとがWordの文章だから

HTMLにするのが

手間なんです。

 

 

 

 

 

 

関係ないですね。

すいません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告

『そういうことは学校でやってくれ』

 

 

 

 

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2009年9月 2日 (水)

一級建築士製図試験物語(ドラえもんのひと)

 

 

不思議な受験生はほかにもいる。

黒塗りの彼の横、

つまり私の右斜め前に座っていた

彼女だ。

彼女は試験が始まってから

問題用紙を一瞥しただけで

2時間近く何もしなかった。

 

 

 

 

普通の受験生は、

黒塗りはしなくても

下書き用紙に向かって

何か、じたばたするもんだ。

 

 

 

 

 

覗くつもりはなくても、(ないですよ)

これだけ何もしないと

『何だこいつは?』という気になってくる。

 

 

 

そうして、試験開始後2時間くらいして

見るともなく

すごく気になっていた彼女が

 

ついに動いた。

かばんから、なにか箱を取り出したのだ。

 

いやいや、試験中だし。

かばんを開けるってどうかなあ。

 

唖然として眺めていると

彼女はその箱を開けた。

 

 

 

 

 

 

色鉛筆だ。

え?

 

 

 

 

 

 

 

繰り返すが、課題文のどこにも

色を塗れ、とは書いていない。

 

 

彼女もあれか?

黒塗りの彼と同じく

『見栄えを良くする』ために 

色を塗るつもりなのか?

 

 

もうあれだ。はっきり言って

自分の試験のことを忘れている。

 

 

 

 

 

彼女は、箱の中から

青色鉛筆を取り出すと

まったく躊躇なく

清書用の答案用紙のど真ん中に

 

大きな丸を描いた。

 

わあっ

なにすんねん。あほお。

消えへんぞ、それ。

 

 

と思う間もなく、彼女の手は止まらない。 

青鉛筆で、すらすらと書き上げたのは

まごうことなきドラえもんであった。

 

 

 

 

さらに、色鉛筆を次々と取り出し

ドラえもんの左横にチューリップ

右横に煙突のあるおうちを描き

空に高々と太陽を赤く描き

 

 

 

おもむろに画面を眺めると

満足したように、答案用紙右下の

氏名欄に赤鉛筆で署名した。

 

 

 

 

 

 

その間、およそ10分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よかった。

彼女が描いた、ドラえもんが線画で。

 

あれが、色鉛筆で細かく塗りこむ

3時間もかかる超大作だったら

私も受かってはいない。

 

 

 

 

 

 

うわあ、あぶないひとだ。

こわいよお。と思っていると

 

 

彼女は荷物を片付け始めた。

お?帰るのか?

 

 

 

あれか?

あまりの試験問題のいじわるさに

理性のタガがはずれかかったけど

 

 

じつは、まともな人だったんだな。

よかった。

 

 

 

 

よく見ればかわいい子じゃあないの。 

 

 

 

 

 

彼女は答案用紙を持って

大講堂正面の演壇の

試験官のところに行く。

 

 

 

 

それで、提出して出て行くのかと思ったら

なにやらもめている。

 

彼女の声は聞こえないが

試験官の声は聞こえる。

 

どうやら、ドラえもんを描いた答案用紙を

持ち帰らせて欲しいといっているらしい。

 

途中退出の例は

いくらでもあるのだろうが、

答案用紙、しかも落書きを描いたものを

持ち帰らせろ、というのは

前代未聞なのだろう。

 

 

 

 

やがて、講堂中の試験官が集まっての

鳩首会談となった。

 

 

しかしそれでも結論が出ないらしく

何人かの教官が

講堂を出て行った。

 

 

 

 

 

 

すぐ戻ってきたところを見ると、

学内に臨時に設けられた試験本部に行っていたらしい。

(受験生の救護所にもなっていたので知っていた。)

 

 

 

 

 

よかった。

これが、神戸で結論が出ずに

東京に問い合わせをして

3時間もかかるようなら

私も受かってはいない。

 

 

帰ってきた教官は、彼女に答案用紙は持ち帰れません、と

告げたらしい。

 

 

ドラえもんの彼女は、講堂中に聞こえる声で

『でも、記念に欲しいんです』と言った。

 

初めてで最後に聞く彼女の声であった。

 

 

 

そうして、5人の試験官に囲まれて

彼女は出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てめえ、話つくってんじゃねえか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

できすぎだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思われる方がいても当然。

 

 

しかし、あの年、流通科学大の大講堂で

受験した人は、彼女のドラえもんの絵は知らずとも

この騒動そのものは

知っているはずだ。

(ストーリーに関係なく会場のことを書いていたのには

こんな理由がありました。)

 

 

 

 

 

 

 

いや、大多数の人は試験に夢中で

気がつかなかったか?

 

 

 

 

ああっ、なんでこんな目に。

 

 

 

ちなみにこの騒動の間も

黒塗りの彼、は

ひたすらシャーペンを動かしておりまたとさ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次号、大団円

『試験の終わり』

 

 

 

 

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2009年9月 1日 (火)

一級建築士製図試験物語(試験の終わり)

 

 

 

ドラえもんの彼女が退出して、試験場は静かになった。

よそ見ばかりしていないで、私も作業を始めねばならない。

思わず時間をとられた。

 

 

 

いや、集中しろって。

 

 

 

 

 

 

しかし作業に没頭できるようになると

時間とは実に早く過ぎるものだ。

 

 

 

身近な例で言うと

仕事中にFM大阪をかけているのだが

 

 

あそこは、

時報のときに『スジャータのCM』を流す。

 

『スジャータ、スジャータ

ららららら ンッワー』というジングルのあとに

『○時です。』といってくる。

 

『うわっ、もうスジャータか。早いよっ』

急ぎの仕事の時には

いつもこう思って大変あせる。

という、あの気持ちだ。

 

 

 

 

 

 

すいません、ちっとも身近じゃないですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、終了30分前にはすべての図面を描きあげ

『へへん、楽勝だぜ』と思って見直したら、

面積計算を間違えていて、

 

 

 

思いっきり床面積がオーバーしていて

真っ青になった。

 

 

 

 

 

 

なあにが、49㎡グリッドで楽勝か?

このひとは、いつもこうよ。

なんで単純な掛け算と足し算を間違えるかなあ。 

 

とか悔やんでいる暇はない。

結局、

屋内にあった階段を

屋外に出して

床面積からはずす。という悪魔の知恵

乗り切ったのでした。

 

いまだに正解かどうか自分でも疑問なのですが

受かったから多分よかったんでしょう。

 

 

さて、そんなことをしてもまだちょっと時間がある。

 

 

こういう時なにをするか?

 

 

 

 

 

図面に模様を描くのである。

 

 

 

 

 

黒塗りの彼はだまされたのか

勘違いしたのか、知らないが

 

『図面の見栄えを良くする』ということ

自体は間違っていない。

 

 

図面に色を塗る、という方法が

間違っているだけです。

 

アプローチ部分に

タイル目地を描いたり

植栽部分に樹を書いたりするだけで

ぐっと図面の密度が上がって見える。

 

 

もちろん採点の項目ではなくて

ねこだましみたいなものだが、

 

このくらいなら残り5分でできる。

 

 

植栽も、広い面積の部分は樹の模様ばかり描いても

逆にうるさいので

 

『芝生ですよ』という意味で

てんてんをうつとよろしい。

 

 

これは、受験生には

割と広く知られているので

残り10分くらいになると誰かが必ず、

シャ-ペンで、てんてんをうち始める。

 

そして、試験場は静かだから

音が響く。

 

さらに残り時間が少ない中で

誰かがてんてんを打ち始めると

みんな焦って

連鎖反応のように広がっていくのだ。

 

 

 

私が受験した、大講堂などのような場合

それはもう壮観だった。

試験官が

 

『あと3分です』というと

それを機に、

さらに一斉に音が高まる。

 

 

 

 

ドリフのコントみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の建築界の明日を担う

未来の一級建築士は

大講堂にこだまする

シャーペンの響きの中から産まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てんてんてんてんてんてんてんてんっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2008年7月27日 (日)

一級建築士試験その後

今日は一級建築士学科試験。

受験生のみなさん、ご苦労様。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学科試験の合格者発表は

9月に入ってからなので

10月の製図試験にぎりぎりである。

 

 

 

 

 

 

 

そこで、自分で答案を持ち帰って

○建学園とか○合資格学院とかに

採点してもらう、というシステムが昔からあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにしろ1級建築士試験の製図試験は

難関でたいていの人が予備校に通う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予備校に通わないとたいてい落ちて

(これはデザイン力とは関係ない。

ルールに従った書き込みがちゃんとできるかどうかが

審査される。そして学校に通わないと落ちるのだ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の周辺にも

『学科は解けたけど製図で落ちた』という連中がいた。

製図(2次)試験を受けるには

学科が合格していないといけなかったのだが。

学科試験合格の効力は1年で

2年続けて製図を落とすと

振り出しに戻ってしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

したがって、そういった製図1回落第組は

『カド番設計士』として

去就が注目されていた。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかくは一次突破が大事。

そして理想的にはすぐ2次の製図に

備えなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

  

したがって今日の受験生も

受験票とかに自分の解答を写し取っているはずだ。

 

 

 

 

 

受験会場の周辺には

資格予備校のバイトが山ほどいて

アンケート用紙を配っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに今日の回答を記入して

FAXしたら合格してるかどうか教えてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきも言った様に合格しそうな人は

ほぼ確実に資格学校に通う。

これが7週間のコースで30万円とか

結構根性の要る金額なので

この合否判定もすごく熱が入っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合格圏以下の人はまったく相手にされない。

『残念でしたね。来年の講義のご案内はこちら』というくらいに

冷たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

1次が確実だと『製図の講義』を

取ろうとしてとたんに電話攻勢が

かかってくるのだが。

 

 

 

 

 

 

 

私の場合、

どこからも勧誘の電話がかかってこなかった。

よほど合格しないと

当日採点で思われていたらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

製図試験の準備は

結局

予備校に自分で申し込みました。

 

 

 

  

 

いまは笑い話だけど。 

今日の試験を受けても

確実に受からないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ試験は終わってないぞ。

製図試験までがんばってください。

 

 

 

 

 

 

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2008年7月26日 (土)

1級建築士試験

明日、7月27日は1級建築士の

学科試験である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

むー

 

 

 

なつかしい。

そんな季節か。

 

 

 

 

 

 

 

 

私らが受けていた頃は

『8月の第1週』だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもまあ日本が

一番暑い時期であることは間違いなく

 

 

 

 

こういう各種試験の試験場は

大学や高校の教室が当てられることが多く

私立の学校では空調が入っていたことも

当時でもあったと思うのだが

公平を期するためか

どの試験場でもクーラーは入れてくれなかった。

(今は違うと思うが)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

したがって

法令集と汗を拭くタオル

必携品であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が受かった年

台風の影響で日は射さず

風は強くて、

大変涼しく、すごしやすかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当時建設会社に勤めていて

同世代で1級浪人しているやつはたくさんいて

したがって、試験が終わった後で

課長からこういう質問が出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今年、どやった?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

『大変涼しくて過ごし易かったです。』

『そんなこと聞いてるんとちがう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『来年もこうだとええんですけどなあ』

『おまえ、来年も受けるつもりか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『毎年こうだといいんですけどねえ』

『わしゃ試験が出来たかどうか

聞いてるんじゃ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

受験生のみなさんがんばれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事相手の今年の受験生が

いきなりメールで

『データをお送りします。

(分担を約束していた)作業については

まったく着手していません

あとはよろしくお願いします』

と、送ってくるのは相当てんぱってたのだろう、

と思うわけだが

 

 

 

 

仲良く仕事しましょう。

 

 

 

 

 

まだつづくよ

 

 

 

 

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